資料の提供や図書の貸出と並んで、講演会・読書会・鑑賞会・展示会などさまざまなイベントの開催は、図書館が果たすべき重要な役割であり、多くの区民が文化的な生活と触れ合う機会となるものである。
昭和60年代には、みなと図書館が「著者を囲む会」「演出家を囲む会」「音楽評論家を囲む会」を実施した。「子どもの本についての講演会」は三田図書館で始められ、後にみなと図書館で実施された。三田図書館が実施している講座「ミュージアムセミナー」は、継続して実施されている。令和元年(2019)現在、文化の日には、みなと図書館が講演会を実施し、他の図書館でも各種講座を実施している。
区立図書館はまた、大学や専門機関の教員による講座を実施して、専門的な学びの機会を利用者に提供している。平成28年度(2016年度)は、東京海洋大学や専門機関の教員によって、専門的学びのための講座が21回実施された。児童向けの講座でも、民間企業・大学・文化施設と連携して講座を実施しており、平成28年度は、10回の講座が実施された。
区立図書館では、一般映画会、子ども映画会なども実施している。昭和60年代には、「名作無声映画鑑賞会」「中国映画会」「社会教育映画会」(みなと図書館)、「思い出の映画を見る会」(麻布図書館)という名称で映画会を開催するなど、当時の区立図書館全5館で映画会を実施していた。みなと図書館では、映画評論家を招いて映画の解説つきの映画会「シネマ&トーク」を開始し、その後「みなとシネクラブ」と名称を変更して、令和元年(2019)現在も実施している。
平和をテーマにした映画上映は、終戦記念日がある8月に区立図書館6館1分室で、毎年継続して実施している。昭和59年(1984)にロックビデオコンサートという名称で実施されたロック講座は、令和元年現在でも継続して実施されているが、視聴覚行事として実施されていたAVコンサート、DVDコンサートなど、現在ではなくなっているものもある。