(平成十三年十二月十二日法律第百五十四号)
(目的)
第一条 この法律は、子どもの読書活動の推進に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、子どもの読書活動の推進に関する必要な事項を定めることにより、子どもの読書活動の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって子どもの健やかな成長に資することを目的とする。
(基本理念)
第二条 子ども(おおむね十八歳以下の者をいう。以下同じ。)の読書活動は、子どもが、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものであることにかんがみ、すべての子どもがあらゆる機会とあらゆる場所において自主的に読書活動を行うことができるよう、積極的にそのための環境の整備が推進されなければならない。
(国の責務)
第三条 国は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、子どもの読書活動の推進に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。
(地方公共団体の責務)
第四条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、国との連携を図りつつ、その地域の実情を踏まえ、子どもの読書活動の推進に関する施策を策定し、及び実施する責務を有する。
(事業者の努力)
第五条 事業者は、その事業活動を行うに当たっては、基本理念にのっとり、子どもの読書活動が推進されるよう、子どもの健やかな成長に資する書籍等の提供に努めるものとする。
(保護者の役割)
第六条 父母その他の保護者は、子どもの読書活動の機会の充実及び読書活動の習慣化に積極的な役割を果たすものとする。
(関係機関等との連携強化)
第七条 国及び地方公共団体は、子どもの読書活動の推進に関する施策が円滑に実施されるよう、学校、図書館その他の関係機関及び民間団体との連携の強化その他必要な体制の整備に努めるものとする。
(子ども読書活動推進基本計画)
第八条 政府は、子どもの読書活動の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画(以下「子ども読書活動推進基本計画」という。)を策定しなければならない。
2 政府は、子ども読書活動推進基本計画を策定したときは、遅滞なく、これを国会に報告するとともに、公表しなければならない。
3 前項の規定は、子ども読書活動推進基本計画の変更について準用する。
(都道府県子ども読書活動推進計画等)
第九条 都道府県は、子ども読書活動推進基本計画を基本とするとともに、当該都道府県における子どもの読書活動の推進の状況等を踏まえ、当該都道府県における子どもの読書活動の推進に関する施策についての計画(以下「都道府県子ども読書活動推進計画」という。)を策定するよう努めなければならない。
2 市町村は、子ども読書活動推進基本計画(都道府県子ども読書活動推進計画が策定されているときは、子ども読書活動推進基本計画及び都道府県子ども読書活動推進計画)を基本とするとともに、当該市町村における子どもの読書活動の推進の状況等を踏まえ、当該市町村における子どもの読書活動の推進に関する施策についての計画(以下「市町村子ども読書活動推進計画」という。)を策定するよう努めなければならない。
3 都道府県又は市町村は、都道府県子ども読書活動推進計画又は市町村子ども読書活動推進計画を策定したときは、これを公表しなければならない。
4 前項の規定は、都道府県子ども読書活動推進計画又は市町村子ども読書活動推進計画の変更について準用する。
(子ども読書の日)
第十条 国民の間に広く子どもの読書活動についての関心と理解を深めるとともに、子どもが積極的に読書活動を行う意欲を高めるため、子ども読書の日を設ける。
2 子ども読書の日は、四月二十三日とする。
3 国及び地方公共団体は、子ども読書の日の趣旨にふさわしい事業を実施するよう努めなければならない。
(財政上の措置等)
第十一条 国及び地方公共団体は、子どもの読書活動の推進に関する施策を実施するため必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとする。
附則
この法律は、公布の日から施行する。