日本において子どもに読書をすすめる活動は長い歴史を持ちますが、国や自治体が積極的にかかわるようになったのは最近のことです。
政府による読書活動は、平成13年に「子どもの読書活動の推進に関する法律」が制定されて以降、積極的に推進されてきました。平成14年には「子どもの読書活動の推進に関する基本計画」が閣議決定され、その後、自治体においても読書活動に関する計画が策定されるようになりました。東京都は平成15年に読書活動推進計画を策定しています。
港区では、こうした国や東京都の取組を踏まえた上で、平成18年に、市区町村としては比較的早く「子ども読書活動推進計画」(第一次)を策定しました。この計画は、港区基本計画、港区教育振興プラン、港区立図書館基本計画と連携をとりつつ策定され、それらの計画と一体となって読書活動を推進してきました。
第一次の計画は大きな成果を生みました。第1次計画の策定時と本計画策定にあたり実施したアンケートの調査結果を比較すると、本の貸出しに関して学校図書館で1ヶ月に10冊以上借りる児童生徒が、前回調査で3.5%だったものが、6.3%に上昇しました。また、「ほとんど借りない」児童生徒は36.6%から30.7%に減少しました。1ヶ月の読書量は、10冊以上読書する児童生徒が、前回は9.0%だったものが14.0%に上昇し、「ほとんど読まない」は逆に26.7%から23.8%に減少しました。一部の指標では、十分効果があらわれていないところもありますが、第一次計画の推進により、上記のような成果がみられました。
このたび、第一次の計画策定から6年が経過し、第2次の計画を策定することとなりました。第2次計画では、第一次の施策を基本としながらも、進捗状況や現時点での必要性などを検証し、修正、廃止、あるいは新たな施策を策定しました。
本計画により、子どもが自らにとって欠かすことのできない本と出会うことができ、また、子どもが本来もつ、楽しんで本を読む力を引き出したいと考えております。
未来をつくる子どもたちへ読書の楽しさをつたえることを目的に当計画を策定します。