3 学校アンケート及びヒアリングから見える課題

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<学校アンケート実施概要>
実施期間     : 平成29(2017)年1月~2月
対象校      : 区立小・中学校全校
対象者及び回答数 : ①小学校教員向け(回答数:342件)
           ②中学校教員向け(回答数:126件)
           ③管理職向け(回答数:41件)
             ※内訳:小学校26件、中学校15件
<学校ヒアリング実施概要>
実施期間     : 平成29(2017)年8月
対象校      : 青山小学校、港南小学校、赤坂中学校、港南中学校
対象者      : 校長、副校長、教員29人
           (特別支援学級※32の教員4人を含む)
 
(1)授業面
 学校アンケートの結果によると、各学校の教員のICT機器利用頻度が50%を下回っていることから、ICT機器利用の定着に課題が見られます。また、学校ヒアリングの結果からは、中学校での電子黒板の全普通教室への配備について要望があがるほか、タブレット端末についても、身近にありいつでも使用できる環境を望む声が多くあります。
 
(2)校務面
 学校アンケート及び学校ヒアリングの結果から、校務支援システムにおける成績処理機能やメール機能といった、個々の機能に対する操作の面に課題が見られます。また、校務支援システムをあまり活用していない教員もいるため、活用推進もあわせて検討していく必要があります。
 
(3)環境面
 学校アンケートの自由意見や学校ヒアリングにおいて、タブレット端末の複数台同時接続による帯域不足を早急に改善してほしいという声が多くあります。

■<学校アンケート>【小学校】学年別のICT利用率


■<学校アンケート>【中学校】教科別のICT利用率


■<学校アンケート>今後ICT機器の一層の利用のために有効と思うこと(複数回答)

■<学校ヒアリング>主な意見(授業面の課題)
・教師自身の活用スキルに自信がないため、ICT支援員のサポートがないと授業で使用が難しい。
・タブレットの活用効果がわからないため、活用の方法がわからない。
・どの児童・生徒も操作支援を受けずにタブレットを使用できるとは限らないので、教師が望む使い方ができない。
・授業で急に取り入れることで、生徒が学習内容ではなく操作に集中してしまうと考えており、タブレットを授業で導入しにくい。
・使用したい台数での同時接続が難しく、使用できる台数が限られる。
・特別教室に機器が配備されていないため、使用していないクラスから借りることになるが、借りたクラスの使用に間に合うようにすぐに返却しなければならない。
 
■<学校ヒアリング>主な意見(校務面の課題)
・システムに慣れないため、最低限の機能しか使用できない。
・システムが職員室での利用に限られるため、様々な機能があっても活用できない。校内であればどこでもシステムを使用できるようにしてほしい。
・システムの機能が小学校向けであり、進路関係の機能が不十分。
・欠席処理が当日にしか行えないため、終業式当日については出席したものとして事前に印刷している。
・通知表を印刷する際にword連携を行う必要があるが、打ち出しまでに時間がかかる。
・家でも仕事ができるようにしてほしい。


※32 特別支援学級:障害があることにより、通常の学級における指導だけでは、その能力を十分に伸ばすことが困難な児童・生徒に対して、きめ細かな指導を行うため、特別に設置している少人数の学級。