(2)港区の状況

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 港区は、平成26(2014)年10月、これからの教育行政の根幹となる基本理念、目指す人間像、取組の基本的方向性を示す「港区教育ビジョン」を策定しました。平成27(2015)年2月には、「港区教育ビジョン」を踏まえ、学校教育における施策を示す「港区学校教育推進計画」を策定し、先進的な取組を推進しています。また、平成27(2015)年7月、港区総合教育会議での協議を踏まえ、「港区教育ビジョン」を「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」に規定する「港区の教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱」(以下「港区教育大綱」という。)として位置付けました。
 平成27(2015)年4月、港区で2校目となる小中一貫教育校白金の丘学園を開校するとともに、全アカデミー※5で幼・小中一貫教育を開始し、幼児期の教育(3年間)から小・中学校の義務教育(9年間)までの連続した12年間を見通した教育を推進しています。
 平成28(2016)年度には全区立小学校で特別支援教室※6を設置し、特別支援教室の巡回指導を開始するなど、子どもたち一人ひとりの状況に応じたきめ細かな指導を行っています。
 平成29(2017)年度からは、これまでの東町小学校に加え、新たに南山小学校で国際学級※7を開設したほか、六本木中学校の英語科国際※8の教科において、より質の高い授業を展開するネイティブ・コース※9を設置するなど、これまで取り組んできた国際化に対応した教育のさらなる充実を図っています。
 同じく平成29(2017)年度から、家庭等の状況にかかわらず、全ての子どもたちが未来を切り開いていけるよう、学びの未来応援施策を展開しています。「学習の支援」「相談環境の充実」「家庭教育の啓発」「経済的支援」の4本を柱に、家庭の事情から学習面・生活面に課題を抱えている子どもや、子育てについて悩みや課題を抱える保護者の支援に取り組んでいます。
 我が国の人口は平成20(2008)年をピークに減少に転じ、今後も人口の減少、少子・高齢化が進んでいくと予想されています。
 そうした状況の中、港区の人口は、子育て世代をはじめ大きく増加しており、平成29(2017)年2月には、昭和38(1963)年以来54年ぶりに25万人を突破しました。今後も毎年5千人程度増加し、平成40(2028)年には約30万9千人となる見通しです。
 年少人口は平成29(2017)年3月の約3万2千人から、毎年1千人程度の増加傾向が続く見通しです。平成36(2024)年には4万人を突破し、平成40(2028)年には約4万4千人となることが見込まれており、児童数・学級数の増加に対応した区立小・中学校の施設整備や教育の質の確保に取り組んでいます。
 外国人児童・生徒や海外からの帰国児童・生徒についても増加傾向が続いており、日本語の習得の支援や、一人ひとりの日本語能力に応じた指導の充実が求められています。

■港区の将来人口推計(平成29(2017)年度~平成40(2028)年度)



※5 アカデミー:区立中学校の通学区域を単位とする区立幼稚園、小学校、中学校による研究グループの名称。各アカデミーで区立幼稚園、小学校、中学校が連携した教育活動や指導方法について、研究を行っている。
※6 特別支援教室:通常の学級に在籍する発達障害等のある児童・生徒が、落ち着いた学習環境の中で個別指導を受けるために学校内に設置している教室(平成26(2014)年度までは6校に設置)。
※7 国際学級:外国人児童が日本人児童と同じ教室で学び、多様な文化や価値観に触れる中で国際理解教育を展開する学級。学習指導要領に基づいたカリキュラムを作成し、英語による授業を導入・展開している。日本語の教科書を英訳したテキストの使用により、充実した教育を行っている。
※8 英語科国際:文部科学省の教育課程特例校の認可をうけ、区立中学校において平成18(2006)年度から週1時間実施している、英語によるコミュニケーション能力の向上を目的とした教育。コミュニケーション能力の育成にとどまらず、発達段階に応じて段階的に自国や他国の伝統や文化等についても学び、国際理解教育の充実を図っている。
※9 ネイティブ・コース:外国人をはじめ英語能力が高い生徒の活躍の場、能力をさらに伸ばす場として、平成29(2017)年度から六本木中学校の英語科国際の授業に設置し、外国人講師によるオール・イングリッシュのレベルの高い授業を展開している。