小学校では、児童が実際にオリンピック会場や聖火リレーコースに足を運んでいるケースが多い。大きく分けて、①聖火リレー見学(10月8日)、②オリンピック大会見学(10月11日~18日)、③オリンピック大会開閉会式リハーサル(10月3日)、の三つである。以下、それぞれについて見ていく。
聖火リレーについては、判明しているだけで赤羽、麻布、桜、桜川、神応(しんのう)、神明、鞆絵(ともえ)、南海、檜町(ひのきちょう)、の9小学校が、10月8日に港区を通過したリレーを見学している。ただし、3年生以上(麻布小)、4年生以上(神明小、鞆絵小)、5・6年生(桜小、檜町小)と記録されており、全校生徒が聖火リレーを見学したわけではなさそうである。少なくとも、1・2年生が聖火リレーを見学した記録は残されていない。引率の困難さや混雑状況など、現実的な判断によるものであろうが、たとえ開催地近隣であっても、全児童が見学することは実際には不可能だった。それでも、実際に見学した児童にとって心を動かされる出来事であったことに変わりはなく、参加した児童の一人は、帰宅後に「きれいなオレンジ色の火だったのよ、せい火が通りすぎるとき、白いけむりがいっぱいでていたのよ。なんだかうれしい気もちで日の丸のはたをふったのよ(10)」と家族に話している。