■図書館事業の沿革と概要

349 ~ 353 / 396ページ
 港区は、昭和60年代から「図書館の整備」「図書館サービス機能の充実」「視聴覚事業の充実」を3本の柱として、図書館事業計画を推進してきた。図書館の整備面では、平成7年(1995)から平成9年にかけて、高輪図書館の改築移転、港南図書館新築開設、赤坂図書館暫定移転を進め、区立図書館は1館増えて6館となった。
 その後、平成19年には赤坂図書館が改築移転、平成23年に高輪図書館分室開設、平成26年に麻布図書館が現地改築され、令和元年度(2019年度)現在、区には6館の図書館と1館の分室がある。このうち、みなと図書館は、昭和54年7月開館当初から区の中心館として位置づけられている。
 平成期に入り、区立図書館のあり方・方向性が改めて検討され、計画的な図書館サービスの充実を図ることを目的として、「港区立図書館基本計画」が平成18年に策定された。同計画のもと、区立図書館ではインターネットによる貸出予約の充実など、情報技術の活用や開館日の拡大などを実施した。平成24年3月に計画期間を終え、新たに「港区立図書館基本計画(第2次)」を策定。図書館サービス・資料など各種事業の充実、図書館施設やシステム整備の計画を進めた。
 平成27年2月には「港区立図書館サービス推進計画」を策定。「港区教育ビジョン(港区教育大綱)」の方向性「生涯を通じた学び」の実現に向け、「生涯を通じて豊かな学びを支える図書館」を目指すべき姿として示した。同年4月からの事業の内容として、「幅広い視点からの資料収集」「インターネット利用端末の増設と無線LAN環境の整備」「三田図書館の整備」が前期・後期を通した重点事業とされ、平成30年4月からの後期3年間で、重点事業に「図書館と地域活動の連携の推進」が加わった。全6カ年を通した計画の目的は「あらゆる利用者の知りたい・学びたいという思いに応え、主体的な学びを支援する図書館サービスの実現」である(※30)。
 なお、三田図書館の整備については、平成26年3月、東京都との用地交換により取得した芝5丁目用地に「(仮称)産業振興センター」との併設により移転改築することが決定された。平成28年1月、「芝五丁目複合施設整備基本計画」として、「出会いと発見にあふれ、未来を拓く『学び』を支える」新たな三田図書館の整備基本計画を策定した(竣工は令和3年度内予定)。
 各図書館の沿革は、[図42]の通りである(平成30年度時点)。

[図42] 港区立図書館沿革<>

 区立図書館は、平成17年度から三田・高輪・港南の3館の窓口等業務を民間事業者に委託した(赤坂図書館は平成18年度より)。その後、平成21年度からは、三田・赤坂・高輪・港南の4館に指定管理者制度を導入し、同年、みなと図書館1階の窓口等業務を民間事業者に委託した。平成23年度に開設した高輪図書館分室、平成26年度に改築開設した麻布図書館でも、それぞれに指定管理者制度を導入した。三田・麻布・赤坂・高輪・港南各図書館および高輪図書館分室では、子育て支援施設やNPO法人などと連携した行事を実施している。なお、指定期間5年間の中間年度には、指定管理館第三者評価を実施している。
 令和元年7月、図書文化財課とみなと図書館の機能を区分し、令和4年4月1日から「みなと図書館」に指定管理者制度を導入することに決定した。
 
関連資料:【文書】教育行政 港区立図書館基本計画[平成18年3月刊]
関連資料:【文書】教育行政 港区立図書館基本計画(第2次)
豊かな知識と感性を育む、居心地のよい図書館を目指して[平成24年3月刊]

関連資料:【文書】教育行政 港区教育ビジョン すべての人の学びを 支え つなぎ 生かす
関連資料:【文書】教育行政 港区立図書館サービス推進計画[平成27年2月刊]
関連資料:【学校教育関連施設】