後援会の活動

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白金小学校については児童保護者会の名で団体が結成されていた。昭和16年(1941)3月改正の「東京市白金国民学校児童保護者会規約(4)」を見よう。
第一条 本会は東京市白金国民学校就学児童の家庭と学校との連絡を図り兼て児童教育上に裨益(ひえき)を与ふるを以て目的とす。
第二条 本会は前条の目的を達せんが為(た)め左の事業を行ふ。
一、就学児童に対し各学年に応じて一定の学用品を給与する事。/二、就学児童に対し必要に応じて物品を貸与する事。/三、就学児童教育奨励上便宜を与ふる事。/四、就学児童保健上適当なる措置を講ずる事。/五、本校職員の研究又は調査を幇助(ほうじょ)する事。/六、本校と家庭との連絡上又は就学児童教育上必要なる印刷物を刊行し会員に頒布する事。/七、前各号の外評議員会に於て必要と認めたる事項。
第五条 本会は東京市白金国民学校児童保護者を以て会員とす。/特に本会の事業に援助したる者は評議員会の決議に依り之を名誉会員に推薦することを得。
同会の予算は、右の規約第2条第1~7各号の事業ごとに科目を設けて編成されている。昭和14年度支出予算(5)の科目を見ると、規約第2条第2号に当たる科目「貸与品費」はすべて「学習参考書購入費」である。第3号に当たる科目は「教育補助費」と「賞品費」で、前者は「運動会費/校外教授費/参宮旅行補助費/映画会費/プール開放費及水道料金/夏季施設費/卒業式茶話会費/教育懇談並ニ講演会費/其他」の9種目に分かれている。この他「備品費」として「太陽灯修理費」「謄写版附属品及修繕費」「ラヂオ蓄音機修繕費」「図書購入費」などが計上されている。また第7号に相当する科目として「手当」「集会費」「電話使用料」などが計上されており、そのうち「手当」は「事務員手当」、「小使手当」(8人分)、「衛生婦手当」に分かれている。
また、規約第2条の第1号に当たる科目「学用品費」については、同じ支出予算の「学年別一人当学用品一覧表」で、32品目の学用品の、児童一人当たりの数量、単価、金額が示されている。例えば、算術帳(3冊)、鉛筆(学年により14~18本)、墨(1本)などである。品目のうち紙類や「理科図画裁縫材料」の項では、数量がなく金額のみ示されているから、児童個人に既定数ずつ配付する物の外、学校での時々の必要に応じて調達する物や、学校に常備する物もあったと思われる。
ここから要するに、後援会は主として、学校の教育活動や運営にかかる金の一部を「後援」するとともに、子どもの学習に必要な学用品を調達し、支給する団体であったといえるだろう。