3 計画改定の方向性

4 ~ 5 / 103ページ
 これまでの取組の成果と教育環境の変化に伴う新たな課題、区民アンケートの結果等を踏まえ、「教育の港区」として学校教育をさらに充実・発展させるため、以下の方向性を定めます。
 
1 自ら学び、考え、行動する子どもを育成するため、「徳」「知」「体」を育み、一人ひとりの個性を伸ばす教育を推進します。
○自分を大切にするとともに、他者を思いやる豊かな心の育成に取り組みます。いじめや差別をしない規範意識を身に付け、協調性や助け合う心を育むため、人権教育や道徳教育を推進します。
○学習指導要領等の改訂の趣旨を踏まえるとともに、港区の特性を生かした授業を展開し、基礎的・基本的な学力と論理的思考力、判断力、表現力の育成に取り組みます。学校図書館の機能の充実を図り、子どもの読書活動を支援することにより、子どもたちの知的好奇心を高め、自ら意欲的に学ぶ姿勢を育みます。
○子どもたち一人ひとりの基本的な生活習慣の確立と健康な体づくりを支援します。食育や学校保健のさらなる充実、学齢や成長に応じた体力・運動能力を身につけるための教育に取り組みます。
○東京2020大会の開催を契機として、体を動かすことやスポーツの楽しさを伝える取組を推進します。子どもたちの障害者理解の促進やボランティア精神の育成に取り組みます。
 
2 子どもたちの個性と能力を伸ばし、一人ひとりが夢と希望を持ち、未来を切り拓いて生き抜いていく力を育成します。
○共生社会※10の実現に向けて、どの子どももともに学ぶ環境づくりに取り組むとともに、特別支援教育をはじめとした、障害の特性や状態、発達状況等に応じた相談体制、関係機関と連携した支援体制の充実を図ります。
○港区ならではの幼児期からの教育カリキュラムや、アカデミーごとに連携した幼・小中一貫教育をさらに発展させ、子どもたちの発達や学びの連続性に配慮した教育を推進します。
○英語によるコミュニケーション能力の向上をはじめとした国際理解教育を推進するとともに、国際学級や日本語指導など外国人等の子どもの学びを支える取組の充実など、国際社会で活躍する人材の育成に取り組みます。
○ICTの活用による子どもの情報活用能力の育成と学力向上に取り組みます。郷土の歴史や文化、理科・科学、防災、環境などに関する体験学習の充実により、特色ある教育を推進します。
 
3 家庭や地域との連携、企業や大学等の多様な主体との協働により、港区の特性を生かした特色ある教育を推進します。
○区民の学校教育への理解を深めてもらうため、学校での取組や子どもたちの様子について、保護者や地域に積極的に発信するなど、開かれた学校づくりを一層推進します。
○保護者や地域の声を聴き、地域とともにある学校として、家庭や地域との連携を深め、地域が一体となって子どもの健全な育ちを支える環境づくりに取り組みます。
○学校支援地域本部事業のさらなる充実など、企業や大学、NPO等の団体、大使館など、港区の豊富な人材や社会資源を活用した特色ある教育を推進し、子どもたちの多様な学びの機会を創出します。
○教員の指導体制の充実、専門的な人材との連携など、学校が抱える複雑・多様な課題を解決し、子どもたちに必要な資質・能力を育む「チームとしての学校」の体制整備に取り組みます。
○各学校の実態に応じて「必要な学習内容をどのように学び、どのような資質・能力を身に付けられるようにするか」を教育課程に明確に示し、保護者や地域と共有することで、社会に開かれた教育課程の実現をめざします。
 
4 学校の教育力の向上を図るとともに、子どもたちが安全・安心に、いきいきと学び、健やかに成長していくことのできる教育環境を整備します。
○学校の教室確保のための改修や(仮称)芝浦第二小学校の整備など、幼児・児童・生徒数の増加への対応をはじめ、学校施設の老朽化等に的確に対応し、安全・安心な教育環境を計画的に整備します。学校施設の安全点検、通学路点検などの安全対策に継続的に取り組み、子どもを事件・事故から守るとともに、いじめの防止や食物アレルギーへの適切な対応など、子どもたちの安全確保を第一とした取組を推進します。
○子どもたち一人ひとりが、夢と希望を持って成長していけるよう、「学習支援」「相談の充実」「家庭教育の支援」「経済的支援」の4本の柱による学びの未来応援施策を推進します。
○教員が子どもと向き合う時間を確保し、子どもたちの学びの一層の充実を図るため、校務の積極的な見直し等により教員の負担軽減に取り組みます。


※10 共生社会:障害のある人と障害のない人が交流を通じて相互理解を図り、互いに支え合いながらともに暮らす地域社会のこと。