総合型地域スポーツクラブは、地域住民が主体的に運営する非営利団体である。平成7年(1995)、文部省(当時)の補助事業として始まり、平成12年のスポーツ振興基本計画において、平成22年までに、全国の各市区町村において少なくとも一つは総合型地域スポーツクラブを育成(将来的には中学校通学区域程度の地域に定着)することが目標として掲げられた。
総合型クラブとは、従来の単一種目、限定的な年齢層のクラブではなく、多様な種目が用意され、多様な世代・年齢層の会員が参加可能であり、国のスポーツ振興計画では、初心者からトップレベルの競技者まで、多様な技術レベルの会員が活動するクラブであると定義されている。この総合型地域スポーツクラブという概念は、ヨーロッパで発展している地域スポーツクラブを手本として構想されたものであった。
港区では、港区社会教育委員の会議に対し、平成12年「港区の生涯学習活動における地域スポーツのあり方について」を諮問し、平成14年5月、答申が提出された。その後、他地域の総合型地域スポーツクラブの視察や啓発活動などを経て、平成19年3月に設立準備委員会を発足させた。委員会を通じて体育指導委員と青少年対策地区委員会、港区スポーツ運営協議会と連携しつつ、同年11月、六本木地域に港区総合型地域スポーツ・文化クラブ六本木(スポーカル六本木)を設立した。設立当初は、太極拳、バドミントン、キッズテニス、テニス、フラワーアレンジメント、サッカー、和太鼓、フライングディスクの8種目が常設の活動種目として設けられた。活動場所としては、六本木中学校、麻布小学校、南山小学校、東町小学校、都立六本木高校などの学校施設が利用されている。
その後、平成25年7月には、高松地域(高松中学校通学区域)を中心に「スポーカル高松」が設立され、高松中学校、白金小学校などの施設を利用して活動をしているほか、令和元年(2019)9月には、青山地域(青山中学校通学区域)を中心に活動する「スポーカル青山」が設立された。