5-4-2-1-1.性別
・回答者の性別は、中学2年生を除いて男子が若干女子より多いが、比率はほぼ1:1であった。前回の調査と比べると人数的にも割合的にも大きな違いはなく、ほぼ同等の対象者であった。
図表3.性別(児童・生徒用アンケート問1)
5-4-2-1-2.学年
・対象児童生徒の学年は、以下の通りである。前回に比べ中学一年生が若干少なかった。
図表4.学年(児童・生徒用アンケート問2)
5-4-2-1-3.保護者回答者の児童との関係
・回答者の9割以上が母親であった。
図表5.保護者の児童との関係(保護者用アンケート問1)
5-4-2-1-4.居住地
・居住地は以下のとおりである。芝浦港南支所管内が32.9%と最も多く、続いて高輪支所管内の28.6%が多い、その他は、11.5%から13.6%とほぼ同等である。
図表6.保護者の居住地(保護者用アンケート問2)
5-4-2-2.学校図書館と区立図書館の利用について
5-4-2-2-1.利用目的別の図書館来館頻度
■利用する頻度の違いに応じて利用目的にも違いがある。
・2000年に実施されたOECD生徒の学習到達度調査(PISA)によると、「楽しむために本を読むことが全くない」という回答が55.0%、2009年の結果では47.3%であった。
・PISAは日本では15歳の高校1年生を対象としているが、今回調査では、最も近い年齢である中学3年生の値を活用して、参考としてPISAと比較を行うこととした。
・港区における「楽しむために本を読むことが全くない」と回答した生徒は36.3%となっており、国内の高校1年生の平均である47.3%よりも、11.0ポイント低い値となっている。(図表7-1)
図表7-1.15歳(中学三年生)の図書館来館目的の内訳(児童・生徒用アンケート問3)
■週に数回以上利用する児童生徒の利用目的で最も多いのは楽しむために本を読むことである。
・図表7-2は、小学5年生~中学3年生の平均値である。
・週に数回以上利用している児童生徒の利用目的で最も多いのは「楽しむために本を読むこと」の27.5%、続いて「インターネットを使う」22.0%、「雑誌や新聞を読む」13.1%、「楽しむために本を借りる」10.4%の順番である。(図表7-2)
・月に数回借りている児童生徒の利用目的で最も多いのは、「楽しむために本を借りる」の24.4%で、「楽しむために本を読む」21.4%がそれに続き、「インターネットを使う」「雑誌や新聞を読む」「学校の学習のために本を借りる」の3つは13%台で並んでいる。(図表7-2)
・月に1回ぐらい利用する児童生徒の利用目的で最も多いのは、「授業のために調べ物をしたり勉強する」の22.1%で、「楽しむために本を借りる」19.5%、「学校の学習のために本を借りる」18.0%、「楽しむために本を読む」17.4%が続く。(図表7-2)
図表7-2.図書館来館目的の内訳(小学校5年生から中学校3年生)(児童・生徒用アンケート問3)
図表7-3.図書館来館目的の内訳(小学生)(児童・生徒用アンケート問3)
図表7-4.図書館来館目的の内訳(中学生)(児童・生徒用アンケート問3)
5-4-2-3.学校図書館の利用について
5-4-2-3-1.利用状況
■本の貸出状況は、小学生は増えている。
■もっと利用するための要望として、新鮮で魅力的な蔵書との回答が前回と同様多い。
■もっと利用するための要望として「土日祝日や夏休みの開館」が増えている。
■もっと利用するための要望として「利用できる場所(読書スペース等)を増加」するが増えている。
・学校図書館の利用を拡大するために良いと思うことの上位は変わらず、「新しい本があること」が55.7%と高く、「本をもっと増やす」が35.7%、「興味のある分野の本を増やす」が31.6%と続く。(図表10)
・「土日祝日や夏休みなどの開館の要望」は小学生が36.2%と前回の19.1%から大幅に増えている。中学生も小学生より少ないが23.2%と前回の15.1%に比べ増えている。(図表10)
図表8.図書館の利用全体に占める学校図書館の割合(児童・生徒用アンケート問4)
図表9.学校図書館における1ヶ月の本の貸出状況(児童・生徒用アンケート問5)
図表10.学校図書館をもっと利用するためにあればよいこと(児童・生徒用アンケート問6)
5-4-2-4.港区立図書館の利用状況について
5-4-2-4-1.港区立図書館の利用状況
■港区立図書館は、児童生徒、保護者ともに利用したことがある人が多い。
・図書館を利用したことがあるかどうか、利用状況を小中学生で比較すると、小学生は、利用したことのある割合が84.5%と前回の87.4%からわずかに減っている。中学生も、同様に86.8%から、82.6%と4ポイント程度減っており、保護者も84.6%と前回の87.5%から約3ポイント程度減っているが、全体としては利用したことがある人が多い。
図表11.港区立図書館の利用状況(児童・生徒用アンケート問7)
図表12.港区立図書館利用状況と利用経験のある図書館(保護者用アンケート問3、4)
5-4-2-4-2.保護者の利用頻度・貸出冊数
■保護者の図書館利用は年に2~3回が最も多い。
・設問が異なるので簡単に比較することはできないが、月に1回もしくは、月に数回行く人の合計は、45.2%であり、前回の43.0%より増えてはいるものの、「週に数回以上」は3.4%であり、「前回のほぼ毎日」と「週に1~3回」の合計6.9%と比較すると、頻繁に利用する人がわずかに減っている。(図表13)
図表13.図書館の利用頻度(保護者用アンケート問5)
・図書館からの貸出冊数では「ほとんど借りない」人の割合はあまり変わっていないが、月に3冊以上借りている人は33.3%と、前回の36.5%に比べて若干減っている。(図表14)
図表14.図書館からの借出冊数(保護者用アンケート問6)
5-4-2-4-3.区立図書館に行かない理由
■児童・生徒を全体的に見ると区立図書館に行かない最大の理由は、「本はいつも買って読んでいるから」と「学校の図書館を利用しているから」の2つである。
■区立図書館に行かない理由は、中学生と小学生では異なっている。
【図書館を利用しない理由】
・小学生が図書館を利用しない理由で最も多いのは、「学校図書館を利用しているから」が55.7%であり、前回の13.7%と比べて伸びている。小中学生ともに学校図書館の利用が増えていることについては、区内の全区立小中学校の学校図書館へのリーディングアドバイザリースタッフの配置や、各学校における読書推進の成果が出ているものと思われる。続いて「本はいつも買って読んでいるから」の44.3%であり、前回の調査45.1%と大きな変化はない。学校図書館の重要性が増していると考えられる。
・小学生の結果において今回際立っているのは、「図書館には読みたいと思う本がないから」が31.1%であり、前回の7.8%から増えている。
・中学生が区立図書館を利用しない理由で最も多いのは「本を読まない」の52.5%であり、前回の32.3%より増えている。また、「図書館に読みたいと思う本がない」が前回の22.6%から、33.9%に増加している。さらに、「本はいつも買って読んでいる」が前回の17.7%から33.9%に増えている。
図表15.区立図書館に行かない理由(児童・生徒用アンケート問8)
5-4-2-4-4.港区立図書館をもっと利用しやすくするためにあればよいこと
■小中学生の利用促進のためには「小中学生向けの本をもっと増やすこと」が望まれている。
・児童・生徒全体でみると「小中学生が利用できる場所を増やす」や、「小中学生向けのCDやDVDを増やす」の要望は下がっている一方で、「小中学生向けの本をもっと増やす」が4割を超えており、前回を上回っている。この理由としては、港区立図書館が毎月小中学生向けの書籍を購入していることを知らない可能性や港区立図書館が購入している図書と小中学生が充実を望む図書が異なっている可能性等が考えられる。
・特に小学生においては「小中学生向けの本をもっと増やす」は前回も56.8%と突出して高かったが、今回も59.7%とさらに高くなっている。
・レファレンスの本来の目的である「調べるための本を教えてくれる」「どんな本が面白いか、役に立つかなどを教えてくれる」についてはいずれも前回より増加しており、小中学生どちらも3割を超えているが、「職員が親切で優しい態度で相手をしてくれる」に対しては、割合が低下している。
・図書館では、これまで区立図書館のレファレンスがあまり活用されていないことを課題としていたが、図表16より、「調べものをする時に、どんな本で調べると良いか教えてくれること」に対するニーズがあることが確認された。
図表16.港区立図書館をもっと利用しやすくするためにあればよいこと(児童・生徒用アンケート問9)
5-4-2-5.港区の図書館についてどのくらい知っているか
■「図書館の場所」は、児童生徒保護者ともに9割以上が認識しており、どちらも知らないケースは少ない。
・「図書館の場所」は90%以上が認識しているが、子どもと保護者の両方が認識しているのは86.9%、どちらも知らないのは1.3%であった。(図表17、18、19の「図書館の場所」)
・子どもの約6割と保護者の約7割が「検索機能」で全ての図書館の蔵書が検索できることを知っているが、こどもと保護者の両方が蔵書検索できることを知っているのは46.6%、どちらも知らないケースも12.5%ある。「インターネット予約」については、保護者と子どもに認識の差がある。保護者は知っているが、子どもは知らない傾向にあり、「インターネット予約」を知らない子どもの割合が増えている。(図表17、18、19の「検索機能」「インターネット予約」)
・「図書館以外の返却場所」は、知らない人が多く、「ブックポスト」についても子供の4分の1、保護者も3分の1以下しか知らない。この結果から、ブックポストの増設の要望が高いものの、それは、既にブックポストが設置されていることを知らないからである可能性がある。(図表17、18、19の「図書館以外の返却場所」「ブックポスト」)
・「行事」については児童・生徒と保護者の知っている比率が異なっており、児童・生徒は56.1%であるが、保護者は83.8%である。これは前回とほぼ同じ割合である。(図表17、18、19の「行事」)
・「障害者向け資料の貸出」については、半数以上の子どもと保護者が知らない。(図表17、18、19の「障害者向け録音資料の貸出」)
・「調べ学習の相談」について知っている保護者は増えている。しかし、子どもは保護者ほど知らない。子どもと保護者の両方が知っているのは10.7%、どちらも知らないのは41.0%であることがわかった。子どものサービスに対する認知度が低いため、子どもへのPRが必要と考えられる。(図表17、18、19の「調べ学習の相談」)
図表17.図書館サービスの認知(児童・生徒用アンケート問10~18)
図表18.図書館サービスの認知(保護者用アンケート問7)
図表19.図書館サービスの認知
・図書館利用で、2割の児童生徒が、いやな感じや怖い感じの経験があるとこたえており、同数の保護者が同様に感じている。ただし、こどもがいやな感じや怖い感じがするのは、「服装やみだしなみが悪い人」が31.1%「本の貸出返却のカウンターで」が30.8%、であるのに対し、保護者は、「服装やみだしなみが悪い人」が48.8%、カウンターが4.1%であり、理由にずれが見られる。「服装やみだしなみが悪い人」に対しては、子ども保護者ともに不安を感じている一方で、本を借りたり、カウンターで本を借りたり返したりするときや知らない人に声をかけられたときに子どもが不安を感じていても、保護者が感じていないケースがあることが分かった。(図表20~25)
図表20.図書館を利用したときにいやな感じやこわいと感じた頻度(児童・生徒用アンケート問19)
図表21.図書館を利用したときにいやな感じやこわいと感じる場合(児童・生徒用アンケート問20)
図表22.図書館を利用したときにいやな感じやこわいと感じる場合(自由記述内容)
図表23.子どもに図書館を利用させる際に安全面などの心配を感じる頻度(保護者用アンケート問8)
図表24.子どもに図書館を利用させる際に安全面などの心配を感じる場面(保護者用アンケート問9)
図表25.子どもが図書館利用に際し、いやな感じやこわいと感じる場合を感じる場合と
保護者が子どもに図書館を利用させる際に安全面の不安を感じる場合
5-4-2-6.あなたのふだんの読書のようすについて
5-4-2-6-1.1ヶ月の読書量
■全体として、前回よりも読書量は増えている。
■児童・生徒の読書量は異なっており、小学生のほうが中学生より読書量が多い。
・1ヶ月の読書量で6冊を超えて読書をしている割合は、小学生が28.3%、中学生は16.1%と、前回の小学生22.8%、中学生10.4%に比べると伸びている。(図表26)
・「ほとんど読まない」割合は、小学生で17.5% 中学生で30.2%と、前回の20.6%、32.7%、に比べ減っている。(図表26)
図表26.最近1ヶ月の間に読んだ本の量(書籍)(児童・生徒用アンケート問21)
・小学生と中学生の1ヶ月の平均読書冊数を加重平均で算出すると23、小学生が4.1冊、中学生が2.7冊となる。前回のアンケート時の平均読書冊数の加重平均は小学生3.5冊、中学生2.1冊であったため、前回調査時と比べると小学生は1.17倍、中学生1.29倍とどちらも少し増加傾向を示していることがわかる。
23 加重平均による平均読書冊数算出:平均冊数=(10冊×10冊以上読んだ生徒数+7.5冊×6~9冊読んだ生徒数+4冊×3~5冊読んだ生徒数+1.5冊×1~2冊読んだ生徒数+0冊×殆ど読まない生徒数)/回答者数(前回と同様の加重平均の算定式を活用)
・本を読んでいると回答した小学生の9.7%、中学生の4.1%が最近『ハリーポッターシリーズ』を読んでおり、その他には『神様のカルテ』が小学生、中学生とも多く読まれていることが分かった。(図表27-1、27-2)
図表27-1.小学生が最近1ヶ月の間に読んだ本上位10タイトル(児童・生徒用アンケート問22)
図表27-2.中学生が最近1ヶ月の間に読んだ本上位10タイトル(児童・生徒用アンケート問22)
・雑誌を読んでいると回答した小学生の16.7%、中学生の19.5%が『週刊少年ジャンプ』を、小学生の7.6%、中学生の8.6%が『Nicola』を読んでいるが、それ以外の雑誌には、共通しているものがないことがわかった。(図表29-1、29-2)
図表28.1ヶ月の読書量(雑誌)(児童・生徒用アンケート問23)
図表29-1.小学生がふだん読む雑誌上位10タイトル(児童・生徒用アンケート問24)
図表29-2.中学生がふだん読む雑誌上位10タイトル(児童・生徒用アンケート問24)
・保護者の読書量と子どもの読書量には弱い正の相関(r=0.284,p=00<05)が見られた。(図表31)
図表30.保護者の1ヶ月の読書量(保護者問18)
図表31.保護者の読書量と子どもの読書量の相関関係
5-4-2-6-2.ほとんど本を読まない理由
■ほとんど本を読まない児童生徒は、本よりテレビやビデオゲーム、インターネットの方が面白いと感じている。
■小学生と中学生では、ほとんど本を読まない理由に3つの共通した部分がある。それらを除くと小学生と中学生ではほとんど本を読まない理由が異なっている。
・ほとんど本を読まない児童・生徒の4割以上が、その理由として「本よりテレビやビデオゲーム、インターネットのほうが面白い」を挙げている。しかも、同じく4割が「ふだんいつも読まない」「友達と過ごしたり話したりしたほうが楽しい」と回答しており、本を読まない生活が常態化している。
・小学生では、これらの3つの理由に続いて、「本よりマンガのほうが面白い」が28.6%、「読みたい本がなかった」が27.6%、「本を読むのが嫌い」と「本を読むのは面倒だ」がどちらも20.0%で続いている。
・中学生は、「本よりテレビやビデオゲーム、インターネットのほうが面白い」41.4%、「友達と過ごしたり話したりしたほうが楽しい」と「ふだんいつも読まない」(どちらも39.8%)がトップ3であり、これらの理由に続いて、「本よりマンガほうが面白い」が、39.1%、「本を読むのが嫌い」が27.3%、「読まなくても困らない」が24.2%、「部活動のほうが面白い」(21.9%)と続いている。
図表32.ほとんど本を読まない理由(児童・生徒用アンケート問25)
5-4-2-6-3.家での読書習慣
■全体として、家にいる時が本を読む時間帯としてもっとも大きな割合を占めるが、その比率は下がり、代わりに、学校の読書の時間が本を読む時間帯として増えている。
■「家にいるときは他のことに忙しくて時間がないから読書をしない」の割合が増えている。
・児童・生徒が一番多く本を読む時間帯では、「家にいる時」が35.4%と最も多いが、その割合は前回調査の45.1%から減っている。(図表33)
・小学生は、「家にいるとき」が35.6%と、前回の44.0%より8.4ポイント減っており、「学校の読書時間」は29.5%と、前回の22.2%から伸びている。家と学校が子どもの読書場所となっているが、学校の役割が増えつつあることがわかる。(図表33)
・中学生においても「家にいる時」が35.2%と、前回の46.3%から11.1ポイント減っており、「学校の読書時間」は32.4%と、前回の31.9%より増えている。(図表33)
図表33.一番多く本を読む時間帯(児童・生徒用アンケート問26)
・「家では本を読まない」が少し下がり、「毎日必ず本を読む」と「2~3日に1度くらい」が若干増えている。(図表34)
図表34.家にいる時の読書頻度(児童・生徒用アンケート問27)
・「家にいるときは他のことに忙しくて時間がないから読書をしない」の割合は、小学生48.3%、中学生57.8%であり、前回の小学生38.1%、中学生49.8%から共に増えている。家では忙しく時間がないので、学校で読む傾向が強まっていると考えられる。(図表35)
図表35.家でほとんど本を読まない理由(児童・生徒用アンケート問28)
図表36.好きな本の種類(児童・生徒用アンケート問29)
図表37.おもしろいと感じた本を読んだきっかけ(児童・生徒用アンケート問30)
5-4-2-6-4.子供の読書に対する保護者の認識
■就学前の子どもに対して週に数回以上の読み聞かせを行っている保護者が約6割おり、月に数回を含めると、8割以上の保護者が読み聞かせを行っている。
■言葉を学ぶためだけでなく、想像力や感性を豊かにするために読書が重要であると保護者は認識している。
・0歳から3歳頃には、週に数回以上読み聞かせをしている保護者は65.4%おり、月に数回を含めると、88.7%が読み聞かせを行っている。(図表38左表)
・3歳から5歳頃には、若干数値は落ちるが、週に数回以上読み聞かせをしている保護者は59.8%おり、月に数回を含めると、86.7%が読み聞かせを行っている。(図表38右表)
図表38.就学前の読み聞かせ実施の頻度(保護者用アンケート問10)
・月に10冊以上読んでいる子どものうち、0歳から3歳までの間に読み聞かせを週に数回以上受けていた子どもが75.3%あり、月に数回受けていた子どもが13.6%とつづく。全体的に読み聞かせを頻繁に受けていた子どもが多い傾向が見られる。(図表39)
・週に数回以上読み聞かせを行っている子どもは、成長してからも多くの本を読む傾向がある。(図表39、40)
図表39.0歳から3歳までの読み聞かせの実施頻度と子どもの読書量
図表40.3歳から5歳までの読み聞かせの実施頻度と子どもの読書量
・子どもの成長のための読書の重要性についての保護者の認識は、「創造力を豊かなのものにするために重要」が69.2%、「感性を豊かにするために重要」が61.2%、「言葉を学ぶために重要」が51.7%の順であった。(図表41)
図表41.読書に親しむことの重要性の認識(保護者用アンケート問11)
5-4-2-6-5.子どもが趣味として読書を行わない理由
■読書以外のことに時間を使い時間的余裕がないことが趣味として読書を行わない理由となっている。
・子どもが趣味で読書を行わない理由は、「テレビゲームが普及したこと」が82.8%と前回の72.6%よりも増えている。
・「クラブ・部活動、塾等子どもの生活に余裕がない」が69.4%と、前回の64.7%を上まわっており、時間的余裕がないと認識している。
・これらは児童生徒が読書をしない理由(図表32)と傾向が似ている。
図表42.子どもが趣味で読書を行わない理由(保護者用アンケート問12)
5-4-2-6-6.保護者からみた子どもの読書活動
■保護者が子どもにもっとたくさんの本を読んでほしいという要望は高い。
・保護者が子どもに対する「もっとたくさんの本を読んでほしい」とする割合は、71.6%で前回の79.2%から減っているが、高い割合を維持している。「今読んでいるぐらいの量がちょうど良い」と認識している保護者が18.2%と、前回の12.5%よりも増えている。(図表43)
図表43.保護者からみた子どもの読書量への意向(保護者用アンケート問13)
・子どもの読書量が少ない家庭の保護者ほど、子どもにもっとたくさんの本を読んでもらいたいと考えている。(図表44)
図表44.子どもの家における読書量と保護者の子供の読書に対する希望
5-4-2-6-7.読書活動拡大のための取組
■家庭における読書環境づくりに意欲的な家庭は多い。
・保護者からみた子どもの読書活動拡大のための取組は、「テレビ等の時間を減らす」が50.8%と最も多く、「先生や保護者が面白い本や役に立つ本をもっとたくさん教えること」(39.0%)「家の中で静かに落ち着いて本が読める時間を作ること」(33.8%)が続く。娯楽的要素の強いメディアとの接触頻度を減らし、読書をしてほしいと考えている保護者が前回調査に引き続き多くいることがわかる。(図表45)
図表45.保護者からみた子どもがもっと本をよむためにすればよいこと(保護者用アンケート問14)
図表46.子供が読書をするように促す方法(保護者用アンケート問15)
■子ども読書活動のための保護者の姿勢は協力的・積極的であるといえる。
・保護者ができる子ども読書活動への協力では、「小中学校図書館の作業協力」が最も高く49.8%であり、前回の41.3%よりも上昇している。
・また「港区立図書館での案内や図書の整理などへの協力」も33.5%と、前回の27.4%より上昇している。
・「読み聞かせやおはなし会等の行事への協力」については23.9%と、前回の27.4%よりは少し減っている。ただし協力する保護者の割合は増えており、保護者の読書活動への姿勢は協力的、積極的であるといえる。
図表47.地域の子ども達の読書活動を支援するために協力してもよいと考えていること(保護者用アンケート問16)