文部科学省は、平成23(2011)年4月、「教育の情報化ビジョン」を取りまとめ、平成32(2020)年度に向けて実施する主な施策の一つとして、安全安心な環境のもと、子どもたち1人1台の学習者用コンピュータによる教育の本格展開の検討を掲げました。
また、平成25(2013)年6月に文部科学省から提示された「第2期教育振興基本計画」では、教育情報化に向けた環境整備について、「①学習者用コンピュータ1台当たりの児童・生徒数3.6人」「②1学級当たり1台の電子黒板※5・実物投影機※6の整備」「③超高速インターネット接続率及び無線LAN※7整備率100%」「④教員1人1台の校務用コンピュータの整備」という目標が定められています。
さらに、平成29(2017)年12月に文部科学省が提示した「平成30年度以降の学校におけるICT環境の整備方針」では、これからの学習活動を支えるICT環境整備の考え方について、最終的には1人1台専用の学習者用コンピュータの配置が望ましいが、当面、全国的な配備状況を踏まえ、3学級に1学級分程度の配置を想定することが適当とされました。
平成29(2017)年3月に文部科学省から告示された新学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び」の実現が重点項目とされ、新たに小学校における「プログラミング教育※8」の実施等が盛り込まれました。
平成29(2017)年10月には、文部科学省から、学校現場の特徴を踏まえた情報セキュリティ対策の考え方を解説した「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」が公表されました。
平成32(2020)年度に新たに導入される大学試験においては、CBT方式※9の導入が検討されるなど、教育における情報化のさらなる促進に向けた取組が進められています。
※5 電子黒板:パソコンの画面を映せる大型ディスプレー。画面に直接触れて、字や絵を描き加えることもできる。映写機から投影するタイプもある。
※6 実物投影機:写真・絵・グラフ・表などのような紙媒体を中心に、実物を拡大投影する機器。
※7 無線LAN:ケーブル線の代わりに無線通信を利用してデータの送受信を行うLANシステム。LAN(Local Area Network)とは、企業内、ビル内、事業所内等の狭い空間においてコンピュータやプリンタ等の機器を接続するネットワークのこと。
※8 プログラミング教育:コンピュータに動きを指示するために使われるプログラムを学ぶ教育。技術を学ぶだけでなく、自分が求めることを実現するために必要な動作や記号を考え、組み合わせながら改善していく、論理的な「プログラミング的思考」を育むことが狙いとされている。
※9 CBT(Computer Based Testing)方式:コンピュータを利用して実施する試験方式で、受験者はコンピュータに表示された試験問題に対し、マウスやキーボードを用いて解答する。