2 環境にやさしい都心をみなで考えつくる

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(1)循環型社会の構築による活力ある都心づくりを進める
 都心機能が集中する港区では、事業系ごみや建築廃材の削減・再利用が大きな課題となっています。そこで、経済的手法も含めたさまざまな方法によってそれらを促すしくみづくりを充実して循環型社会づくりに貢献するとともに、拡大生産者責任を明らかにし、社会に貢献することが事業者のメリットにもなるシステムの構築をサポートします。区民も、町会や自治会、NPO等の活動を通してごみの発生抑制・再利用・リサイクルに取り組みます。これらの取り組みを通じ、新たなビジネスチャンスが生み出されることも支援していきます。
 
 拡大生産者貴任:製品の製造者は、製品の性能だけでなく、その製品の生産から廃棄までに及ぼす環境影響に対して責任を負うべきとの考え方のこと。
 NPO:Nonprofit Organization。市民(区民)が行う自由な社会貢献活動として、営利を目的としない民間組織のこと。ここでは、特定非営利活動促進法(平成10年3月公布)に基づく団体を指す。
 
(2)緑や水辺を保全・創造し人や生物にやさしい都心環境をつくる
 区内に多く残された緑や水辺は、都心環境の魅力を維持・増進するうえで貴重な財産になっていることを自覚し、その保全・創出に努めるとともに、誰もがそこに近づき自然と親しめるよう働きかけていきます。主要道路の沿道緑化を進めるとともに、屋上緑化や壁面緑化、浸透性の高い道路やビオトープづくりなどによって、環境にやさしいまちをつくり出します。これらを通して、水鳥や野鳥が飛来し、いつも新鮮な空気が吸える共生都心をつくります。
 
 ビオトープ:安定した環境を持つ野生生物の生息空間のこと。Bio(生物)とTope(場所)の合成語。
 
(3)自動車への依存を減らし、環境負荷の少ない都心づくりを進める
 港区に集積する諸機能はヒートアイランド現象や地球温暖化の原因になっていることの責任の自覚を各主体に促し、さまざまな手段・方法を通じて環境負荷の軽減に取り組みます。新たな交通手段の導入・活用も含めた公共交通網の整備をさらに充実し、できるだけ自動車に依存しない都心づくりをめざします。ノー・カーゾーンやノー・カーデーの設定にも取り組みます。さらには、通過交通量の低減に向けた取り組みを関係機関に要請します。また、自然エネルギーの導入を推進するとともに、街区全体の整備にあたっては地域冷暖房の普及等を促し、自律的な地域づくりをめざします。
 
 ヒートアイランド現象:都市部に局地的な高温域が生ずる現象のこと。
 
(4)環境に対する意識を高め行動する
 環境は、一人ひとりの生活や活動の結果つくられるものです。そこで、「港区版環境ISO」を設定して、区民・事業者・行政それぞれが環境にやさしい都心づくりを進める指針とします。また、繁華街や商店街、住宅地といった地域ごとにさまざまなパートナーシップを組んで環境先進都心づくりを実践します。そのため、区民、事業者などと協力し、環境を守る基金などのしくみを創設します。区内の小中学校でも環境学習を積極的に取り入れ、実践活動を通して地域を愛する区民を育てていきます。