服装の衛生

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児童の服装は、「児童衛生」の大きな問題点だった。学校は、衣服や頭髪を清潔に保つよう繰り返し指示し、特に夏場の女子児童の和装が不衛生であると、毎年注意喚起した。また、「児童衛生」は、清潔だけでなく、健康を保つことも意味した。「衣服はあまり厚ぎをせぬ方がよろしい。帯や紐をかたくしめ重く高き履物をはかしめ、襟巻を用ゐさするなどは、共に身体のためによろしくありませぬ」と、薄着を推奨し、動きづらい服装や履物を戒めた(『学校家庭通信』第1号、明治36年)。また、日射病対策として帽子をかぶるよう促した。