PTAは、元来アメリカで行われていたものである。敗戦後、日本の教育の民主化を推進する組織として、占領軍とその指導を受けた文部省が結成を督励した。昭和23年(1948)12月に文部省が全国に配布したPTAの参考規約では、目的として10の事項が列挙されている。その一部に「一、家庭、学校及び社会における児童青少年の福祉を増進する。二、家庭生活及び社会生活の水準を高め、民主社会における市民の権利と義務とに関する理解を促すために、父母に対して成人教育を盛んにする。三、新しい民主的教育に対する理解を深め、これを推進する。(中略)六、学校の教育的環境の整備をはかる。(後略(8)」とある。PTAは学校を支援するというよりも独自の価値志向を持った団体であるという理解が明らかだが、社会運動、父母に対する成人教育、民主的教育推進、学校の教育的環境の整備を含む十の事項の列記という形が、PTAの性格の複雑さを反映している。
関連資料:【通史編1巻】序章4節2項 PTAの発足
関連資料:【通史編1巻】序章4節2項 PTA活動の概要
関連資料:【通史編6巻】5章9節2項 PTA
関連資料:【通史編6巻】5章2節5項 後援会・保護者会等の解消
関連資料:【通史編6巻】5章2節5項 PTAの発足と活動