2.「ICTを活用した理解を深める授業の実現」に向けての施策

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(1)新教育用パソコンの配備
(ア)パソコンの配備概要
 既存の教室用パソコン、電子黒板用パソコンの機能を統合した、新たな教育用パソコン(新教育用パソコン)を既存パソコンの役割変更を行うことで配備します。既存のパソコンは順次、液晶の着脱等が行え、ノートパソコンとしてもタブレットとしても利用できるハイブリット型パソコンヘの入れ替えを検討しており、これらのパソコンを新教育用パソコンとして役割変更し利用することで、利用場所を選ばず多彩な用途でパソコンを活用できるようになります。
 
(イ)機器配備の考え方
 アクションプランの4年間は、文部科学省「教育の情報化ビジョン」で示された「児童生徒1人1台の情報端末の整備」の実現に向けての準備期間と捉え、新教育用パソコン・パソコン教室用パソコン(ハイブリッドパソコン)を用いて、タブレット機器等の導入効果を検証していきます。児童生徒や教職員のICT機器への習熟度の向上をめざし、また各パソコンを役割変更して再配備することでのパソコン配備台数の削減を実現できるよう、機器配備を検討します。
 
(ウ)ソフトウェア環境
 利用後に再起動を行うと利用前のシステム環境に戻すソフトや、迅速に障害から復旧させるための雛型配信ソフトの追加導入等により、安定したシステム利用環境を実現します。
 また、ウイルス対策ソフトウェア等を導入したり、インターネットに接続する際はセンターサーバを経由させWebフィルタリングを実施することで、安全にインターネット接続が行える環境を実現します。
 
(2)インターネット接続環境の改善
 現在のインターネット接続環境では、回線速度の不足によりインターネットへのアクセスが遅い、パソコン教室の複数の端末から同時に処理ができない等の問題や、教職員と生徒のWebフィルタリングのレべルが同一であるため、教材作成や調査、調べ学習等において、調べたい情報を得ることができない、といった問題が発生しています。これらの問題を解決するために、学校データセンター内にプロキシ/Webフィルタリングサーバを設置し、教職員や児童生徒が利用するパソコンから、利用者に応じた適正なルールの下で、高速で安定したインターネット接続が行えるよう、環境を整備します。
 また、幼稚園・教育センター・つばさ教室についても、小中学校と同様に環境を整備します。
 
(3)電子黒板の追加配備
 1教室につき1台の環境を目指し、電子黒板を追加配備します。現在は1フロアにつき1台を目安に配備されていますが、1教室につき1台の配備によって電子黒板を教室間で移動させる手間などがなくなり、より身近にICT機器や電子教材を利用できる環境を実現します。
 学校アンケートからは既存配備の電子黒板について
 ・ 画面が小さい
 ・ 画面が反射して見づらい
 ・ 緊急時、児童の安全確保の障害になりうる
 ・ コードに引っかかって機器を落としたり、壁や戸にぶつけて破損させてしまう
等の意見が寄せられており、このような意見を考慮しながら追加配備機器の検討を行う必要があります。また、運用を開始した後も導入効果や運用上の課題等を分析・検証し、より効率的・効果的な情報環境整備が図れるよう、検討を行っていきます。
 
(4)教科指導で利用する電子教材の充実
 パソコン教室や普通教室において利用する教育用ソフトウェアや教材を充実させ、授業へのICT活用を促進します。導入するソフトウェアは採用する製品を統一し、施設間・学校間で作成した教材等を共有できるようにします。
 導入するソフトウェアの例として、文書作成、授業支援、情報モラル教材等を想定しています。
 
(5)教職員向けのICT研修の充実
 教職員のICT活用能力の向上を図るため、定期的な集合研修の機会の増加やオンラインによるeラーニング研修等によりICT教育を充実させ、整備されたシステムをより活用できるようにします。研修は、教員のICT活用能力(習熟度)、システムの導入段階等に応じた内容を検討します。
 実施する研修内容としては、配備機器の取扱やICTを活用した教育など教育活動に関する研修、また、校務支援システムや学校ホームページ管理ツールなど校務処理に関する研修を検討しています。
 
(6)ICT支援員の活用
 現在各幼稚園・小中学校にICT支援員が訪問・活動していますが、ホームページの更新作業が主となっています。これを教育ネットワークに整備されている機器、ソフトウェア等の活用の定着を図る等の活動のために利用し、ICT支援員をより活用するようにします。支援員の訪問頻度や訪問時間の向上についても検討します。以下に、検討しているICT支援員の支援内容を記載します。