1 教育目標・基本方針

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 教育委員会では、教育行政を進めていくに当たり、区民が生涯にわたり、社会の一員としてよりよく生きる力を身に付けることができるように、目標及び基本方針を定め、教育の充実に取り組んでいます。
 
教育目標 (平成17年1月11日港区教育委員会決定)
 港区教育委員会は、人間尊重の精神を基調とし、家庭・学校・地域社会の緊密な連携のもとに、子どもたちが健康で、知性と感性に富み、人間性豊かに成長できる学校教育を推進します。
 また、世界に開かれた国際都市港区の個性豊かな文化と歴史を継承・発展させるとともに、誰もが生涯を通じて主体的に学ぶことのできる生涯学習社会を推進します。
 そして、郷土に対する誇りと愛着を持って、社会の形成と国の発展に貢献するとともに、広く国際社会において信頼と尊敬を得られることを期して教育を推進します。

学校教育


生涯学習

基本方針 (平成19年1月23日港区教育委員会決定)
 港区教育委員会は、「教育目標」を実現するため、学校教育と生涯学習との連携を更に進め、以下の「基本方針」に基づき、総合的に教育施策を推進します。
 
1 人権教育の推進
 日本国憲法及び教育基本法の精神に基づき、また、児童の権利に関する条約等の趣旨を尊重し、教育活動全体を通じて、あらゆる偏見や差別をなくし一人ひとりがかけがえのない人間として尊重されるよう、人権教育を推進します。
 
(1)一人ひとりの子どもの健やかな成長・発達及び区民の自己実現を図るとともに、同和問題をはじめ、さまざまな人権課題への正しい理解と認識を深めるなど、差別意識の解消を図る教育を推進します。
(2)すべての人が互いの人格を尊重し、思いやりの心や社会生活の基本的ルールを身に付けることができるよう、相互理解を深め連帯感を高める教育を推進します。
(3)人種、民族や宗教などを異にすることによって、人権が損なわれることのないよう努めます。
(4)男女平等参画社会の実現のため、男女が互いの違いを認めつつ、個人として尊重される男女平等教育を推進します。
 
2 魅力ある学校教育の推進
 基礎的・基本的な学力の向上を図り、生涯を通して自ら学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力等の資質・能力の育成を重視し、一人ひとりの子どもの個性と創造力を伸ばす教育を展開する特色ある学校づくりを推進します。
 
(1)豊かな人間性や自ら学び、自ら考える力などの「生きる力」を育成するために、国際理解、情報、環境、福祉、健康等の教育課題について子どもたちが広い視野で考え、主体的に学習できる創意ある教育を推進します。
(2)基礎・基本を徹底し学力の向上を図るため、習熟の程度に応じた少人数指導や体験的な活動、主体的な学習を重視した教育内容・指導方法の改善に努めます。子どもの興味や関心を高める事業を積極的に展開するなど、一人ひとりの個性や創造力を伸ばす個に応じた多様な教育を推進します。
(3)子どもたちの知的な学習意欲に応え、豊かな情操を育むため、学校図書館の活性化を図るとともに、図書資料の充実や人的措置を行い、公立図書館との連携を推進するなど、学校と地域が一体となった読書教育を支援します。
(4)障害のある幼児・児童・生徒が、その能力・特性等を最大限に伸ばし、成長・発達していけるよう、個々の教育ニーズに応じた指導体制を構築し、交流教育を推進するなど心身障害教育の充実を図るとともに、特別支援教育を推進します。
(5)子どもたちに情報社会におけるモラルを育成するとともに、科学的な見方や考え方を養い学習に対する興味や関心、意欲を高めるため、ICTを活用した教育を推進します。
(6)子どもたちが将来に夢や希望をもって生きることができるよう、職場体験等を通して望ましい勤労観・職業観を育み、主体的に自らの進路を判断し選択できるキャリア教育の充実を図ります。
(7)子どもたちがいきいきと学び、健やかに育つ魅力ある学校教育を推進するため、ライフステージに応じた教員研修の充実を図るとともに、教育課題に対応した校内研究を支援します。
(8)学校評議員制度や家庭・学校・地域社会・関係機関の相互の連携強化などを通して、その学校評価を積極的に学校運営に反映させ、保護者や区民のニーズや信頼に応える特色ある学校づくり・開かれた学校づくりを一層推進します。
(9)望ましい教育環境の整備のために、学校の適正規模・適正配置に努めるとともに、子どもが安心・安全に学べるような学校施設環境を整備します。
 
3 健全な心と体を育成する教育の推進
 子どもたちが健康で安全な生活を営めるよう、家庭・学校・地域社会及び関係機関の緊密な連携のもとに、心と体の健康づくりと安全教育の推進を図ります。
 
(1)子どもたちが人間性豊かに成長できるよう、道徳教育をはじめ自然体験や社会体験、ボランティア活動などの体験的な学習を通して、自他を尊重し生命を大切にする、心の教育を推進します。
(2)自立心や責任感、正義感や公正さ、思いやりの心や社会に貢献しようとする精神を育む教育を推進します。
(3)いじめや不登校など、児童・生徒の多様な課題に対応するため、互いに認め合い、ともに学び合う学校づくりを進めます。特に、学校教育全体を通して「いじめは絶対に許されない」という指導を徹底するとともに、いじめの早期発見・未然防止に向け学校、家庭、地域、関係諸機関が連携・協力し、組織的に取り組みます。
(4)子どもたちの学校生活にかかわるさまざまな悩みに対応するため、カウンセリングをはじめとした教育相談機能の充実に努めます。
(5)自ら進んで心身の健康を保持増進する資質や能力を育むとともに、家庭、学校、地域社会が連携・協力した健康・体力づくりや食育を推進します。
(6)安全で安心した学校生活を送ることができるよう、学校の危機管理体制を整備するとともに、学校、家庭、地域及び関係諸機関との連携を密にして、登下校時を含めた子どもたちの安全確保と事故防止の徹底を図ります。
(7)喫煙、飲酒防止及び薬物乱用防止に関する関心を高め、理解を深めるとともに、関係機関と連携し、防止に関する指導の徹底を図ります。
(8)性にかかわる正しい認識がもてるよう、児童・生徒の発達段階に即した適切な指導が行われるよう努めます。
 
4 国際社会に対応する教育の推進
 我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を育て、国際社会で活躍し、社会の変化に対応する能力と態度を育む教育を推進します。
 
(1)我が国の文化・伝統に触れる機会の充実を図り、郷土に対する愛着や日本人としての誇りを育むとともに、世界の多様な文化に対する理解を深める教育を推進します。
(2)身近な地域の方々との交流を通して、港区の歴史や伝統の理解、港区を愛する気持ちを育む教育を推進します。
(3)日本語教育の充実を基盤として、コミュニケーション能力の育成を中心とした小学校「国際科」、中学校英語科「国際」を全小中学校で実施し、港区の特性を生かした英語教育を推進するとともに、国際人の育成を目指した学習活動の充実を図ります。また、小中学生の海外派遣を実施し、自国の文化を尊重する態度を育成するとともに、外国の人との交流や見聞を深めることを通して国際理解教育を一層推進します。
(4)帰国した児童・生徒や日本語への適応が十分でない外国籍の児童・生徒が充実した学校生活を送ることができるよう、一人ひとりの個性や能力を生かす教育に努めます。
(5)戦争の悲惨さと平和の大切さを学ぶことができるよう、さまざまな機会を捉え、啓発活動を実施します。
 
5 生涯学習の推進
 区民が、生涯を通じて学習機会を自ら選択して学び、その成果がいかされる生涯学習社会を実現するため、教養・文化・スポーツ活動に親しみ、健康・生きがいづくりや社会参加を進めることができるよう、生涯学習の場・機会・情報提供の充実を図ります。
 
(1)高度情報化社会、国際社会、少子高齢社会及び環境等の現代的な課題、スポーツ・レクリエーション活動、さらには、港区の文化や伝統について区民が関心をもち、認識を深めることができるよう、学習機会と情報の提供に努めます。
(2)区民の多様な学習意欲に応じるため、さまざまな知識や技能を有する区民、大学、自主・ボランティア団体、NPOなど、地域の学習資源との連携による学習機会の充実を図ります。
(3)区民の学習成果の活用やボランティア活動などの社会貢献ができる体制の整備、区民参加・区民協働の機会などの一層の充実に努めます。
(4)生涯学習施設、学校施設、スポーツ施設、図書館等、既存施設の整備と有効活用を図るなどして、生涯学習の場の充実に努めます。特に学校施設については、地域における児童の居場所として、交流と活動を図るために整備に努めます。
(5)図書・視聴覚資料や港区にかかわる資料の収集整備とともに、新しい情報通信技術を活用した情報の提供など図書館サービスの一層の充実に努めます。
(6)歴史を今日に伝える貴重な文化財を収集・保存し、次代に継承するとともに文化財保護思想の普及を図りながら、積極的に公開・活用し、広く区民に親しまれるよう努めます。