ご挨拶
技術革新や社会システムの変化が、日常生活に即時に影響を及ぼす現代において、子どもたちが自立して生き抜いていく力を育むために、人間形成の基礎を培う、幼児期からの教育に対する期待がますます大きくなっています。平成29(2017)年3月に告示された学習指導要領では、「どのように学ぶか」という学びの質を高める視点が重要とされました。子どもたちが、豊かな人生を切り拓き、新しい時代の創り手となることができる資質・能力を地域とともに育むことが求められています。
このような中、社会状況や教育を取り巻く環境の変化を的確に捉えた学校教育の実践に向けて、「港区学校教育推進計画」を改定しました。
港区では、今後も年少人口の増加が続くことが見込まれています。児童・生徒数の増加に対し、学校施設の整備を加速させていくことはもちろん、港区ならではの幼・小中一貫教育や国際理解教育など、一人ひとりの個性を伸ばし、可能性を広げる教育のさらなる質の向上をはかってまいります。また、教員が子どもと向き合う時間を確保し、子どもたちの学びを一層充実させるため、教員の働き方改革を積極的に推進してまいります。
本計画の最終年度である平成32(2020)年度には、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。これを子どもたちの人生にとってまたとない機会と捉え、スポーツの楽しさに留まらず、国際理解や障害者理解の促進、ボランティアマインドの醸成など、子どもたちの豊かな人間性、創造性を育むよう、オリンピック・パラリンピック教育を展開してまいります。
本計画は、区民の皆さんに分かりやすいものとなるよう、平成30(2018)年度からの3年間に区が取り組む施策について、できるだけ数値による成果目標を掲げました。この計画を着実に進め、「教育の港区」の名に恥じぬよう、夢と生きがいをもち、自ら学び、考え、行動し、未来を創造する子どもを育んでいくため、地域の皆さんと力を合わせ、魅力あふれる学校づくりに全力で取り組んでまいります。
改定にあたっては、学識経験者や公募区民、関係団体の方々で構成された港区学校教育推進計画検討委員会でのご意見や、アンケート調査、区民意見募集及び区民説明会でご意見をいただき、最大限反映するよう努めてまいりました。ご協力をいただいた皆さんに、改めて御礼申し上げます。
平成30(2018)年3月
港区教育委員会
教育長 青木 康平
教育長 青木 康平