以上、南山幼稚園と東洋英和幼稚園の園日誌から、戦中と戦後の様子を見てきた。時代が違っても子どもたちの笑顔や天真爛漫(らんまん)な姿が園日誌からもうかがえる。
しかし、両園とも時代に翻弄されて、戦争を肯定的に教えなければならなくなった。時代の流れだったとはいえ、戦争を肯定賛美するようなことを教えていたことは、教育指導の責任の重みを感じるためにも、われわれの記憶にとどめるべきであろう。戦後は南山幼稚園も東洋英和幼稚園の功刀嘉子から新しい時代の幼児教育を学び、「人格の完成」を目指す教育へ再スタートを切っていった。