港区の文化財保護行政組織は、昭和57年(1982)4月1日にそれまでの社会教育課文化財担当主査から「社会教育課文化財係」となり、同年4月17日に開館した港区立港郷土資料館を文化財保護活動の拠点施設として、区内文化財の保護・調査・研究活動、教育普及活動、収集・保存活動に積極的に取り組んできた。
その後、平成10年(1998)4月に組織改正が行われ、港区教育委員会事務局に新たに「図書・文化財課」が組織された。図書館行政と文化財行政を同一の課で行う組織体制は、当時、東京23区では他に例がなかった。しかし、「図書館法」第3条に規定された郷土資料等の収集・利用が、社会教育課文化財係の職務と重なる部分も多かったことから、一つの課にまとめることで情報の共有化も可能となり、文化財保護行政の充実が図られたといえる。
さらに平成15年には課内の組織改正が行われ、これまでみなと図書館に置かれていた特別資料室が港郷土資料館に統合され、資料室に収蔵されていた郷土資料が港郷土資料館に移された。この結果、区内に所在する各種の郷土資料(文化財)の取り扱いは文化財係がすべて行うこととなり、文化財保護行政の円滑な運営が可能となった。また、平成30年4月には教育委員会事務局の組織変更により、「教育推進部図書文化財課文化財係」となり、同年11月からは新たに開館した港区立郷土歴史館において、より充実した新しい体制による文化財保護行政が開始されている。
関連資料:【学校教育関連施設】