本アンケートは、港区子ども読書活動推進計画(第2次)を策定するにあたり、児童・生徒と保護者の読書の状況やニーズを把握するために実施する。
5-4-1-2.対象者
本アンケートは、港区立小学校と中学校に通う、小学5年生~中学3年生の子どもと、その保護者を対象とした。
5-4-1-3.学校の選定方法
対象校は、地域ごとの偏りが無いように、かつ港区子ども読書活動推進計画(第1次)策定時に実施したアンケートと同程度(中学校:子ども471サンプル、保護者364サンプル)(小学校:子ども461サンプル、保護者:431サンプル)回収できるよう、教育委員会における類似の調査結果から小学校の回収率を8割程度、中学校の回収率を9割程度と見込み、各学校の生徒数も考慮して選定した。選定した各学校の内、一学年分を対象とした。
5-4-1-4.サンプル数
・1,191件
5-4-1-5.調査方法
・小中学校を通じて児童生徒及びその保護者に配布・回収した。
・調査項目については前回アンケート結果と比較ができるよう同様の調査方法で実施した。
5-4-1-6.調査期間
・平成23年10月3日~7日
5-4-1-7.調査対象小中学校と児童数・総回収率等
・平均回収率:子ども74.3%、保護者72.4%
図表1.調査対象小学校と児童数等
図表2.調査対象中学校と生徒数等
※前回アンケート
港区子ども活動推進計画策定時に実施
調査期間は平成17年9月12日~16日
アンケート結果の概要
子ども
1.週に数回以上図書館(学校図書館、区立図書館)を利用する児童生徒の最も多い利用目的は本を読むことである。
2.小学生の学校図書館における本の貸出しは増えている。
3.区立図書館を利用しない理由は「本はいつも買って読んでいるから」と「学校の図書館を利用しているから」と答えている児童生徒が最も多い。
4.区立図書館を利用しやすくする方法として、「小中学生向けの本をもっと増やすこと」が最も多い。
5.最近1ヶ月の書籍読書量は前回より増えており、中学生より小学生の読書量が多い。
6.最近1ヶ月に小学生・中学生ともに約半数の子どもが雑誌をほとんど読んでいない。
7.最近ほとんど本を読まない理由は「本よりテレビやビデオゲーム、インターネットの方がおもしろい」からだと考えている児童生徒が最も多い。
8.一番多く本を読む時間帯は、家にいる時が最も多い。また、学校の読書の時間が2番目に多く前回より増加している。
9.2~3日に一度以上家で本を読んでいる割合は小学生が約半数、中学生が約3割である。
10.家でほとんど本を読まない理由は、忙しくて時間がないが最も多く前回より、増加している。
11.好きな本・雑誌は漫画が約6割と最も多く、物語、ノンフィクション、漫画以外の雑誌と続く。
12.面白い本を読んだきっかけは半数以上の子どもが「本の表紙を見て」が最も多く、2番目が友達から薦められたが3割強と続く。
保護者
1.ほとんどの保護者は港区立図書館の利用経験がある。
2.保護者の半数が図書館の利用頻度は年間2~3回程度である。
3.保護者の1ヶ月の読書量は、最も多いのが1ヶ月に1~2冊であり全体の約4割である。
4.約6割の保護者が就学前の子どもに週に数回以上の読み聞かせをしていた。
5.保護者は言葉を学ぶ目的だけでなく、想像力や感性を豊かにするために読書が重要であると認識している。
6.保護者は、子どもが趣味として読書をしない理由は、「テレビゲームの普及」、「クラブ・部活動や塾等で余裕がない」ためと考えている。
7.保護者が子どもにもっとたくさんの本を読んでほしいという要望は依然として高い。
8.子どもがもっと本を読むために必要な、家庭における読書環境づくりに意欲的な家庭が多い。
9.保護者の地域の子ども読書活動のための意識は協力的、積極的である。
子どもと保護者
1.8割以上の親子が子どもと保護者の両方とも「図書館の場所」を知っている。
2.「検索機能で蔵書検索できること」「インターネット予約」「行事の開催」については、保護者と子どもに知られている傾向があるが、「図書館以外の返却場所」と、「ブックポスト」「障害者向け資料の貸出」については子どもと保護者ともに知られていない傾向がある。
また、ブックポストの増設の要望が多いが、その存在が知られていない状況があることがわかる。
「調べ学習の相談」について知っている保護者は増えているが、親子で知っているのは約1割であり、どちらも知らないのは半数以上である。
3.図書館利用で、子どもも保護者も約2割がいやな感じや怖い感じの経験があると答えている。ただし、その理由は、こどもがいやな感じや怖い感じがするのは、「服装やみだしなみが悪い人」「本の貸出返却のカウンターで」、であり、保護者は、「服装やみだしなみが悪い人」が多い。
4.親の読書量と子どもの読書量には弱い正の相関22(r=0.284,p=00<05)が見られた。
5.乳幼児期に読み聞かせを週に数回以上受けていた子どもは本をたくさん読む傾向がある。また、週に数回以上読み聞かせを行った子どもは、成長してからも多くの本を読む傾向がある。
22 相関関数:二つの変数が密接にかかわり合い、一方が変化すれば他方も変化するような関係のことです。相関係数(r)は-1~1までの値をとり、1(または-1)に近づくほど強い相関になります。