施策(4)個性と能力を伸ばす教育の推進

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 価値観が多様化し、今後さらに様々な分野において激しく変化していく社会を生き抜くためには、一人ひとりの個性を磨き、能力を伸ばすための多様な教育を推進することが必要です。
 自ら考え、社会のために主体的に行動する力、他者と円滑なコミュニケーションを図り、課題を発見・解決する力の育成に取り組みます。防災や環境、ICTなど、港区の豊富な地域資源を生かした多様な分野における体験学習・体験活動の充実を図り、特色ある教育を推進します。
 
2-(4)-① 郷土への愛着の醸成
【目指す子ども像】
 ○学校や地域に愛着と誇りをもち、自らすすんで学ぼうとする子ども
【取組内容】
 ○社会科副読本として港区独自に作成した、地域の特性に関する学習教材「わたしたちの港区」(小学校3・4学年対象)及び「わたしたちの郷土港区」(中学校1~3学年対象)を活用し、郷土への愛着、地域を誇りに思う心を養う教育を推進します。また、平成30(2018)年度から道徳が「特別の教科」となることを踏まえ、港区独自の道徳の副読本を作成することを検討します。
 ○平成30(2018)年11月に開設予定の港区立郷土歴史館のカリキュラム化や、郷土歴史館の豊富な資料を活用した出張講座、区の自然、歴史、文化を学ぶ副読本の作成・活用、考古資料や民具などの貸出キットの活用など、地域の自然や歴史、文化に対する児童・生徒の興味・関心を高め、調べ学習などをとおして地域への理解を深める教育に取り組みます。
 ○統合となった学校の貴重な教育資料を、児童・生徒の学習活動に活用できるよう、港区立郷土歴史館内で展示するとともに、資料の効果的・効率的な保存・展示・活用方法を検討します。
【期待される成果】
 ○学校や地域、港区に対する興味・関心が高まり、郷土を愛する心が醸成されます。
 
2-(4)-② ICTを活用した教育の推進【関連計画:港区学校情報化アクションプラン】

 

2-(4)-③ 体験学習の充実
【目指す子ども像】
 ○集団宿泊活動やボランティア活動、自然体験活動などの直接体験をとおして、道徳性や社会性、豊かな人間性を身に付けた子ども
【取組内容】
 ○箱根ニコニコ高原学園、新潟県・群馬県等での自然体験や、児童・生徒の自主性、協調性を育む集団生活などの体験学習を推進します。
 ○自然や文化に親しみ、集団生活をとおして児童の自主性や協調性を育む体験学習施設として、箱根ニコニコ高原学園の運営充実を図ります。平成27(2015)年度に指定管理者制度を導入後、箱根山の火山活動の影響により、休園となっていましたが、平成29(2017)年度から運営を再開しています。民間事業者のノウハウや事業提案等を活用した新たな管理運営体制により、児童の安全・安心の確保を一層図るとともに、学校の教育活動の支援を強化していきます。
【期待される成果】
 ○自然のすばらしさや神秘に触れることにより、豊かな感性が養われます。
 ○集団生活をとおして、規律ある生活習慣や協調性を身につけることができます。
 
2-(4)-④ 防災等の安全に関わる教育の推進
【目指す子ども像】
 ○防災や防犯、正しい消費生活などに関する知識を身に付け、自分の身を守るとともに、他者や地域の安全に貢献できる子ども
【取組内容】
 ○教育課程に位置付けた地域防災訓練を小・中学校で実施し、児童・生徒の防災に関する知識や行動力を育成します。
 ○防災訓練や防犯訓練を区立幼稚園で実施し、幼児自身の安全に対する意識や行動力を育みます。
 ○警察等と連携した交通、情報、不審者対応に関わる安全教育や薬物乱用防止教育など、子どもの防犯意識、身の回りの危険から自分の身を守る意識を高め、事件や事故に遭わないための教育を充実します。
 ○社会や学校のICT化の進展に伴い、有害情報に接する危険性が増加する中、自分にとって必要な情報を取捨選択する能力や、インターネットやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、携帯電話の使用における情報モラル教育、情報を取り扱うときのマナーを身につける教育を推進します。
【期待される成果】
 ○災害時等に適切な行動をとり、自ら自分の身を守るとともに、学校や地域の安全に積極的に関わる態度が育まれます。
 ○子どもが危機を回避できる資質・能力を向上させ、安全・安心な生活を送ることができます。
 
2-(4)-⑤ 環境教育の充実
【目指す子ども像】
 ○環境に関する知識を習得し、環境に配慮した行動がとれる子ども
【取組内容】
 ○太陽光発電設備、太陽熱給湯設備などの学校にある設備や、ビオトープ、屋上庭園など学校の環境を環境学習に有効に活用し、自分の生活に身近なところで環境に配慮することの大切さを学ぶ教育に取り組みます。
 ○みなと区民の森※48での自然体験や、(仮称)港区立科学館における科学と環境に関する体験学習などをとおして、児童・生徒の環境保全への興味・関心を高める教育を推進します。
 ○環境リサイクル支援部が作成する教員向けの資料「生きもの学習ガイドブック」を活用した生物多様性に関する教育や、「小中学生の環境に関する自主研究」における事前指導、木育※49授業の実施など、環境リサイクル支援部と連携した環境教育を推進します。
 ○全区立幼稚園、小・中学校が参加する「みなと子どもエコアクション※50」において、年間をとおして省エネルギーなどの環境配慮活動に取り組み、幼児・児童・生徒の地球温暖化防止に貢献する主体的な行動力を育みます。
【期待される成果】
 ○持続可能な社会の実現に向けて、自ら環境に配慮した行動を身につけることができます。


※48 みなと区民の森:平成19(2007)年度から地球温暖化対策の一環としてあきる野市から借り受けた市有林を整備し、二酸化炭素の吸収林としてよみがえらせ、子どもたちをはじめ区民の自然観察、環境学習の拠点として活用している森。
※49 木育:木材に対する親しみや木の文化への理解を深めるため、多様な関係者が連携・協力しながら、材料としての木材の良さやその利用の意義を学ぶ、木材利用に関する教育活動。
※50 みなと子どもエコアクション:区立幼稚園、小学校、中学校において、「環境教育の推進」「環境負荷の低減」「地域に根ざした活動の推進」の実現を目的に、園児・児童・生徒と教職員が一体となって環境活動を実践する仕組み。