港区に関わる資料の収集・保存は、港郷土資料館が行う重要な役割の一つである。そこで郷土資料の所在に関する情報の収集・提供・助言を目的として、昭和57年(1982)に学識経験者による「郷土資料収集協力員」制度が発足した。さらに昭和59年には郷土史家を加えた「郷土資料調査員」制度に改正。行政では把握しきれない個人所有の貴重な文化財の所在情報が提供された。中には指定文化財となる歴史的資料の発見につながる情報など多くの成果を挙げ、平成16年(2004)まで活動を行った。
有形・無形を問わず、文化財の中には時の流れとともに失われていくものもある。やむを得ず取り壊される貴重な建造物や伝統工芸技術、祭囃子(まつりばやし)などの無形文化財については映像記録による保存を実施している。また、指定文化財の複製品の制作や貴重な資料の購入を通じて、多くの資料を収集し保存している。