(1)社会性を備えた豊かな心の育成

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 港区では、「平成29年度全国学力・学習状況調査」から、「学校に行くのは楽しい」と感じている子どもが多く、自分自身について肯定的に捉える子どもが多いという結果が出ています。また、適応指導教室(つばさ教室)※11の整備や、教育センター相談員、スクールカウンセラー※12などによる相談機能の充実により、不登校児童・生徒の出現率は、全国的に見て低い傾向が続いています。
 区長を中心に、保護者や区内の私立学校、医師、警察等の参加を得て開催している「港区いじめ問題対策連絡協議会」など学校や家庭、地域、関係機関との連携による、いじめ防止の取組やいじめ発見後の迅速な対応などのほか、各学校におけるいじめ防止に向けた児童・生徒の主体的な取組により、落ち着いた学校生活のもと、安定した日々を過ごす子どもたちの割合が高いと言えます。
 平成29(2017)年度に実施したアンケート調査※13では、子どもがどのように育ってほしいかという問いに対して、「思いやりのある、優しい人」との回答が最も多い結果となっています。
 港区の子どもたちが、社会性を備えた豊かな心をもった大人として成長することを願い、道徳教育をはじめ、体験活動を通した交流の機会や教育相談の一層の充実が求められています。あわせて、地域に根ざした教育を推進する中で、相手を思いやる心や自ら考え表現する力などを育む機会を充実させることが必要です。
 
<現状>
 ○港区では「学校に行くのは楽しい」と感じている子ども、自分自身を肯定的に捉える子どもが、全国や東京都に比べて多い。
 ○不登校児童・生徒の出現率、いじめの認知件数が全国や東京都に比べて低い。
 ○アンケート調査では、どの年代の保護者も子どもが「思いやりのある、優しい人」に育ってほしいという回答が最も多い。
<課題>
 ○道徳教育をはじめ、体験活動や教育相談のさらなる充実が求められている。
 ○相手を思いやる心や自ら考え表現する力の育成の継続が必要。
 
■「平成29年度全国学力・学習状況調査」設問「学校に行くのは楽しいと思うか」

 

■港区立小・中学校における不登校児童・生徒の出現率

 

■平成29(2017)年度アンケート調査「子どもがどのように育ってほしいか」(上位5つまでを抜粋)

【2歳~5歳の保護者】


【6歳~11歳の保護者】


【12歳~15歳の保護者】



※11 適応指導教室(つばさ教室):長期欠席をしている不登校の小中学生を対象に、学籍のある学校とは別に、学習の援助をしながら本籍校に復帰することを目標に運営している教室。
※12 スクールカウンセラー:臨床心理士資格、臨床発達心理士又は産業カウンセラー等の心理ケアに関わる資格を有し、各学校で児童及び生徒のカウンセリングを行う者。
※13 平成29(2017)年度に実施したアンケート調査:平成29(2017)年5月から6月に、港区在住の満2歳から5歳、6歳から11歳、12歳から15歳の子どもを持つ保護者合計3,000人を対象に実施したアンケート調査。