◆概要
心身障害教育から特別支援教育へという流れを受け、区では平成19年度に、考え方と今後の方向性をまとめた「港区における特別支援教育のあり方」及び具体的年次計画である「港区特別支援教育推進計画」を策定し、特別支援教育を進めています。
障害のある児童・生徒のため、小・中学校に「特別支援学級」を設置し、それぞれの学級で児童・生徒一人ひとりの障害の種類やその程度、発達の状況等を踏まえ、児童・生徒の障害の克服や改善に向けて多様な教育を実施していきます。
また、通常学級に在籍するLD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)、高機能自閉症等の特別な教育的支援を必要とする児童・生徒に対し、その子の持つ特性や能力など可能性を伸ばす教育を推進します。
1 特別支援教育支援体制の整備
特別支援教育についての取組みや課題についての協議、研修などを通し、幼稚園、小・中学校における特別支援教育を推進する中心的な役割を担う特別支援教育担当者(特別支援教育コーディネーター)の資質向上を図るとともに、組織的な取組みと校内体制の確立を整備します。
2 個別指導計画の充実
児童・生徒の障害の程度に応じた個別指導計画を作成し、その活用の充実を図ります。
3 特別支援学級の充実
中学校の特別支援学級(情緒障害)を増設します。
4 相談体制の整備充実
特別支援学級や特別支援学校(※3)への就学・転学についての相談、通級指導学級・学習支援員派遣に関する相談窓口を一元化し、就学前から義務教育終了までを一貫して対応する相談体制を整備します。
5 学習支援員の配置
通常学級に在籍するLD(学習障害)・ADHD(注意欠陥多動性障害)、高機能自閉症などの発達障害のある児童・生徒に対し、一定の養成講座を修了した学習支援員を配置し、学習の支援を行います。
6 特別支援教室のモデル実施
通常学級に在籍するLD・ADHDなどの発達障害がある児童・生徒に対し、学習を支援するための教室を設置します。
7 幼稚園における特別支援教育の充実
心身に障害のある幼児の指導にあたっては、家庭や医療、福祉などを行う関係機関と連携し指導の充実を図ります。
8 副籍制度の実施と充実
特別支援学校に在籍する児童・生徒が、居住する地域の区立小・中学校に副次的な籍をもち、居住する地域とのつながりを維持・継続する副籍制度の実施とその充実を図ります。
9 特別支援教育に関する教職員の資質及び専門性の向上
特別な支援を要する子どもを適切に指導するために、校内研修、特別支援教育担当者研修の充実を図るとともに、都や国、大学等の主催の研修会に積極的に参加し、障害に対する正しい知識と対応力の向上に努めます。
10 特別支援学級と通常の学級との交流及び共同学習の推進
特別支援学級に在籍する児童・生徒が、特定の教科や特別活動等において、通常の学級と交流又は共同で学習する機会の創出と環境の工夫を推進します。
11 特別支援アドバイザーなどの専門家の活用
子ども一人ひとりの障害の状態や程度などについて専門的な判断や、個々の障害の特性に応じた指導を行うために、特別支援アドバイザーの派遣の他、保健、医療などの専門家の活用、派遣を検討します。
※3 特別支援学校:盲・聾・養護学校が、学校教育法改正により平成19年度より特別支援学校に名称変更。