■視聴覚障害者への読書支援

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 港区立図書館は、視覚障害などにより通常の読書が困難な区内在住者への読書支援を行ってきた。「声の図書館」という名称で、カセットテープ、カセットテープレコーダーを貸出したのは、昭和50年(1975)麻布図書館が最初である。昭和54年のみなと図書館開館によって機能はみなと図書館に移り、引き続き支援を行ってきた。
 平成19年(2007)、みなと図書館ではデイジー資料(354ページを参照)の貸出を開始した。それらの録音資料は、製作・購入・相互貸借により収集している。平成22年度からは、「声の図書」(録音資料等)の利用対象者を拡大し、区内在住の通常の読書が困難な障害者も録音資料の貸出対象となった。1回の貸出は10タイトルまでで期間は1カ月間、デイジー対応再生機は1台3カ月まで貸出している。
 平成24年度に区立図書館は、視覚障害者情報総合ネットワーク「サピエ」に加入し、インターネットを利用した音訳資料の検索・相互貸出手続など、障害者サービス機能が強化された。
 その他のサービスとしては、以下のものが挙げられる。
 区立図書館にある対面朗読室では、図書館所蔵の本や雑誌などを音訳者が直接利用者に朗読する。利用時間は1回2時間までとしている。録音図書は、音訳ボランティアの協力により製作を行っている。毎年、録音図書製作講習会(デイジー講習会など)を実施している。
 大活字本は、小さい字が見えにくい利用者にも読みやすいよう、通常よりも大きな活字で印刷された図書のことである。区立図書館6館で所蔵しており、館外貸出も行っている。
 本をモニター画面に拡大して表示することができる拡大読書器は、平成29年以降、高輪図書館分室を除く区立図書館6館に設置され、それぞれ専用の席が設けられている。
 聴覚障害者に対しては、筆談器を備えつけ、コミュニケーションが図れるようにしている。麻布図書館の視聴覚室では、平成26年より高齢者・難聴者向けの集団補聴システムを取り入れている。