子どもが幼稚園や保育所に通っているか尋ねたところ、全体の46.3%は「私立幼稚園」に通っている。保育所(区立、私立)に通っている子どもは27.7%、幼稚園(区立、私立)に通っている子どもは66.5%となっている。
母親の就労状況別にみると、常勤の勤め人の7割強は子どもを「区立保育所」に通わせている。自営業・家族従業、パートタイム・アルバイトは「区立保育所」または「私立幼稚園」に通わせている割合が高く、専業主婦、無職は回答者の6割以上が「私立幼稚園」に通わせている。

図表4-3-① 幼稚園・保育所の入所状況(母親の就労状況別)
②保育所を選んだ理由(複数回答)
子どもが区立、私立の保育所および認可外保育施設(認証保育所等)に通っている保護者にその保育所を選んだ理由を尋ねた。
通っている保育所別にみると、区立保育所、私立保育所ともに「自宅に近いから」と回答した割合が最も高い。区立保育所は私立保育所より「施設が良いから」(22.9ポイント差)、「周囲の環境(自然等)が良いから」(14.9ポイント差)等の割合が高い。

図表4-3-② 保育所を選んだ理由(通っている保育所別)
③幼稚園を選んだ理由(18項目中3つまでの複数回答)
子どもが幼稚園に通っている保護者にその幼稚園を選んだ理由を尋ねた。
通っている幼稚園別にみると、区立幼稚園は「自宅に近いから」が80.6%で最も割合が高く、以下「保育料や経費が安いから」(56.8%)、「幼稚園の教育・保育方針や内容が良いから」(31.6%)と続く。一方、私立幼稚園は「幼稚園の教育・保育方針や内容が良いから」が75.2%で最も割合が高く、以下「3年保育(3歳児保育)があるから」(56.6%)、「自宅に近いから」(38.3%)、「先生の資質が高いから」(36.1%)と続く。

図表4-3-③ 幼稚園を選んだ理由(通っている幼稚園別)
④幼稚園に求めるもの(第1位~3位までの順位付け)
幼稚園に求めるものについて、11項目を第1位、第2位、第3位の順で挙げてもらい、各順位の割合を積み上げ、棒グラフにした。
幼稚園に求めるものとして「集団生活のルールやきまりなど社会性の育成」は、第1位に挙げられている割合が最も高く、第2位、第3位を積み上げた合計でも最も高い。

図表4-3-④-1 幼稚園に求めるもの
項目ごとに第1位に挙げられた回答数に3点、第2位に挙げられた回答数に2点、第3位に挙げられた回答数に1点のウエイト付けをした。その合計点に占める各項目の点数の割合をグラフにした。
割合が最も高い項目は、「集団生活のルールやきまりなど社会性の育成」(22.2%)で、以下「遊びを通じた豊かな体験」(20.5%)、「仲間・友達づくり」(17.2%)、「思いやりを育てる情操教育」(14.4%)と続く。

図表4-3-④-2 幼稚園に求めるもの
⑤行事・PTA活動への参加意向
幼稚園の行事やPTA活動にどの程度参加しているか尋ねた。
通っている幼稚園別にみると、区立幼稚園、私立幼稚園ともに「積極的に参加している」、「ある程度参加している」割合が大半を占めている。

図表4-3-⑤ 行事・PTA活動への参加意向(通っている幼稚園別)
⑥幼稚園や保育所での生活ぶりの把握
子どもの幼稚園や保育所での生活ぶりの把握状況について尋ねたところ、全体では「だいたい把握している」(62.7%)、「かなり把握している」(23.7%)を合わせた『把握している』割合が86.4%となっている。

図表4-3-⑥ 幼稚園や保育所での生活ぶりの把握(通っている幼稚園や保育所別)
⑦港区で行っている私立幼稚園の支援
港区で行っている幼児教育の取組みのうち、私立幼稚園の支援についてどう思うか尋ねた。
「現状維持で良いと思う」が44.2%で最も割合が高く、次いで「もっと支援を充実させたほうが良いと思う」(37.7%)となっている。

図表4-3-⑦ 港区で行っている私立幼稚園の支援
⑧私立幼稚園に対する金銭面以外の支援について(自由回答形式)
港区で行っている私立幼稚園に対する支援で金銭面以外にどのような支援があると良いか自由回答形式で尋ねた。「幼稚園の預かり保育(幼稚園教育時間外の一時保育・延長保育)」と回答した人が多く、以下「職員の質の向上、人材確保」、「安全性の確保」、「幼稚園、小学校との交流」、「園庭、プール等遊び場所の提供」と続く。

図表4-3-⑧ 金銭面以外の支援について(複数回答)
私立幼稚園に対する金銭面以外の支援について書かれた主な意見を抜粋した。
幼稚園の預かり保育(幼稚園教育時間外の一時保育・延長保育)
・預かり保育・夏休み保育の充実。働くお母さんでも幼稚園へ通わせやすいようにしてほしい。
・預かり保育の拡充(時間延長及び休暇中の預かり保育の実施)。仕事をしていても幼稚園に通わせたい人は多いと思う。
・幼稚園の保育終了後(13:30~)に預かり保育をしてくれる施設があり、その施設の中でお稽古や体操教室などをしてくれたら、母親も就労可能となる。
・預かり保育の教員の増員ができれば、より良いと思う。
・働いている母親は、幼稚園の終わる時間が早いため、なかなか通わせることができない。幼稚圃の延長保育をもっと増やしてほしい。
・保育時間の延長。保育園のような19時、20時まで。
・預けられる時間の延長がない限り、子どもを預けることはできない。港南地区ではほとんどの家庭がローンを抱えているため、共働きが前提だと思う。
・延長保育の充実。保育園並みに、遅くまで預かってもらえると助かる。
職員の質の向上、人材確保
・職員の育成。
・教員の人材確保に対する支援(昨年教員が何人も辞めてしまい、教員の確保が間に合わず、子どもたちが不安感を抱いていた時期があったので)。
・人材育成(教員やスタッフなど)。
・人員増加して、子どもの安全を確保してほしい。
安全性の確保
・幼児が安全に遊べる施設の充実。
・建物の安全性の強化。
・パトロール等の防犯や安全対策。
・施設・設備が老朽化した時や、安全面の管理を区で統一させる。
幼稚園・小学校との交流
・港区の幼稚園(区立・私立とも)の交流のできる機会があると良い。
・併設の小学校がない場合でも、近くの小学校(公立)との交流等。
・公立との交流会(合同運動会やクリスマス会等)。
・公・私・インターなど全ての枠を外して、小学生同士がお互いに交流をもてるような機会を設けてほしい。
園庭、プール等遊び場の提供
・特に地価が高いので、園庭がないプレスクールが多い。区の施設を公開してほしい。
・例えば遊具一つ、園庭整備、地震のための建物補強と、どれをとっても必要であり費用がかかる。そういった案件のある度に、保護者や卒園生に求められる金額は決して少ないものではない。最低限命を守るための設備投資には、公的補助が少しはあっても良いと思う。
・遊具設備の充実。広い園庭を与えるとか、幼稚園ごとに区民プールの開放(教員が引率して連れて行く)など。
・運動できるグラウンド等を借りたい(園庭が狭いため)。
地域社会との交流の実施
・地域との交流。老人ホームなどの奉仕活動の支援。
・地域の人(老人施設など)との交流。
・地域社会とのコミュニケーション。
・地域住民の方との理解を深められるような、区からの支援がほしい。
保育所・幼稚園の数を増やす
・年々幼稚園の倍率が上がっているので、希望する皆が入れれば良いと思う。幼稚園を増やす。
・幼稚園の数を増やす。
・港区は幼稚園の数が少ないと思うので、これからはもっと増やしてほしい。
・確実に入園できるよう、私立幼稚園の数を増やしてほしい。
⑨幼稚園や保育所の満足度
幼稚園や保育所の満足度を尋ねたところ、「まあまあ満足している」(47.1%)と「かなり満足している」(37.8%)を合わせた『満足している』割合が84.9%で全体の8割以上となっている。
『満足している』割合は、保育所では私立より区立のほうが7.4ポイント高く、幼稚園では区立より私立のほうが12.6ポイント高い。
「やや不満である」、「とても不満である」と回答した人に理由を尋ねたところ、区立幼稚園、私立幼稚園とも「教員の人手不足」を挙げている人が多く、その影響で区立幼稚園では「親への負担が大きい」という意見もあった。

図表4-3-⑨ 幼稚園や保育所の満足度(通っている幼稚園や保育所別)
⑩3年保育の利用意向
幼稚園の3年保育(3歳児保育)の利用意向について尋ねたところ、全体の4割以上は「利用した」と回答している。
通っている幼稚園や保育所別にみると、私立幼稚園に子どもを通わせている保護者は「利用した」割合が85.6%と高く、区立幼稚園に子どもを通わせている保護者は「利用したかったが、できなかった」割合が半数以上となっている。
母親の就労状況別にみると、専業主婦、無職では「利用した」割合が6割以上となっている。

図表4-3-⑩ 3年保育の利用意向(通っている幼稚園や保育所別、母親の就労状況別)
⑪幼稚園の預かり保育について
預かり保育(幼稚園教育時間外の一時保育・延長保育)の利用意向について尋ねた。
通っている幼稚園や保育所別にみると、私立幼稚園では「利用している」割合が47.9%と高いが、区立幼稚園では14.2%と低く、「利用したい」割合が60.6%と高い。
母親の就労状況別にみると、自営業・家族従業、専業主婦では「利用したい」割合が4割前後と高い。

図表4-3-⑪ 幼稚園の預かり保育について(通っている幼稚園や保育所別、母親の就労状況別)
⑫幼保一元化施設について
幼保一元化施設の認知状況について尋ねたところ、「聞いたことがある」が51.4%、「よく知っている」が24.3%、「知らない」が22.9%となっている。
※幼保一元化施設…『幼児教育機能』と『保育園機能』とを併せ持った新たな乳幼児施設

図表4-3-⑫ 幼保一元化施設について
⑬幼保一元化施設の整備について
幼保一元化施設の整備について、「もっと進めてほしい」が47.3%、「わからない」が42.4%、「あまり進めてほしくない」が8.5%となっている。

図表4-3-⑬ 幼保一元化施設の整備について