郷土の歴史を学びながら文化財の大切さを知ってもらうため、主に学校が長期休暇となる夏休み期間中に、児童・生徒を対象とした事業を行っている。
開館当初から開催していた「夏休み学習会」では、毎年テーマを変えて港区の歴史・文化・自然などについて講義するだけでなく、テーマに関わりの深い場所を訪れるなど、より理解を深める工夫を行った。平成17年(2005)からは、区と東京海洋大学が地域社会と学術研究をより一層発展させていくことを目的として基本協定を締結したことを受け、港郷土資料館と東京海洋大学附属水産資料館(現・東京海洋大学マリンサイエンスミュージアム)との連携事業として実施されるようになった。「東京湾 自然と人」を共通テーマとして開催している。
また、縄文時代の火おこしや土器作りなどの体験を取り入れた「夏休み体験ミュージアム」を同年から実施し、児童生徒とその保護者が一緒に学び、学習する場を提供している。
学校教育との連携も開館以来の目標として推進している。小学6年生では、歴史の授業に合わせて主に港区の原始・古代についての学習の場として利用されている。伊皿子貝塚遺跡の出土品を中心に展示解説を行うとともに、実際に土器に触れるなどの体験を通じて理解を深めている。小学3年生では、少し昔の時代の生活用具を学ぶ授業での利用が多い。児童の祖父母の時代に実際に使われていた資料に触りながら学習できることから、特に「さわれる展示室」開室以後は学校単位での来館が増大している。また、学校からの要望に応じて学芸員の講師派遣や、中学3年生の職場体験の受け入れも行っている。
平成18年からは学校の夏休み期間中に限り、本来休館日である日曜日も開館し、夏休みの自由研究などの学習に対応している。
さらに、博物館学芸員資格取得のための実習の受け入れなど、大学との連携事業も開館以来継続して実施している。
関連資料:【学校教育関連施設】