4-2-1.まなびの中の読書

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 学校図書館は「読書センター」「学習・情報センター」としての機能をもちます。読書センターとしては、児童生徒の創造力を培い、学習に対する興味・関心を呼び起こし、豊かな心をはぐくむことが求められます。また、「学習・情報センター」としては、児童生徒の自発的で主体的な学習を支援するとともに、情報の収集・選択・活用能力を育成し、教育課程の展開に寄与することが求められています。
 このような観点から港区では平成14年度より全小中学校の学校図書館にリーディングアドバイザリースタッフを配置し、児童生徒の読書に関する興味・関心を向上させ、その主体的・意欲的な学習活動を支援しています。また、各学校では、推薦図書リストの作成や、一斉読書などの取組を行っています。
 今後も引き続き、司書教諭や図書館担当教諭、リーディングアドバイザリースタッフが中心となり家庭や地域、区立図書館などの関係者・機関とより強く連携し特色ある読書活動に取り組みます。
 
―調べ学習の充実―
【現状と課題】
 「調べ学習」は、自ら課題を見つけ、調べ、主体的に判断し、問題を解決に結びつける力を養う学習です。区立図書館では小中学校の調べ学習に使用する資料収集を支援するため調べ学習用図書の団体貸出を行っています。平成22年度には5,983冊が貸出されました。
 今後は、区立図書館を今まで以上に活用し、調べ学習を強化することが課題です。

調べ学習の充実のための施策


赤坂図書館での東京海洋大学との連携による調べ学習講座「ちりめんモンスターを探せ」

―特色ある読書活動と読書時間の確保―
【現状と課題】
 区内小中学校では、学校推薦図書リストの策定や一斉読書などさまざまな工夫をしながら読書活動を推進しています。また、読書活動に協力的な保護者などによるボランティア組織がつくられている学校もあります。今後も、引き続き各学校の司書教諭や図書館担当教諭、リーディングアドバイザリースタッフが子どもの読書活動の推進の中心となり、区立図書館との連携をさらに強化し、地域性に配慮した特色ある読書活動施策を策定、実現していくことが課題です。

特色ある読書活動と読書時間の確保のための施策


港南小学校図書館探検隊が港南図書館に来館


三光小学校の高輪図書館への見学会

―読み聞かせや家庭への読書活動の啓発の強化―
【現状と課題】
 家庭での読書活動は、子どもたちが読書に興味を持ち、読書を生涯の楽しみにするために重要です。港区の幼稚園・保育園では日々の園の生活の中で読み聞かせを実施しています。また、行事開催時には保護者へ子どもの読書活動の重要性を知らせています。
 子どもが園ですごす時間が長い保育園ではその重要性はより大きなものですが、多忙な業務の中で、おはなし会の開催数増には至っていない園もあるのが現状です。限られた時間の中で、子どもへの読み聞かせの充実、技術力の向上を図るための方法を検討することが課題です。

読み聞かせや家庭への読書活動の啓発を強化するための施策

―学校図書館の充実―
【現状と課題】
 学校図書館は、児童・生徒の知的活動を支援し、人間形成や情操を養う上で、学校教育上重要な役割を担っています。このため、文部科学省が定める「学校図書館図書標準」に基づき蔵書を整備し、学校図書館の充実を図っていくことが求められます。児童生徒へのアンケートでも学校図書館利用の促進のために必要なこととして第一に挙げられていたのは「新しい本があること」でした。
 港区の学校図書館では、文部科学省が定める「図書標準」を維持し、児童・生徒数の増加に合わせて必要な蔵書数を確保するとともに、蔵書分類のバランスや新鮮度に配慮し、資料をさらに充実させていくことが課題です。

学校図書館の充実のための施策