計画目標を実現するために、文部科学省の打ち出す方針や港区の地域特性を考慮して5つの基本方針を定め、具体的な取組を推進します。
(1)児童・生徒の情報活用能力の育成
文部科学省「教育の情報化ビジョン」では、子どもたちの情報活用能力の育成を図るためには、「情報活用の実践」、「情報の科学的な理解」、「情報社会に参画する態度」の3つの観点が重要で、またこれらを相互に関連付け、バランス良く身に付けさせる必要があるとし、児童・生徒が各教科等で情報通信技術を活用することによって育まれるとしています。
港区においても、児童・生徒が授業等の様々な場面で、ICT機器を活用することを通して、情報活用能力や情報理解能力を育めるよう環境整備と教科における指導等を進め、あわせて、情報モラル教育に取り組み、これからの情報社会に参画する態度を育成します。
(2)教科指導におけるICTの活用と活用能力の向上
デジタル教科書・教材の研究・開発が進められており、一斉学習における活用に加え、情報機器の特性を踏まえ、個別学習や協働学習の場での活用も可能です。
港区においても、こうした国や事業者の動向等を踏まえ、デジタル教科書・教材の活用環境の整備の検討とともに、教員のICT活用能力の一層の向上を図ります。
(3)校務の情報化の推進
校務の情報化の意義は、学校教育の質の向上と学校経営の改善に資することにあります。そのためには、教職員等学校関係者が必要な情報を共有することにより、きめ細かな指導を可能にするとともに、校務の効率化を図り、教員が子どもたちと向き合う時間や教員同士が授業展開等を研究し合う時間を増加させる必要があります。今後、基盤を構築し、学校が保有する各種情報のデータ化を促進することにより、データ作成における効率化を図り、校務の効率化を推進します。
(4)地域の拠点として災害に強い学校づくり
教育振興プランでは、学校と、地域住民や保護者等との交流を一層活性化するために学校ホームページの活用を促進することとしています。
また、東日本大震災の発災時に、帰宅困難者等が自主的にTwitter(ツイッター)等のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用し、有効な情報交換の場となりました。このような教訓をもとに、区の公式Facebook(フェイスブック)やTwitter(ツイッター)等が設置されました。また、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の活用等、様々な情報交流を活性化する仕組みが注目され、利用者も増大しています。学校ホームページ等の情報発信においても、こうした仕組みを活用できるか否かを含め、調査・研究します。
(5)運用管理体制の強化
学校における情報機器は幾種類にも及び飛躍的に増加しています。またシステムの複雑化に伴い、現在のような学校教職員によるシステム管理は、内容の面でも時間の面でも困難となりつつあります。今後、さらにICTを活用した教育を推進するために、これまで経験のない教職員への研修の強化を図る工夫や、情報漏えい等への対策強化など、教育委員会事務局・学校内部におけるICTガバナンスの強化を進めます。