4-1-3-1.施設整備と資料の充実
子どもの読書活動の推進を進める上で、図書館の「施設整備」と図書等の「資料充実」は重要な要素です。また近年、区立図書館の「安全、安心」と「居心地のよい読書空間」への要望も出ています。
―安全、安心で、居心地のよい読書空間の整備―
【現状と課題】
利用者にとって図書館は「本を借りる」というだけではなく、本を読む空間としても重要です。区立図書館では児童コーナーを設置していますが、ヤングアダルト層を対象としたスペースの環境整備が十分ではない図書館もあります。
物理的な制約はありますが、より安全で、安心できる読書空間を創出、整備していくことが課題です。
安全、安心で、居心地の良い読書空間の整備のための施策
平成23年12月にオープンした高輪図書館分室の書架と学習コーナー
(学習コーナーはタイプが異なる5つの学習コーナーを設置)
―個性・特性に応じた資料の充実―
【現状と課題】
布絵本や外国語図書の所蔵、学習障害児への録音資料貸出事業の規定を整備しています。今後は、子どもの特性や言語にあわせて資料を整備・拡充していくことが必要です。また、ニーズの把握とPR方法も課題です。
個性・特性に応じた資料の充実のための施策
―電子書籍導入の準備―
【現状と課題】
港区では現在電子書籍を導入していませんが、一部の公共図書館では、電子書籍を活用したサービスを実施しています。児童生徒の情報利用環境の変化を見ながら、電子書籍の導入を検討します。
電子書籍は、現在、基準規格が確立していないなどの状況がある一方、現代の子どもたちは生活の中で早い時期から電子媒体に慣れ親しんでいる傾向があります。今後は、このような社会環境や電子媒体の長所と短所を十分に踏まえ、導入への調査・検討を行います。
電子書籍導入の準備のための施策
4-1-3-2.人材の育成
―図書館職員の育成―
【現状と課題】
図書館は家庭、学校・幼稚園・保育園とともに、子ども読書活動推進の拠点となる施設です。今後は図書館職員の育成のために、さらに研修体制を整備することが課題です。
図書館職員の育成のための施策
―関係者の育成支援―
【現状と課題】
子どもの読書活動を推進するためには、子どもの読書にかかわる関係者21の育成が必要です。港区では、小中学校の学校図書館にリーディングアドバイザリースタッフを配置しています。
21 関係者:教諭、学校図書館関係者、公共施設職員等を指します。
区立図書館ではすでに教諭や学校図書館関係者の育成支援や情報共有を開始していますが、今後は、幼稚園や保育園、子ども関係施設との連携を強化していくことが課題です。
関係者の育成支援のための施策
高輪子ども中高生プラザでの「学校図書館関係者連絡会(全体連絡会)」
―ボランティアの育成支援―
【現状と課題】
平成22年度より読み聞かせボランティア養成講座を開催しています。
ボランティア登録者が、十分に能力を発揮し、区立図書館や学校、子ども関係施設で生き生きと活動できるよう、ボランティアの登録要件を定め、登録後の技術力維持のための方策を十分に検討した制度を創設・運営していくことが課題です。
ボランティアの育成支援のための施策