後援会はそれにかかる金をどのように集めたのだろうか。
右の規約を見ると、この会の会員は児童の保護者であるが、「特に本会の事業に援助したる者」が名誉会員になる仕組みもある。昭和14年時点で、名誉会員は、藤山雷太の死去により久原房之介と堀越久三郎の2人となっている(6)。いずれも著名な実業家・財界人である。
昭和13年度の会計報告(7)では、収入の95パーセント超を会費収入が占めている(他は公債や預金の利息など)。保護者個人別の「会費入金一覧」を見ると、最低が20銭、最高が25円となっており、家計に応じた額を負担したと推測される。後援会は学校や地域社会を単位とした互助組織の一面も持っていた。