第4節 小学校のことについて

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①通わせたい小学校の種類
 子どもを通わせたいと考えている小学校の種類を尋ねたところ、全体では「通学区域内の区立小学校」が62.1%で最も割合が高く、次いで「私立小学校」(18.6%)と続く。
 通わせたい幼稚園や保育所別にみると、区立保育所、区立幼稚園を希望する保護者は「通学区域内の区立小学校」に通わせたい割合が7割以上と高い。一方、私立幼稚園を希望する保護者は他より「通学区域内の区立小学校」の割合が低く、「私立小学校」に通わせたい割合が37.3%と高い。

図表3-4-①-1 通わせたい小学校の種類(通わせたい幼稚園や保育所別)

 小学校通学区域別にみると、どの区域でも「通学区域内の区立小学校」に通わせたい割合が高い。他の小学校への進学希望をみると、他の区域より三光小学校区では「通学区域外の区立小学校」を希望する割合が20.0%と高く、笄小学校区、本村小学校区では「私立小学校」を希望する割合が3割以上と高い。

図表3-4-①-2 通わせたい小学校の種類(小学校通学区域別)

②通わせたい小学校を選んだ理由(12項目中3つまでの複数回答)
 前項で選んだ小学校に通わせたい理由について尋ねた。
 通わせたい小学校別にみると、通学区域内の区立小学校では「自宅に近いから」が93.9%で最も割合が高く、次いで「教育費用(学費等)の負担が軽くてすむから」(37.5%)と続く。通学区域外の区立小学校では「評判が良いから」(45.1%)、「教育方針や教育内容が良いから」(43.7%)が4割以上と高い。私立小学校、国立小学校では「教育方針や教育内容が良いから」が7割以上と高い。私立小学校では「学校内に規律があり、いじめ等の心配が少ないから」の割合が31.7%で、全体の8.4%より23.3ポイント高い。

図表3-4-② 通わせたい小学校を選んだ理由(通わせたい小学校別)

③区立小学校に期待すること(第1位~3位までの順位付け)
 区立小学校に期待することについて、15項目を第1位、第2位、第3位の順で挙げてもらい、各順位の割合を積み上げ、棒グラフにした。
 区立小学校に期待することについて、第1位に挙げられた割合が最も高い項目は「教育内容や教育方針の良さ」だが、第1位から第3位までの積み上げでは「先生の資質の向上」の割合が最も高い。

図表3-4-③-1 区立小学校に期待すること

 項目ごとに第1位に挙げられた回答数に3点、第2位に挙げられた回答数に2点、第3位に挙げられた回答数に1点のウエイト付けをした。その合計点に占める各項目の点数の割合をグラフにした。
 割合が最も高い項目は「教育内容や教育方針の良さ」(20.5%)で、次いで「先生の資質の向上」(20.2%)と続く。

図表3-4-③-2 区立小学校に期待すること

④区立小学校において今後充実を希望するもの(32項目中5つまでの複数回答)
 区立小学校において今後充実を希望するものは「質の高い教員の育成・確保」が62.1%で最も割合が高く、以下「習熟度別授業、少人数指導」(38.7%)、「英語教育の推進・国際コミュニケーション能力の育成」(35.2%)、「通学路の安全確保」(34.1%)と続く。

図表3-4-④ 区立小学校において今後充実を希望するもの(通わせたい小学校別)

⑤区立小学校の学校選択希望制について
 区立小学校の学校選択希望制について尋ねたところ、全体では「大まかな内容を知っている」が47.9%で最も割合が高く、「詳しい内容を知っている」(10.9%)を合わせた『内容を知っている』割合は6割近くとなっている。
 通わせたい小学校別にみると、通学区域外の区立小学校を希望している保護者は「大まかな内容を知っている」が54.9%、「詳しい内容を知っている」が21.1%で、他の小学校を希望している保護者より内容について知っている割合が高い。

図表3-4-⑤ 区立小学校の選択希望制について(通わせたい小学校別)

⑥学校選択希望制についての考え方
 学校選択希望制についての考え方を尋ねたところ、全体では半数以上が「続けてほしい」と回答し、「どちらかといえば続けてほしい」(21.2%)を合わせた『続けてほしい』割合は8割弱となっている。
 通わせたい幼稚園、保育所や小学校の種類に限らず、学校選択希望制の継続意向の割合が高い。

図表3-4-⑥ 学校選択希望制についての考え方(通わせたい幼稚園や保育所別、通わせたい小学校別)

⑦区立幼稚園・小学校に対する要望・意見について
 区立幼稚園・小学校に対する要望・意見について、自由回答形式で尋ねた。
 「区立幼稚園の3年保育の実施」が133件で最も多く、以下「教員の質の向上」(26件)、「区立幼稚園の増設」(19件)、「安全性の確保」、「幼稚園・小学校の情報を公開して欲しい」(各16件)と続く。

図表3-4-⑦ 区立幼稚園・小学校に対する要望・意見について(複数回答)

区立幼稚園・小学校に対する要望・意見に書かれた主な意見を抜粋した。
区立幼稚園の3年保育の実施
・区立幼稚園での3年保育を実施する園を増やしてほしい。
・区立幼稚園も3年保育を充実してほしい。私立は倍率が高く、入りにくいという問題を解消するためにも。
・港区は子どもたちの教育にとても熱心。上の子が小学生で、区立幼稚園での教育が小学生になった今、すごく活かされていると感じる。周りには私立幼稚園に行った子が多かったが、結果的に区立に行ってとてもよかった。下の子どもも、区立幼稚園に行かせたいと考えているが、3年保育ではないのが残念。
・港区には3年保育の区立幼稚園が少なく、希望したくても私立幼稚園がほとんどで、その私立幼稚園も区外からの希望者が多く、結果、幼稚園受験が過熱している印象を受ける。区立幼稚園での3年保育をもっと検討してほしい。
・区立幼稚園も全て3年保育にして、親の選択肢を増やしてほしい。結果的に私立幼稚園の資質向上にもなると思う。
・3年保育の幼稚園があるが、定員が少ないため3年保育に入れる子どもと、入れない子どもがいる。入れないと、1年間子どもは他の子との交流が減ることになってしまう。
・区立幼稚園の3年保育を増やしてほしい。そうすれば私立幼稚園に不合格になった子どもたちの事を、幼稚園難民なんて言わなくなると思う。子どもの数が増えているので、検討してほしい。
・区立幼稚園で3年保育を行っているところが、もっと増えると良いと思う。男の子は3年保育に行く子が多いと聞く。現に区立幼稚園は女の子が多く、全体的な人数も、私立より少ない。港区では子どもが増えているので、3年保育の幼稚園の倍率が上がり、入れない子もいる。夕ワーをどんどん建てるなら、その辺もどうにかしてほしい。
・公立幼稚園を減らさないで、3年保育にしてほしい。私立幼稚園が人気のある理由は、3年保育だからだと思うが、費用が高すぎる。公立を3年保育にすれば、公立の人気も上がり、定員も足りると思う。転勤等による区民でなく、定住意向の区民にとっては、安定した公立機関の充実をしてほしい。
・区立幼稚園で3年保育を行なっている園が少なく、私立の3年保育はどの園も競争率が高い。私立に入れなかった3歳児は必然的に自宅での保育となる。3歳が一番社会(集団)へ入るのに適していると聞いているので、ぜひ区立の幼稚園での3年保育の拡大を検討してほしい。
・幼児教育が低年齢化している現状に合わせて、公立幼稚園の3年保育の充実を図ってもらいたい。
・最寄りの区立幼稚園での3年保育が一番の希望。叶わないので、私立幼稚園を検討中。区立で2年保育に通わせると決めたものの、友達が2年保育に入園し、遊び友達が減ったり、子どもに体力がついて、母親1人での対応ではもてあますという先輩ママの話を聞いたりして、2年保育にすることへの不安がある。
・現在、区立で3年保育を行っている園が少ないので、ぜひ増やしてほしい。大規模なマンションがどんどん建つのに、幼稚園の数・定員は変わらないので、私立の3年保育に入れない子どもが増えていると聞く。来年入園できるか心配。早急にお願いしたい。
・区立幼稚園について、2年保育から3年保育への移行を早めて、しっかりと進めてほしい。
・区立幼稚園で3年保育を実施している所が2つしかないので、すごい倍率だと聞いている。
 
教員の質の向上
・区立小中学校の教員採用試験の透明化を強く望む。はっきり言って教員の質について不信感がある。
・教員の資質向上のために力を入れてほしい。
・教員の資質を向上させてほしい。教育者であるという自覚を持たせてほしい。子どもの安全をとにかく確保してほしい。
・やはり区立の教員は、私立の教員と比較すると質が良くない。教員の質の向上にはかなり力を入れてほしい。
・小学生の遠足等の際に公共の場で出合うことがあるが、子どもが騒ぐのはまだ理解はできるが、教員方の配慮がなさ過ぎるといつも思う。教員方も常識ある行動を!
・良い教員を育成してほしい。小さな頃に、思いやりのある熱心な教員に出会えること程宝物はないと思う。
・今は幼稚園からいじめがあると聞いている。いつも子ども一人一人の変化に、敏感でいられる教員のいる学校を希望する。
・あまりにも教員が、休み時間等の授業外の児童の行動を見ていないため、トラブルがあっても気付かないことが多い。忙しいのはわかるが、そういう点にも目を向けてほしい。
 
区立幼稚園の増設
・港南の人口が数年前から急激に増加することが予測可能であったにもかかわらず、児童館・幼稚園・小学校の改築・増築がまだ実現していないのが不満。
・区立幼稚園の数や定員を増やしてほしい。公私立含め幼稚園の受け入れ人数が、就園希望人員の増加に全く追いついていない現状を、行政はきちんと直視し、早急に対策を講じてほしい。基本的に就園を望む子どもには、その機会を平等に与えられる体制作りをしてほしい。
・人工増加・減少等の傾向をしっかり見極めて、保育園・小学校の数・規模を充実させてほしい。
・急激な人口増加に対応してほしい。教室・教員不足、幼稚園の数を増やしてほしい。
・芝浦アイランド等、人口の急増に対して受け皿である幼稚園が少ない。幼稚園の増設を強く望む。
・人数が少ないから閉鎖するのではなく、増やす努力をしてほしい。
 
安全性の確保
・子どもの安全を一番に考えている。耐震補強、積極的な警備、通学路の安全性の確保等、行政のみに求めるのではなく、学校・地域・親が連携し、子どもを守っていく方法を考えたいと思う。
・子どもの安全確保を第一優先にしてほしい。
・子どもの安全が第一だと思う。皆が安心して学び、遊べる施設であってほしい。
・最近は色々な事件があるので、防犯を徹底して子どもの安全を守ってほしい。
・港区は土地が狭いので、安心安全に運動ができる場所の確保。安全に通学できるようにしてほしい(交通面・環境面・不審者対応)。
・地域の子どもたちが、地域の中で見守られながら育っていくことを望む。
 
幼稚園・小学校の情報を公開して欲しい
・幼稚園の情報は、区から知らせが来てもよいと思う。
・居住地域がどの小学校区に属するか分らないし、幼稚園等幼児に関する情報提供が少ない気がする。また近所に同年代の子どもが少なく、昔のようにタテのつながりが全くないため、幼稚園、小学校が連携してタテのつながりを作る場、機会を設けても良いのではないかと思う。
・港南地区は近年転入人口の増加が著しく、幼稚園の入園可能人数に対して非常に不安がある。幼児人数の把握と入園キャパシティについての情報が、とにかく不足していると感じるので、行政の対応を期待している。
・区立幼稚園や小学校の情報をもっと公開してほしい。
・小学校はまだ想像がつかないが、近隣にマンションが増え、入学時にどんな状態になるか不安なので、区の考え方や予測される人数やクラス数を早めに情報として出してほしい(私立の検討や引越しを考える時に助かる)。
 
学童保育の充実(遊び場の確保など)
・放課後の学童保育の充実と、夏休み等の学童拡大。
・放課後の学童保育などを利用しやすいようにしてほしい。
・小学校について、できれば放課後、校内で学童保育を取り入れてもらえると助かる。
・区立幼稚園の施設開放や、未就園児用の活動などを利用することが多いが、親の交流・子ども同士の良い遊び場となっており、ぜひ今後も続けてほしい。
・未就園児の遊び場として、親子で楽しくなるような公園がほしい。自由に駆け回れる広々とした芝生、きれいな砂場、夏に蚊が湧かない、浮浪者がいない、近隣の子どもたちが気軽に自然に集うような素敵な公園があったら、親達が今よりもっと定着したいと思うので、そこから幼稚園や小学校への関心がもっと広がっていくように感じる。
 
近隣住民の区立幼稚園への入園枠の確保
・区立幼稚園なのに、抽選で家から近いところには入れない場合があると聞いた。その地区に住んでいる人を優先するなど、近くの幼稚園に行けるようにしてほしい。
・一番近くの区立幼稚園に子どもがすんなり入れないのは、とても不便。地元優先制か、せめて2年保育では確実に入れるなどの配慮をしてほしい。
・区内近隣住民のニーズに合った入園枠の確保。
・区立幼稚園は地域に根ざした幼稚園であるべく、地元で入園を希望する者は全員入園できるようにしてほしい。
 
区立幼稚園の預かり保育の実施
・区立幼稚園で預かり保育を実施する幼稚園が増えれば活用したい。
・区立幼稚園の預かり保育の充実を希望。以前から進めていくと言う話はあるが、あまり代わり映えがないような気がする。通学区の幼稚園で行なわれるのであれば、ぜひ通わせたいと思っている。現状でどのようになっているのか、もっと区民にも知らせてほしい。
・区立幼稚園の預かり保育実施をもっと進めてほしい。
・預かり保育がある区立幼稚園を増やしてほしい(港区民の増加で、私立幼稚園に入りにくくなっているため)。
・区立幼稚園→3年保育と預かり保育実施園の充実。
 
幼稚園・小学校の設備、環境を整えて欲しい
・あまりにも新しいことへの導入が遅すぎることと、子どものための施設や環境がなく残念。
・子どもが元気よくのびのびと、色々なことに取り組める環境整備をしてほしい。勉強も大事だが、もっと人間的に心豊かな大人になるための基礎作りにも取り組んでほしい。
・地震などの問題があるので、施設の補強等を早急に進めてほしい。
・教員方が働きやすく、子どもたちも居心地の良い、緑が多く校庭が広く、建物もオープンで光が差し込み生活しやすい、かつ安全な環境から先ず整えてはどうかと思う。時代も変わっているので、それに合わせ、先ずは形から。
 
区立幼稚園の定員増加
・定員が少ないので、人口が増加している所こそ定員を増やしてほしい。通わせたくても通わせられないのが辛い。
・本来なら一番近くの区立幼稚園に通わせたいが、2年保育だし、確実にそこに通えるとも限らない。できれば全てを3年保育にし、定員を増やしてほしい。
・今、芝浦・港南地区で人口が増えているので、区立幼稚園の人数枠をもう少し増やすか、もしくはもう1つ幼稚園を増やしてほしい。人口が(子どもの数が特に)増えているのに、幼稚園の定員が少なすぎる。抽選で外れた時に、電車等で通うようになった場合、下の子もいるので通うのがつらい。近くの幼稚園に入れたい。
 
幼保一元化施設の設置
・幼保一元化施設を設けることは、多くの親の強い希望。時代が必要としている。
・幼保一元化施設という言葉は知らなかったが、ぜひ進めてほしい。よく保育園は生活指導(預かるのみ)で、幼稚園は教育する所という一般論があるが、なぜ親の就労状況により教育を受けられなくなるのか不満を感じている。働く女性が増える中、この時期に必要な教育を受けられない子どもが増えることは、国全体の将来の人材育成としてかなりのデメリットを感じる。
・保育園のように夕方まで預かってもらえるような、幼保一元化施設を増やしてほしい。これから税金も増え、暮らしにくくなると思うので、私も働きたいと思う。しかし保育園では預かってもらえるけれど、幼稚園より教育という部分が欠けていると思う。しかし幼稚園では預かってもらえる時間が短すぎる。夜7時や8時まで働くと子どもがかわいそうだから、夕方4時ぐらいまでパートで働きたい。このような考え方の主婦はたくさんいると思う。ぜひとも幼保一元化施設を増やしてほしい。
 
区立小学校の学力向上
・学校選択制によって、学校ごとの予算や教員の質にバラつきがあるのはどうかと思う。学力のことを考えると、どうしても私立が都内では上になってしまっているが、安心して皆平等に教育を受けられるよう、まずは区立の学力向上をどうにかしてほしい。区立のよさは色々あると思うので、子どもが入学する頃までにはどうにかならないものかと期待している。
・区立小学校教育の充実(学力向上、国際色豊かにするなど)。
・学習塾に行かなくてもよいくらいの、学力向上のための支援を希望する。希望者のみでよいので。
 
心の教育を実施して欲しい
・心の教育と何より義務教育に必要な基礎学力:読み書き計算を徹底してほしい。
・学力成長のみならず、心の成長に重点を置いてほしい。
・子どもの将来を左右する場。時代にあった開放的で新しい風を取り入れることで、教育の充実や心の豊かさを養ってほしい。ニュース等で子どもが被害にあう事件があまりにも多いので、宝物である子どもたちを学校・保護者で守っていきたいと思う。