〔(1) 校誌について〕

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校誌は、中学校、高等学校などで定期的に発行される機関誌である。編集、発行の主体はさまざまであるが、昭和30年代までは生徒会やPTAが編集、発行したものが多く、昭和40年代以降、多くの学校で校長が発行者となった。「校誌」の他、「学校誌」や「生徒会誌」などの名称もあるが、本章では「校誌」で統一する。
現在、港区立中学校で発行されている校誌は、青山中学校『学園の友』、赤坂中学校『あけぼの』(後『あかさか』へ改称)、御成門中学校『おなりもん』、港南中学校『港南』、港陽中学校『港陽』、高陵中学校『高陵』、高松中学校『たかまつ』、三田中学校『三田』である。また、統廃合により閉校した学校でも、朝日中学校『あさひ』、城南中学校『あゆみ』、三河台中学校『三河台』、愛宕中学校『若葉』、北芝中学校『若鮎』、芝浜中学校『芝浜』、港中学校『みなと』といった校誌が発行されていた。
内容は生徒会報告をはじめ、クラブの紹介や活動報告、生徒による行事の感想文や優れた作品、卒業生の言葉など、多様である。また、校長をはじめとした教員、PTA会長の手による文章なども掲載される。後述するように、特集を組むこともあった。さらに、周年に当たる年度には記念号として発行され、学校の記念誌としての機能をも持っている。
多くは年1回の発行で、創刊当初は、年度の前半に発行された校誌もあったが、徐々に年度末の発行にそろっていった。ただし、周年記念号として発行される際は、周年行事に合わせた時期、大抵は10月もしくは11月に発行される。校誌はその学校の動きを当時在籍していた生徒、在職していた教師など当事者が記して作り上げてきたもので、彼ら彼女らの学びの履歴が記され、意識を映した鏡といえる。






[図12-1] 新制中学校の校誌(創刊号の表紙)

戦後初期に設置された学校だけでなく、統廃合などにより新たに開校した学校においても校誌が作られている。
出典:(上から)城南中学校『あゆみ』、青山中学校『学園の友』、港陽中学校『港陽』