市立小學校授業料徴收ノ件
當區市立小學校授業料ハ大正十一年度ヨリ三ヶ年間左ノ通リ徴收スルモノトス
一、尋常小學校授業料 一人月額 金貮拾錢
一、高等小學校授業料 一人月額 金 壹圓
大正十一年二月十日提出
東京市麻布區長 松 崎 章太郎
說明
本區市立小學校授業料徴收認可期間ハ本年度限リ滿了ノ處繼續徴收ノ必要アルヲ以テ本案ヲ提出ス
第一九號
未納授業料處分ノ件
一金 六圓四拾銭 尋常小學校授業料二十八人 延三十二人
右授業料ハ納人所在不明又ハ貧困ニシテ到底徴收スルコト能ハサルニ依リ缺損ニ付スルモノトス
大正十一年二月十日提出
東京市麻布區長 松崎 章太郎
(都公文書館資料)
【付記】小学校は明治三十三年義務教育四年制が確立し、小学校教育費国庫補助法も制定され、市町村に補助金が交付されることとなり、授業料は徴収しないこととなった。しかし、実際には無月謝にはならなかった。貧困のため授業料が出せない家庭には免除の措置がとられた。