個人生活
一、ものごとを自分の眼で確かめ、進んで生きた知識技能を身につけ、自主的に生活を創造するようになる。
一、心身に適合した健全な楽しみを持ち、これを生活の中に有効に生かすことができるようになる。
一、自分のからだに即して、健康の維持増進ができるようになる。
一、あたたかい愛情と、まごころをもってつくす強い意志をもつようになる。
社会生活
一、互に相手の価値を認め、人間関係の基本を育てる家庭の機能を理解するようになる。
一、常に生活を合理性にもとづいて改善しようとする意欲を持ち、その実現に努力し、くふうをするようにな
る。
一、豊かな心情を持ち、みんなのために互に意見を尊重し境遇を理解し合い、人間としての共感を持って行動
するようになる。
一、男女は人間として平等であることを理解し、互に敬愛しあうようになる。
一、集団生活の意義を理解し、相互の協力と責任において地域社会の改善に努めるようになる。
政治・経済
一、家庭や社会の経済についての関心を深め、積極的に社会に貢献することができるようになる。
一、勤労の尊さを知り個人の能力に応じた適正な職業選択ができるようになる。
一、みんなが幸福になるために、政治を各人の責任において、よいものにしていこうとする意欲をもつように
なる。
一、憲法、法律などの精神やはたらきを理解し、民主政治についての自覚を高め、これを推し進めようとする
情熱をもつようになる。
一、国際人としての教養を身につけ、正しい愛国心と広い人類愛の精神をもつようになる。
(港区教育委員会『指導室だより』昭三四)
港区学校教育の重点目標〔昭和三十九年度〕
本年度は次の諸点に意を用いて、組織計画の構造化、経営実践の能率化、教育評価、効果測定の重視により、学校経営、学級経営の充実進展を図る。
(一) 学習指導の充実
各校の授業時数の実績に即して、それぞれの教育課程を充実し、それにもとづく授業時間の確保と児童生
徒の積極的な学習を促し学力の伸長を図る。
(二) 生活指導の徹底
生活指導について教職員の共通理解と組織の充実を図るとともに、道徳指導の内面化によりその徹底につ
とめる。校内教育相談の実施により、教育相談センターの活動とあいまって、とくに問題のある児童生徒
の個別指導につとめる。
(三) 幼児教育・特殊教育の振興
幼稚園教育、特殊教育について、それぞれの特性を重んじ、指導計画の充実につとめるとともに、関係機
関との連絡を密にし、その普及を図る。
(四) 研修活動の合理化
各校の自主的研究について、累積的な効果測定に関心を深めるとともに、とくに小学校においては来年度
の各教科の年間指導計画の作成に留意し、教職員のそれぞれの研修活動が学校経営の一環として行なわれ
るよう組織化しその合理化を図る。
なお、オリンピックの年にあたり、児童生徒とともに国民的自覚と国際理解を深め、日常の教育活動につ
いて、環境の美化と公徳心の高揚につとめる。
(『学校教育指導要覧』昭三九)
港区学校教育の重点〔昭和四十四年度〕
学習指導要領改訂の基本方針にそい、次の諸点に重点を置き、学校教育を推進する。
一 学習指導
(一) 調和と統一のある教育課程を編成し、指導の改善と充実に努める。
(二) 個人差に応じた学習を充実させ、創造性の開発を図る。
二 生活指導
(一) 教師と児童・生徒ならびに児童・生徒相互の心の交流をたいせつにして、集団生活の正しいあり方を
身につけさせる。
(二) ひとりひとりの特性の理解に努め、個性の伸長を図り、豊かな情操とたくましさを養なう。
三 特殊教育
児童・生徒のもつ心身の障害を早期に発見し、適切な指導を行なうように努める。
四 幼稚園教育
幼稚園教育と義務教育との関連を考慮して、指導の改善と充実に努める。
なお、「健康・安全教育の推進」を各学校の共通努力点として、
(一) 体力づくり
(二) 交通安全の指導
に努める。
(『学校教育指導要覧』昭四四)
港区学校教育のねらい〔昭和四十五年度〕
◇ 心身ともに健全で気品と風格のある児童・生徒の育成をはかる
一、学校の一員としての誇りと自信をもち、区民・都民・日本人としての自覚をもたせる。
二、みずから進んで自己を鍛え、他人とすなおになじみ、協力し、励ましあって、よりよい方向に進ませる。
三、正しい判断で行動できる勇気をもたせる。
四、自分と同じようにひとを尊び、正しいことや美しいことをたいせつにさせる。
◇ 都市のきびしい環境のなかで、健康で安全な生活ができるようにする
一、身体を積極的に鍛練するとともに、安全な身の処し方が身につくようにする。
二、情報の増大混乱する現代生活のなかで、正しいものを選び、美しいものを尊び、よいことを積極的に行
なう心情を養う。
◇ 個性を生かし、適性に応じ、児童・生徒の内にある可能性を伸ばすようにする
一、発達段階に応じ、能力・適性を伸ばし、自主性・創造性をつちかう。
二、教師と児童・生徒が相互に心のかよいあう場の中で指導する。
三、学級・学年・学校・教育センターの連絡を密にし、教育相談の充実を図る。
◇ 調和と統一のある教育課程への改善と実施につとめる
一、それぞれの地域と児童・生徒の特性を考え、内容を精選し、施設設備を活用して指導する。
二、評価のあり方・方法の改善に努力し、指導の効果をたかめる資とする。
三、教師の研究を推進し、相互の協力により成果の向上と交流を図る。
(『学校教育指導要覧』昭四五)
東京都港区学校教育の指導目標〔昭和五十六年度〕
人間尊重の精神の高揚と心身の健康増進を基本とし、国際社会において信頼される気品と知性及び奉仕の精神に満ちた人間性豊かな日本人の育成をめざす。このため各学校では、心の交流や自然との触れ合いを大切にし、一人一人の経験を深めるように創意工夫する。
このことをもとに次の事項を指導の重点とする。
◎ 人権尊重の教育
一、すべての教育活動を通して、あらゆる偏見と差別をなくし、互いに尊重し協力するよう指導に努める。
二、人権尊重教育の視点から、すべての教育活動についてその問題点を明確にし、指導計画・指導方法な
どを積極的に改善するように努める。
三、学校及び地域社会が、心身障害者を正しく理解して連帯感を深め、また障害児の指導にあたっては、指
導方法の開発を促進して、障害の種類や程度に応じた適切な指導に努める。
◎ 健康・安全の教育
一、すべての教育活動を通して、幼児・児童・生徒の健康の保持増進を図るとともに、一人一人が自らの健
康つくりに努力するよう指導に努める。
特に体育指導においては、一人一人の特性を十分に生かした計画的指導を展開するように努める。
二、生活安全・交通安全については、具体的な指導により安全に対する関心や安全能力の向上に努め、さら
に家庭・地域社会との連携を密にし、事故防止の徹底に努める。
三、非常災害時の防災計画を確立し、幼児・児童・生徒が非常事態に際して安全に行動できるよう指導に努
める。
◎ 生活指導・進路指導
一、一人一人の幼児・児童・生徒の発達課題や心情あるいは能力・特性などについて十分に理解を深めるよ
うに努める。さらに幼児・児童・生徒や父母とのあたたかい触れ合いを通して、自己実現を図れるよう
指導に努める。
二、幼児・児童・生徒の発達を考慮して集団活動を促進し、基本的な生活習慣を確立させ、奉仕活動を積極
的に実践するよう指導に努める。
三、幼児・児童・生徒の愛校心を養い情操を高め、気品のある美しい学校生活環境を創造するよう指導に努
める。
四、全体計画のもとにきめ細かな学年・学級経営を進め、教師と父母・地域社会との連携を密にして問題行
動の要因を把握し、その発生を全校一致して未然に防止するように努める。
五、学習指導・生活指導及び進路指導との関連を図る。特に学習指導時においても生活指導に留意し、児
童・生徒が意欲的に秩序ある学校生活を送るよう指導の徹底に努める。さらに進路指導においては、一
人一人の能力・適性に応じ、計画的・組織的に指導を展開するように努める。
◎ 基礎的・基本的内容の指導
一、日々の授業において、指導の目標や基礎的・基本的内容を明らかにし、一人一人の特性に応じたきめ細
かな指導・助言を行うように努める。
二、自ら考える力や正しい判断力を育てるため、子どもの反応や発言を重視した指導方法を工夫するように
努める。
三、効果的な教材・教具の開発や活用を図り、機能的な学習環境の創造に努める。
四、形式的評価と総括的評価のあり方を具体的に追求し、基礎的・基本的内容が定着するように努める。
(『指導室・教育センター要覧』昭五六)