1 明日の港区を支える子どもたちを育む

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(1)健やかな子どもの「育ち」を支える環境を整備する
 次代を担う子どもたちが、心身ともに健やかに育つためには、子ども自身の可能性・自主性を尊重し、子どもの主体的権利に配慮するという、いわゆる「子育ち」の視点を持つことが大切です。また、子育て家庭における養育環境を整えることは、家族を含む人間関係基盤を確固たるものとし、豊かな家庭生活・社会体験の機会を確保していくことになります。そのためには、子育ちの支援と従来からの保育行政などに代表される子育ての支援が「子ども」を軸として総合化され、横断的に取り組まれることが必要です。
 都心・港区の特性を踏まえ、「家庭―学校―地域社会」の複層的な関わりを充実させるために、関連機関・部署が積極的に連携し、課題解決に取り組みます。子どもに対するいじめや虐待を未然に予防し、子どもの権利擁護のシステムの構築を進めます。
 また、地域の民生・児童委員やNPO等の自主的な活動を支援し、子どもの養育環境整備に必要な公共と民間が協働した、幅広い子ども家庭支援ネットワーク体制を構築します。
 
(2)子どもの個性、地域の特性を生かす学校教育を実施する
 学校は知識や技能を身につけるだけでなく、人間関係を学び、生きる力を育む場です。このため、子どもに係る学校教育行政と福祉行政との横断的協力、さらには地域社会との関わりが大切です。
 学校教育においては、子ども一人ひとりの発達や理解の違いや特性・個性を個別的に捉え、伸ばしていくよう教育環境の整備に努めます。
 また、地域で暮らしている高齢者や、都心の事業所・商店等で働く人たちなど多様な人材、歴史的・文化的資源等を生かし、港区にふさわしい個性的な学校づくりに努めます。子どもが地域と交流する場として高齢者福祉施設等を活用します。
 
(3)就学前児童ケアサービスを総合的に推進する
 若い世代が安心して子を産み、育てるためには、区、事業者、地域社会等が連携した総合的な施策推進・環境づくりが不可欠です。
 男女平等参画社会が進む中での家族機能の変化、女性の就労や社会参加等によって発生する保育ニーズに的確に対応する必要があります。このため、都心の地域特性を踏まえ、休日・夜間保育など多様なサービス形態の確保・充実を推進します。
 また、幼稚園の望ましい教育環境の整備を進め、新たな統合化された児童施設を検討します。さらには幼稚園と保育園の機能を充実し、区民が多様な選択ができるよう努めます。若い世代が、夢と希望を持ち、地域社会とともに子育てができるネットワークを構築します。
 
(4)子どもの健康を守る体制をつくる
 乳幼児とその親の健康を守ることは、その後の子どもの健やかな成長のために不可欠です。とりわけ、乳幼児期の子どもを持つ親に対しては、身体面のみならず、精神面でのサポートが大切です。
 このため、生涯にわたる区民の健康づくりのスタートの観点から都心にふさわしい保健所・学校保健・小児医療機関等との連携システムを構築します。
 また、健康づくりの観点から食生活面を含め、乳幼児期特有の情報提供や健康な生活習慣の醸成にも取り組みます。