「港区スポーツ推進計画の改定に向けたアンケート調査」(平成29(2017)年6月)では、7割以上の区民が運動不足を「感じている」あるいは「ある程度感じている」と回答しています。特に20歳代、30歳代と年齢が若くなるほどその傾向が顕著になっています。
区全体の成人の週1回以上のスポーツ実施率は41.1%であり、前回調査時(平成26(2014)年7月)の51.1%と比べて、10ポイント低下しています。「港区スポーツ推進計画」(平成27(2015)年2月)で掲げたスポーツ実施率65%以上という目標値には至っていません。

■【在住者】成人の週1回以上のスポーツ実施率(H29(2017))

■【在住者】成人の週1回以上のスポーツ実施率(H26(2014))
1年間に運動やスポーツを行った日数を年代別に見ると、20歳代、30歳代と年齢が若くなるほど、実施日数が低い傾向にあります。一方、60歳~64歳、65歳~69歳、70歳~74歳の週1回のスポーツ実施率は5割程度となっており、前回調査時よりも低い実施率となっています。

■年代別にみた1年間に運動やスポーツを行った日数(H29(2017))

■年代別にみた1年間にスポーツを行った日数(H26(2014))
国や東京都においても、成人の週1回以上のスポーツ実施率は低下傾向にあります。
今後、区の実施率低下の検証を行うとともに、国や東京都の推移を注視する必要があります。

■国・東京都・区における成人の週1回以上スポーツ実施率の推移
<現状>
○成人の週1回以上のスポーツ実施率は41.1%(在住者)であり、前回から10ポイント低下し、目標値65%に至っていない。なかでも、子育て・働き盛り世代のスポーツ実施率が低い。
○65歳以上74歳未満のスポーツ実施率は約50%で、他の年代と比べて高いものの、前回からは低下している。
<課題>
●区民のニーズにあった多様なスポーツ施策の展開が必要である。特に、スポーツ実施率が低い子育て・働き盛り世代へのさらなるスポーツの啓発、きっかけづくりが重要である。
●高齢者が気軽にスポーツに参加できる、さらなる環境づくりが重要である。
○スポーツをする目的
「港区スポーツ推進計画の改定に向けたアンケート調査」(平成29(2017)年6月)では、運動・スポーツを行う理由としては、「健康維持・体力の向上」(67.0%)、次いで「運動不足の解消」(56.2%)の順に多くなっており、健康・体力づくりが主な目的となっています。

■【在住者】運動やスポーツを行っている理由
また、1年間に行った運動やスポーツで回答が多かった種目は、散歩(ぶらぶら歩き)、ウォーキングなどであり、身近な場所で気軽に行える種目、健康・体力づくりに適した種目が上位となっています。

■【在住者】年代別にみた1年間に行った運動やスポーツ(上位10項目まで)
区民の運動やスポーツを推進するために、どのようなスポーツ指導者が必要だと思うかという問いに対しては、「スポーツの楽しみ方やスポーツへの興味・関心がわくような指導ができる人」が56.5%、次いで「健康・体力づくりのための運動やスポーツの指導ができる人」が46.3%となっています。

■【在住者】どのようなスポーツ指導者が必要だと思うか
○子どものスポーツ実施状況
「港区の教育についてのアンケート調査」(平成29(2017)年6月)では、学校の授業以外で運動やスポーツを行った日数について、小学生は「週に1~2日」が約4割と最も多く、次いで「ほぼ毎日」「週3日以上」と続いています。中学生は「ほぼ毎日」と「週3日以上」が約3割で最も多く、「週に1~2日」と続いています。
一方、「まったくしていない」は、小学生で7.7%、中学生で8.5%となっています。理由の上位は、「勉強や習いごとで忙しい」がともに多く、中学生では「苦手」「嫌い」とする回答も多くなっています。

■学校の授業以外で運動やスポーツを行った日数
○子どもの体力
「平成28年度東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査」の結果では、「体力合計点」において、港区は東京都平均をほとんど上回る結果となっています。
子どもたちが日常的に体を動かすことができるよう運動・スポーツの機会の継続的な提供が必要です。

○高齢者のスポーツ実施状況
「港区スポーツ推進計画の改定に向けたアンケート調査」(平成29(2017)年6月)では、60歳以上74歳までの週1回のスポーツ実施率は約5割となっており、区民平均の41.1%よりも10ポイント程度高くなっています。
実施種目は、他の年代と同様、散歩(ぶらぶら歩き)、ウォーキングが多くなっていますが、水泳、体操・ラジオ体操、ゴルフも比較的多くなっています。
また、運動やスポーツを行っている理由では、「健康維持・体力の向上」や「運動不足の解消」だけでなく、「身体を動かす楽しみ」、「友人・仲間との交流」も多くなっています。

■【在住者】年代別にみた運動やスポーツを行っている理由
○障害者のスポーツ実施状況
平成28(2016)年度に東京都が都内に居住する18歳以上の身体障害者、知的障害者及び精神障害者並びに難病患者3,600人(無作為抽出)を対象に実施したアンケート調査の結果では、週1回以上のスポーツ実施率は50.6%であるという結果が出ています。

■障害別、年代別にみた障害者の週1回以上のスポーツ実施率
また、スポーツや運動を行う際に必要な支援としては、「適切な指導者」が25.5%と最も高く、次いで「一緒に行う仲間」が19.5%と高くなっています。その他、「会場までの送迎」(14.9%)、「障害にあわせたプログラムの充実」(14.6%)、「施設の利用料減免」(14.3%)、「スタジアム、体育館などの建物や設備のバリアフリー化」(14.1%)、「交通機関やまちのバリアフリー化」(13.0%)、「障害に対応した情報の提供や問合せ方法の充実」(12.4%)など、様々な意見が挙げられています。

■障害別にみたスポーツや運動を行う際に必要な支援
<現状>
○障害者がスポーツや運動を行う際の支援として、「適切な指導者」「一緒に行う仲間」のほか、「スタジアム、体育館などの建物や設備のバリアフリー化」など様々な支援が求められている。
<課題>
●障害者が気軽にスポーツに参加できる環境づくりが必要である。
また、障害者スポーツの体験教室やイベント(講演会等含む)等に参加したことがない人が9割を超えており、参加したことがない理由については、「興味がなかった」が約5割と最も多く、次いで「参加できる教室やイベント情報を知らなかった」が約4割となっています。

■障害者スポーツの体験教室やイベント等の参加状況

■障害者スポーツの体験教室やイベント等に参加したことがない理由
<現状>
○障害者スポーツのイベントに参加したことがない人は9割を超えており、その理由として「興味がない」「情報がない」が多い。
<課題>
●障害者スポーツへの理解を深めるため、普及・啓発を図ることが重要である。
○「みる」スポーツの実施状況
「港区スポーツ推進計画の改定に向けたアンケート調査」(平成29(2017)年6月)では、1年間に試合や競技大会、練習などのスポーツ観戦(テレビでの観戦を除く)をする頻度について、「ほとんど観戦しない」が56.9%、次いで「年に数回程度」が24.6%となっています。

■運動やスポーツの観戦について
開催期間中、オリンピックを観戦したい人は「競技会場で直接観戦したい」が52.0%となっており、オリンピックに対する期待が高いことがうかがえます。一方、パラリンピックについては「競技会場で直接観戦したい」が30.2%であり、オリンピックに比べると少なく、また、ラグビーワールドカップ2019については26.7%という結果となっています。

■東京2020オリンピックの観戦について

■東京2020パラリンピックの観戦について

■ラグビーワールドカップ2019の観戦について
○スポーツ観戦の機会の創出
区と(公財)日本ラグビーフットボール協会との基本協定に基づく普及事業として、秩父宮ラグビー場などで開催されるラグビーフットボールの試合の観戦機会を提供し、「みる」スポーツを推進しています。

■試合観戦参加状況(平成28(2016)年度実績)
<現状>
○ラグビーワールドカップ2019や東京2020大会の観戦の意向は高いものの、日常の運動やスポーツの観戦については、ほとんど観戦しない人の割合が56.9%と高い。
<課題>
●スポーツを「みる」意識の啓発のため、様々な競技の試合や練習の観戦機会を提供することが重要である。