平成29年6月13日
教育委員会決定
教育委員会決定
1 スポーツを取り巻く現状
(1)国等の状況
国は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下、「東京2020大会」という。)に向け、平成27年6月、東京2020大会の開催準備に専任で当たる担当大臣(※)を設置し、さらに、平成27年10月、文部科学省の外局としてスポーツ行政を一元的に担うスポーツ庁を設置するなど、体制の整備を行いました。また、平成28年10月には、東京2020大会に向けた政府の取組を公表し、平成28年12月以降、「beyond(ビヨンド)2020プログラム」(※)を推進しています。
(※)担当大臣:東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当大臣
(※)beyond(ビヨンド)2020プログラム:2020年以降を見据え、日本の強みである地域性豊かで多様性に富んだ文化を生かし、成熟社会にふさわしい次世代に誇れるレガシーを創り出す文化プログラム
平成29年3月には、スポーツ庁が第2期「スポーツ基本計画」を策定し、国民、スポーツ団体、民間事業者、地方公共団体、国等が一体となって施策を推進していくことが必要だとしています。
東京都では、平成27年度から東京2020大会成功に向けた区市町村支援事業(補助金事業:スポーツ振興事業及びスポーツ施設整備)やパラリンピック普及・啓発事業として東京都パラリンピック体験プログラム「NO LIMITS CHALLENGE」を開始し、さらには、平成27年12月に「2020年に向けた東京都の取組―大会後のレガシーを見据えて―」を策定しました。
国や東京都、東京2020組織委員会はじめ、全国自治体では、世界のトップアスリートの活躍を身近で感じることができ、東京2020大会への気運の醸成になることから、東京2020大会事前キャンプ誘致を推進しています。
ラグビーワールドカップ2019については、平成28年度に「ワールドカップ2019における地域交流推進要綱」をスポーツ庁が策定し、大会と連携した地域交流・地域活性化施策等を推進する中で、大会開催の効果を全国に普及することが期待されています。
このように、スポーツ行政は、国際大会の開催の充実とともに、スポーツの「楽しさ」「喜び」という価値を享受し、前向きで活力ある社会と絆の強い社会を創ることが求められています。
(2)港区の状況
区では、港区のスポーツの推進に関する多様な施策を総合的に体系化し、今後のスポーツ施策の基本的な方向性を定めた初の計画として、平成24年3月にスポーツ推進計画を策定しました。
平成27年2月には「港区教育ビジョン」のもと、区民の「する」、「みる」、「支える」スポーツ活動を重層的に展開し、子どもから大人まで、障害のある人もない人も、誰もがスポーツに親しみ、スポーツで元気になる『スポーツ文化都市みなと』の実現に向けた施策を着実に推進するため、スポーツ推進計画を改定しました。改定した計画に基づき、東京2020大会に向けた気運醸成の取組としてオリンピアン等によるスポーツ教室や国際大会のパブリック・ビューイング、スポーツボランティア育成事業等の実施や各国・各競技団体の東京2020大会事前キャンプ誘致の取組を進めています。また、障害者スポーツへの取組を促進し、障害者を対象とした事業や障害者スポーツへの理解を深める機会を提供しています。
さらに、区内のお台場海浜公園がトライアスロン競技(オリンピック競技・パラリンピック競技)会場となることから、区は(公社)日本トライアスロン連合等(※)と平成28年11月に協定を締結し、トライアスロン競技の普及・啓発に取り組んでいます。
(※)(公社)日本トライアスロン連合等:(公社)日本トライアスロン連合、(一社)東京都トライアスロン連合、港区トライアスロン連合、(公財)港区スポーツふれあい文化健康財団、(一財)港区体育協会
この他、2019年のラグビーワールドカップに向けて、(公財)日本ラグビーフットボール協会との協定に基づくラグビーの普及・啓発に取り組んでいます。
東京2020大会等の国際大会を戦略的に活用して、今後一層区民のスポーツ活動の振興を図ることが望まれています。
2 スポーツ推進計画改定の方向性
スポーツ推進計画は、平成27年度から平成32年度までの6年間の計画とし、中間年となる平成29年度に、後期3年に該当する平成30年度から平成32年度の計画について改定することとしています。
改定に当たっては、現行計画に掲げる目指すべき姿「みんなではぐくむ スポーツ文化都市 みなと ~誰もが 生涯を通じて スポーツを楽しみ スポーツで元気になるまちを目指して~」及び6つの基本目標「1 誰もが気軽に楽しめるスポーツ活動の促進」、「2 スポーツを通じた仲間づくり・地域づくり」、「3 港区ならではのスポーツ文化の醸成」、「4 スポーツを楽しめる場の確保」、「5 スポーツ活動を支援する環境の整備」、「6 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会等に向けて」を継承するとともに、今後3年間、さらに積極的に推進していく「障害者スポーツ活動の場の充実と理解の促進」と「東京2020大会後のレガシーの継承・活用」の2つの目標を新たに追加します。
現行計画における22施策80事業については、区のこれまでの取組の成果とスポーツ環境の変化に伴う新たな課題、区民アンケートの結果等を踏まえ、以下の方向性のもと内容を見直します。
1 誰もが気軽に楽しめるスポーツ環境を整え、スポーツ活動への参加意欲を高めます。
○子どもから大人まで、障害のある人もない人も、誰もが、身近な場所で、スポーツに親しみながら、生涯を通じて、それぞれの興味や目的に応じてスポーツを楽しむことができるよう、ライフステージに応じた多様なスポーツ施策を展開します。
○介護予防や高齢者の健康増進を図るため、介護予防総合センター等の関係機関と連携し、高齢者のスポーツ活動への参加意欲を高める取組を積極的に行います。
2 地域でスポーツを楽しめる場づくりを支援し、スポーツを通じたまちの活性化、地域づくりを促進します。
○スポーツを通じたまちの活性化、地域づくりを促進し、地域課題解決に向けた取組を行う総合型地域スポーツ・文化クラブを支援します。
○区民が、地域で仲間とスポーツを楽しむことで、コミュニケーションの場が育まれるよう、社会体育団体や体育協会加盟団体、自主クラブ等の地域スポーツ組織の活動を支援します。
3 港区の特性を生かしたスポーツ施策を充実し、スポーツの楽しみや区民の交流を広めます。
○スポーツ関係機関やプロスポーツチーム等との連携を通じて、試合や練習の観戦機会の拡大とともに、世界の舞台で活躍したトップアスリートの技術や魅力を、地域のスポーツ推進に還元できるような取組を行います。
○歴史的な名所や旧跡、六本木、赤坂、お台場等観光資源を生かしたウォーキングや海を活用した事業を充実します。
○大使館や区内在住外国人が多数を占める区の特性を生かし、スポーツを通じて国際交流や相互理解を図る事業を実施します。
4 スポーツ施設を整備・充実し、スポーツを楽しめる場を増やします。
○区民が気軽にスポーツを続けられるようスポーツ施設の計画的な整備を図るとともに、プログラムの充実により、サービスの向上に取り組みます。
○区立小・中学校施設の開放に取り組み、区民の多様なスポーツ活動の場を充実します。
○区内の大学や民間スポーツ施設との連携を強化し、スポーツ活動の場の拡大を図ります。
5 多様なスポーツ活動へのニーズに対応し、区民の主体的なスポーツ活動を支える環境を整備します。
○今後実施予定のマラソン大会はじめ、様々なスポーツイベントにおいて、スポーツ活動を支える人材が必要となります。スポーツ活動を支えるリーダーの育成やスポーツボランティアの育成・拡大、支援、組織間の連携の促進により、区民の主体的なスポーツ活動を支える体制の整備を強化します。併せて、東京都と連携し、東京2020大会等への区民のボランティア参加を目指します。
○区は、(公社)日本トライアスロン連合、(公財)日本ラグビーフットボール協会や各種スポーツ団体等と連携し、様々なスポーツ活動の支援に努め、区民のスポーツへの参加の促進を図ります。
6 障害者スポーツに触れる機会を創出し、障害者スポーツへの理解を深めます。
○東京2020大会を契機とし、区民が障害者スポーツの理解を深められるよう、パラリンピック競技の体験機会を提供します。また、障害者スポーツに親しめるような環境の整備を行います。
○パラリンピック競技団体や区内企業等と連携を図り、区有施設でスポーツ教室を行うなど、障害者スポーツの普及・啓発を図ります。
7 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会等に向けた気運醸成の取組を強化します。
○東京2020大会時は、トライアスロン競技がお台場海浜公園で行われます。また、さらなる気運醸成に向け、大会の公式練習会場や各国・各競技団体の事前キャンプの誘致、NOCハウスの設置等を目指します。
○世界のトップアスリートと区民が身近に接することができるスポーツ教室や国際大会のパブリック・ビューイングの実施等により、ラグビーワールドカップ2019や東京2020大会への気運醸成を図ります。
○ラグビーワールドカップ2019に向けて、(公財)日本ラグビーフットボール協会等と連携し、ラグビーイベントやラグビー教室の充実を図り、ラグビーに触れる機会を増やします。
8 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会後のレガシー(遺産)を引き継ぎ、区民のスポーツ活動の拡大を図ります。
○東京2020大会を契機とした取組を大会後も継続して行い、「する」「みる」「支える」スポーツの観点から区民のスポーツ活動が拡大されるような取組を推進します。
○東京2020大会までの取組で培った各競技団体等との繋がりをもとに、大会後も区民のスポーツ活動に生かせる事業を継続して実施します。
3 スポーツ推進計画改定に当たって
(1)検討体制
公募区民や学識経験者、スポーツ関係団体の代表者、校長で構成する「スポーツ推進計画検討委員会」において、スポーツに関する様々な視点から幅広い検討を行います。
また、区政全般にわたる施策の横断的な展開を図るため、区長部局を含めた関係職員(課長級)で構成する「スポーツ推進計画検討会」において検討を行います。
(2)改定スケジュール
平成29年6月 スポーツ推進計画改定方針決定
平成29年11月 スポーツ推進計画(素案)決定
平成29年11~12月 区民意見募集
平成30年2月 スポーツ推進計画決定
(3)改定計画の周知方法
区ホームページに計画全文を掲載します。
広報みなと及び教育委員会広報紙に計画改定の報告を掲載します。