(1)実施概要
目的 :次期アクションプランの施策設計に向けて、実態の把握、課題の抽出を行う。
実施方法 :①各学年、教科担任の教員へのインタビューを中心とした座談会形式
②特別支援学級を受け持つ教員へのインタビューを中心とした座談会形式
ヒアリング内容:・授業におけるICTの活用例、活用における課題
・校務支援システム導入における校務の負担の変化
・特別支援学級におけるICT活用の実態
実施期間 :平成29(2017)年8月
対象校 :青山小学校、港南小学校、赤坂中学校、港南中学校
対象者 :校長、副校長、教員29名
(特別支援学級の教員4名を含む)
(2)結果概要
ア 授業におけるICT活用例 ※再掲
(国語)
・古典等の朗読見本として、デジタル教科書の音声を聞かせ、読むテンポや発音について確認させる。
・漢字の文字を拡大掲示し、筆順や、とめ・はらいのポイントを解説する。
(算数)
・図形の面積を学習する際、デジタル教科書で図形を分解して、組合せのシミュレーションを行う。
(理科)
・生物分野において、写真や動画を用いて、成長の過程を観察する。
(社会)
・課外学習でタブレット端末を用いて写真や動画を撮影し、持ち寄ったものを資料に整理して、グループ発表を行う。
(英語)
・正確な発音や会話を音声で聞かせるとともに、タブレット端末を用いて児童・生徒同士で発音の様子を撮影し、振り返りを行う。
(体育)
・特に動きをイメージしづらいハードル走や器械体操等の授業において、自分の動きを客観的に映像で確認し、修正する。
イ 授業におけるICT活用の課題 ※再掲
・教師自身の活用スキルに自信がないため、ICT支援員のサポートがないと授業で使用が難しい。
・タブレットの活用効果がわからないため、活用の方法がわからない。
・どの児童・生徒も操作支援を受けずにタブレットを使用できるとは限らないので、教師が望む使い方ができない。
・授業で急に取り入れることで、生徒が学習内容ではなく操作に集中してしまうと考えており、タブレットを授業で導入しにくい。
・使用したい台数での同時接続が難しく、使用できる台数が限られる。
・特別教室に機器が配備されていないため、使用していないクラスから借りることになるが、借りたクラスの使用に間に合うようにすぐに返却しなければならない。
ウ 校務におけるICT活用の課題 ※再掲
・システムに慣れないため、最低限の機能しか使用できない。
・システムが職員室での利用に限られるため、様々な機能があっても活用できない。校内であればどこでもシステムを使用できるようにしてほしい。
・システムの機能が小学校向けであり、進路関係の機能が不十分。
・欠席処理が当日にしか行えないため、終業式当日については出席したものとして事前に印刷している。
・通知表を印刷する際にword連携を行う必要があるが、打ち出しまでに時間がかかる。
・家でも仕事ができるようにしてほしい。
エ 特別支援学級におけるICT活用状況、課題等
・児童が漢字を書くときに、教員が実物投影機で拡大し書く手本を見せることで、話言葉からだけではなく、児童に視覚的に理解させるために活用している。
・児童の動きや表情を撮影し、児童に自分の表情や声の出し方を確認させながら、意識するポイントの指導を行うために活用している。
・タイピング練習やインターネットを用いた調べ学習は、児童・生徒の将来的な自立支援につながると考えている。
・個々の特性に応じた学習ソフトやアプリ等を使用できたらよいが、セキュリティ等の関係もあり規制が厳しいため、なかなか自由に活用できない。