〔(3) 親子座談会が始まる〕

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この時期は、周年記念座談会においても新たな傾向が生まれた。開校から30年が経過する中学校では、親子が同じ学校に在籍・卒業する場合があり、周年記念号では卒業生である保護者と、在校生である子どもの組み合わせで参加する親子座談会が開催された。『みなと』第24号・創立30周年記念誌(港中学校、昭和52年11月)「港中『今昔物語』」、『あゆみ』創立30周年記念誌(朝日中学校、昭和53年10月)「むかしの朝日・いまの朝日」である。
「むかしの朝日・いまの朝日」では在校生は、親世代の話として放課後の補習や成績によるクラス分けといった勉強の厳しさが語られると、驚きの声を上げた。一方、勉強について家庭ではうるさく言われなかったことをうらやましがるなど、時代による変化を知るとともに、「昔の人達が、色々な面で苦労して今の学校があると思うと、重みを感じますね」と学校の伝統を感じ、受け継ぐ自覚を持つようになっている。
なお、前の時期には盛んに論じられたクラブ活動は、ほとんどテーマとして設定されなくなった。昭和44年(1969)の学習指導要領改訂で従来のクラブ活動は課外活動になったことが理由と考えられる。
生徒たちが教員と意見をぶつけながら主体的に活動することは困難さを増していった。代わりに、設定された課題を自主的に学習する方向へさらに進んでいった。


[図12-6] 座談会「むかしの朝日・いまの朝日」とその風景

三当時在籍していた卒業生(親)・在校生(子)30組のうち、4組が代表して参加した。
出典:朝日中学校『あゆみ 創立三十周年記念誌』昭和53年10月