港区義務教育費の公費負担状況

義務教育費支出
  全国でトップ・クラス
   区立の小中学校に在学する児童・生徒一人にどのくらいの公費が使われているかご存じでしようか。こ
  れは区民税を納めている区民として興味ある問題であるかと思います。教育委員会では、毎年の義務教育
  費の支出について統計をとつていますが、三十五年度における区立小中学校及び区立幼稚園の児童生徒一
  人当りの公費支出額がわかりました。
 三十五年度における港区の区立小中学校及び区立幼稚園に在学する児童、生徒に支出した公費は、
一人当り
 中学校………三万五千百十六円
 小学校………二万八千十三円
 幼稚園………二万二千二円
となつており、都内平均にくらべると上位を占めています。
 港区の義務教育費は区の財政上の支出の三分の一強を占める額となつています。では、この教育費がどのように活用されているか、三十五年度分の調査集計から、そのあらましをお知らせします。
 三十五年度には約九億八千万円が教育費として支出されました。
 つまりこの額が小学校、中学校、幼稚園まで、あわせて四十二校の児童、生徒三万二千六百四十四名に使われた公費です。
 この費用は区が支出したもので各家庭で支出した私費は含まれておりません。
 この約九億八千万円の内訳は教授費が全体の七五%で約五億八千万円を占めています。この教授費の内容は教職員の給料手当、教材費、学校行事費などを含んでいます。
 次が維持費で約一億円で、電気、ガス、水道等の料金が入ります。
 また、資本的支出として校舎の増改築、土地、図書購入費が約一億二千万円支出されています。

 

  小学校第三位
  中学校第四位
 これら港区の児童、生徒一人当りの義務教育費を全国的にみますと、三十五年度分は集計中なので、三十四年度分で小学校が全国で第三位、中学校が全国で第四位とトップ・クラスに入つています。
34年度義務教育費の1人当り支出額 小学校
全国順位地区別児 童
1人当り
1位千代田区25,757円
2位中央区22,371円
3位港 区19,433円

34年度義務教育費の1人当り支出額 中学校
全国順位地区別生 徒
1人当り
1位中央区23,496円
2位大 阪 府
河内長野市
23,300円
3位青梅市22,915円
4位港 区22,002円

 
 また、社会教育費は約四千万円で、このうち図書館経費が三千万円あり、そのほか成人学校、青年学級、体育行事費、社会教育活動費などが約六百五十万円で、区民一人当りの社会教育費は九十九円となつています。

(『港区政ニュース』昭三六)