(6)特別支援教育の充実

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 通常の学級に在籍している、知的に遅れのない発達障害等の支援の必要な児童・生徒に対し、学習支援員※15を配置して個別に学習支援を行っています。港区の人口が増加傾向にある中、学習支援員を配置した児童・生徒数も増加しています(平成25(2013)年度の89名から平成29(2017)年4月現在で204名)。
 落ち着いた環境の中で、個別指導を受けることのできる特別支援教室を小学校全18校に設置しています。さらに、知的障害等のある児童・生徒のため、小・中学校に特別支援学級※16を設置し、障害の特性や状態、発達の状況を踏まえ、一人ひとりに応じた教育を展開しています。
 現行の学習支援員による支援や特別支援教室の運用などの取組の効果検証を行い、個々の特性に応じた支援を一層充実させるため、学習支援員の配置や支援方法の見直しのほか、中学校での特別支援教室の開始、特別支援教室への入退室の基準の見直しが課題となっています。また、就学・進学相談はもとより、教育相談から、就学・進学後の個に応じた支援へつなげていくための相談体制の整備などが必要です。
 特別支援学級においては、通常の学級と交流、共同学習する機会を計画的に設定することが求められています。また、共生社会の実現に向けて、副籍制度※17の充実による交流活動を推進していくなど、インクルーシブ教育※18の考え方を踏まえ、特別支援教育の一層の充実を図る必要があります。
 
<現状>
 ○通常の学級に在籍している発達障害等、教育的ニーズがある支援の必要な児童・生徒数が年々増加している。
 ○特別支援教室を小学校全18校に、小・中学校に特別支援学級を設置し、個々の障害の種類や状態、発達状況に応じた教育を行っている。
<課題>
 ○これまでの取組の効果検証を行い、個に応じた支援を一層充実させるため、学習支援員の配置や支援方法の見直し、中学校での特別支援教室の開始、特別支援教室の入退室基準の見直しが重要。
 ○教育相談から就学・進学後の個に応じた支援へつなげていくための相談体制の整備が必要。
 ○特別支援学級と通常の学級との共同学習の機会創出、副籍制度の充実による交流活動の推進が必要。
 

■港区立小・中学校での学習支援員を配置した時間数


■副籍制度の活用による交流活動を実施した児童・生徒数


■港区立小学校における特別支援教室巡回指導教員数



※15 学習支援員:通常の学級に在籍している発達障害等、特別な教育的支援が必要な児童・生徒に対し、通常の学級の全体指導において、一人ひとりに応じた個別の学習支援を行う者。
※16 特別支援学級:障害があることにより、通常の学級における指導だけでは、その能力を十分に伸ばすことが困難な児童・生徒に対して、きめ細かな指導を行うため、特別に設置している少人数の学級。
※17 副籍制度:都立特別支援学校の小・中学部に在籍する児童・生徒が、居住する地域の公立小・中学校に副次的な籍をもち、直接的・間接的な交流を通じて、居住する地域とのつながりの維持・継続を図る制度。
※18 インクルーシブ教育:障害のある子どもを含む全ての子どもに対して、一人ひとりの教育的ニーズにあった適切な教育的支援を通常の学級において行う教育。