〔(1) 政策の動き〕

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「義務教育はこれを無償とする」という日本国憲法の規定や、寄付能力のある有力者がPTAや学校に影響力を持つことへの批判が、学校後援費の廃止と公費の増額に至る背景にあるといわれている(21)。
昭和27年(1952)、東京都は条例で「学校の施設整備に関する経費については寄付を受けてはならない」と定めた。その後数次の措置を経て、昭和42年3月、都教育庁は、各教委教育長等宛の通知とともに、区立小中学校PTA会長宛の依頼文書「公費で負担すべき経費の私費負担解消について」を発した。文書では、「義務教育学校運営費標準を設定し、それに見合う財政措置をすることによつて、昭和四二年度を期して、公費で負担すべき経費の私費負担を解消する」と述べ、今後のPTA活動について、「その本来の活動を、父母と教師の相互理解のうえに立つて活発に進め」て、「社会教育団体としていつそうの進展をとげ」るよう期待するとした。