(1)多様な人びとがいきいきと暮らせる都市ルールを確立する
子どもからお年寄りまで、また、新たな住民や外国人も含めて、地域の誰もが港区のコミュニティの一員となって、お互いを尊重しながらいきいきと暮らせるまちづくりを進めていきます。マンションや事務所ビルの開発の際には、事業者は地域への貢献を積極的に図ります。地域の中でも新しいものを積極的に受け入れ、まちの持続的なレベルアップを図ります。都心居住や都心の利用には責任と義務を伴うことを皆が学びながら、住まい方、空間づくり、開発方法に関して新しい都市のルールを確立していきます。
(2)魅力的な都心生活の舞台をつくる
港区の魅力は、職と住が近接してゆとりある生活ができ、さまざまな文化や情報に触れられる点にあります。そうした魅力をさらに高めるために、民間と行政が協力し、都心居住を進め都心生活の舞台をつくっていきます。公共施設の配置や再配置等も、利用者の利便や効率性を踏まえ地域を超えて行います。個性豊かな歴史と文化を継承するとともに、水辺や緑、坂や街路などの優れた景観の保全・創出につとめます。バリアのない、人びとの暮らしをサポートする舞台づくりにも積極的に取り組みます。
(3)世界に開かれた先駆的で活力あるまちの基盤を整備する
港区には多くの外国人が暮らし、大使館や外資系企業なども数多く立地しています。こうした海外に開かれた「港」であることに誇りをもって世界に通用する都心文化をはぐくみ、その情報を発信していきます。また、港区は東京の都心でもあることから、アジアや世界の諸都市との国際競争にも対応できる都心機能を支える基盤の整備や市街地の再生を促していきます。その際、伝統的なものと現代的なものとが調和した景観づくりに努め、国際文化の形成に貢献します。
(4)安全で安心して暮らせる都心をつくる
港区には更新期を迎える多数の建物や公共施設等があり、大地震の際の危険性を多数抱えています。地下室への浸水や河川の溢水といった都市型水害に対する備えも必要です。都市型犯罪やテロへの備えも新たな課題となっています。これらに対しては、継続的にリスク情報の把握に努めるとともに、その開示を進め、行政・事業者・地域コミュニティが連携して危険性の軽減に取り組んでいきます。また、都市の危機に際しても早期の回復が図れるような都市基盤やライフラインの整備に取り組みます。
(5)住民、事業者、行政の多層的なパートナーシップでまちをつくる
まちづくりに関する情報の共有を図ることを基本としながら、誰もが主人公となってまちづくりを進めるためのしくみを整備します。事業段階でのアセスメントのみならず、計画段階・政策づくりの段階においてもさまざまなチャンネルを通して広く意見を反映することに努めます。一方で、手続の簡素化や運用基準の見直し等によって、地域に貢献する良質なプロジェクトの誘導を図ります。これらを通して港区という貴重な空間を次の世代に引き継ぐことができるよう、持続可能な街づくり※に取り組みます。
※ 持統可能な街づくり:環境保全と長期的な発展が両立する街づくりのこと。