これまでの取組の成果と教育を取り巻く状況、港区教育ビジョンに掲げる基本理念と目指す人間像、5つの基本的方向性を踏まえ、策定にあたり以下の方向性を定めます。
○子どもたちが安全で安心に過ごすことができ、学ぶことの楽しさにあふれる学校づくり
充実した学びの保障により、一人ひとりの子どもが安全で安心に過ごすことができ、学ぶことが喜びと感じる特色ある学校づくりを目指します。
あらゆる偏見や差別をなくし、一人ひとりが、かけがえのない存在として尊重されるように相互理解を深め、連帯感を高める教育を推進します。様々な人権課題への正しい理解と認識を深めるほか、思いやりの心や社会生活の基本的なルール等の道徳心を育む教育に取り組みます。
いじめ、体罰などの防止に向けた取組の強化、食物アレルギーなどへの適切な対応により、子どもたちが安心して、喜びを感じて学べる環境づくりに取り組みます。
特別支援教育においては、障害の種類や程度、発達状況等に応じた支援を行うことにより、一人ひとりの能力や特性を最大限伸ばしながら、成長・発達していけるよう、相談体制、支援体制の充実を図ります。
さらに、子どもたちの学びの充実を図るため、幼児・児童・生徒数の増加を見据えた、安全・安心を第一に考えた学校施設の整備を推進します。
○港区らしい特色を備えた質の高い教育の推進による、豊かな心と確かな学力、健やかな成長の育み
「徳」「知」「体」を育み、子どもの個性と創造力を伸ばす、一人ひとりの特性に応じたきめ細かな教育を展開します。命を大切にし他人を思いやる豊かな心の育成、基礎的な学力の定着と論理的な思考力等の養成、基本的な生活習慣の確立と健康な身体づくりを目指し、一人ひとりの健やかな成長を育む教育に取り組みます。
幼児期からの教育を基盤に、生涯を通して自ら学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力等の資質・能力の育成を図るとともに、コミュニケーション能力や自ら課題を発見し、解決する力、社会を生き抜く力、社会に貢献する力を育成していきます。
その過程では、国際社会で活躍し、社会の変化に対応する力を育む教育に取り組みます。日本の伝統・文化を誇りに思うとともに他国の伝統・文化を尊重する心の育成、理数教育の充実や国際化への対応、幼小中の一貫性のあるカリキュラムの活用、学校情報化など創意工夫を凝らした取組により、港区の特色を備えた質の高い教育を推進します。
さらに、将来にわたって健康の重要な要素となる食育の充実や、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピック競技大会を見据えた部活動の充実など、子どもの健全な成長、個性や能力の向上に取り組みます。
○家庭・地域との緊密な連携協力による、地域に愛され、開かれた学校づくり
家庭・学校・地域及び関係機関との緊密な連携・協力のもと、それぞれがもつ力を生かし、役割と責任を果たすことで、地域に愛され、開かれた学校づくりを目指します。
家庭教育において安定した情緒を育み、学校教育においてより多くの地域の人々のかかわりを促すことで、教職員がより教育活動に専念できる環境を整備します。子ども自身が災害に関する知識をしっかりと身に付けるとともに、他者や地域の安全に貢献できるように地域が一体となった防災教育の充実に取り組みます。