第4節 小学校のことについて

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①通わせたい小学校の種類
 通わせたいと考えている小学校の種類を尋ねたところ、全体では「通学区域内の区立小学校」が58.0%で最も割合が高く、次いで「私立小学校」(19.6%)と続く。
 通っている幼稚園や保育所別にみると、子どもが保育所(区立、私立)、区立幼稚園に通っている保護者では「通学区域内の区立小学校」に通わせたい割合が7割以上と高い。一方、子どもが私立幼稚園に通っている保護者は「通学区域内の区立小学校」に通わせたい割合(44.2%)が全体より低く、「私立小学校」に通わせたい割合が33.0%と高い。

図表4-4-①-1 通わせたい小学校の種類(通っている幼稚園や保育所別)

 小学校通学区域別にみると、ほとんどの区域では「通学区域内の区立小学校」に通わせたい割合が高くなっているが、神応小学校区では「通学区域外の区立小学校」の割合が高い。

図表4-4-①-2 通わせたい小学校の種類(小学校通学区域別)

②通わせたい小学校を選んだ理由(12項目中3つまでの複数回答)
 その学校に通わせたい理由について尋ねた。
 通わせたい小学校別にみると、通学区域内の区立小学校では「自宅に近いから」が92.6%で最も割合が高く、次いで「教育費用(学費等)の負担が軽くてすむから」(36.0%)と続く。通学区域外の区立小学校は「身内(自分も含む)、知り合いが通っている(通っていた)から」(44.3%)、私立小学校、国立小学校は「教育方針や教育内容が良いから」(88.0%、78.0%)を理由として挙げている割合が最も高い。

図表4-4-② 小学校を選んだ理由(通わせたい小学校別)

③区立小学校に期待すること(第1位~3位までの順位付け)
 区立小学校に期待することについて、15項目を第1位、第2位、第3位の順で挙げてもらい、各順位の割合を積み上げ、棒グラフにした。
 区立小学校に期待することについて、第1位に挙げられた割合が最も高い項目は「教育内容や教育方針の良さ」だが、第1位から第3位までの積み上げでは「先生の資質の向上」の割合が最も高い。

図表4-4-③-1 区立小学校に期待すること

 項目ごとに第1位に挙げられた回答数に3点、第2位に挙げられた回答数に2点、第3位に挙げられた回答数に1点のウエイト付けをした。その合計点に占める各項目の点数の割合をグラフにした。
 割合が最も高い項目は「先生の資質の向上」(20.5%)で、次いで「教育内容や教育方針の良さ」(19.9%)と続く。

図表4-4-③-2 区立小学校に期待すること

④区立小学校において今後充実を希望するもの(32項目中5つまでの複数回答)
 区立小学校において今後充実を希望するものは「質の高い教員の育成・確保」が62.1%で最も割合が高く、以下「習熟度別授業、少人数指導」(46.9%)、「通学路の安全確保」(36.6%)、「英語教育の推進・国際コミュニケーション能力の育成」(33.6%)と続く。

図表4-4-④ 区立小学校において今後充実を希望するもの
(通っている幼稚園や保育所別、通わせたい小学校別)

⑤区立小学校の学校選択希望制について
 区立小学校の学校選択希望制について尋ねたところ、全体では「大まかな内容を知っている」が55.1%で最も割合が高く、「詳しい内容を知っている」(18.5%)を合わせた『内容を知っている』割合は7割以上となっている。
 通わせたい小学校別にみると、通学区域外の区立小学校へ進学を希望している保護者は「詳しい内容を知っている」割合が35.4%で、他の小学校を希望している保護者より内容について知っている割合が高い。

図表4-4-⑤ 区立小学校の選択希望制について(通わせたい小学校別)

⑥学校選択希望制についての考え方
 学校選択希望制についての考え方を尋ねたところ、全体の半数以上が「続けてほしい」と回答し、「どちらかといえば続けてほしい」(23.1%)を合わせた『続けてほしい』割合は8割弱となっている。
 通わせたい小学校の種類に限らず、学校選択希望制の継続意向の割合が高い。中でも通学区域外の区立小学校へ進学を希望している保護者では「続けてほしい」割合が86.1%と高い。

図表4-4-⑥ 学校選択希望制についての考え方(通わせたい小学校別)

⑦区立幼稚園・小学校に対する要望・意見について
 区立幼稚園・小学校に対する要望・意見について、自由回答形式で尋ねた。
 「区立幼稚園の3年保育の実施」が46件で最も多く、以下「教員の質の向上」(31件)、「安全性の確保」(24件)、「学童保育の充実(放課GOを全校で、遊び場の確保など)」(21件)と続く。

図表4-4-⑦ 区立幼稚園・小学校に対する要望・意見について(複数回答)

区立幼稚園・小学校に対する要望・意見に書かれた主な意見を抜粋した。
区立幼稚園の3年保育の実施
・私立幼稚園の3年保育以外に、区立幼稚園に3年保育が増えれば定員も増加し、より幼稚園に入りやすくなると思う。
・区立幼稚園の3年保育が2園(港区内で)というのは、少なすぎではないか。競争率が高くなり、保育園に行かせる収入もない者にとっては厳しい。もう少しだけでも増やしてほしい。
・幼稚園を早く新園舎にして、3年保育にしてほしい。港南のような再開発地域では、教育機関をもっと迅速に地域に合わせるべき。人数も増えているし、親が求める教育内容も変わっているので。
・区立幼稚園に行かなかった理由は、3年保育がないこと、延長保育がなかったことだけ。
・区立幼稚園も3年保育にした方が、現代のニーズに合っているのではないか。
・区立幼稚園を3年保育にしてほしい。働く親が増える中、保育園しか受け皿がなく待機児童が増している。3年保育を加えて、幼稚園も選択肢の一つに加えられたら、大分変わると思う。
 
教員の質の向上
・最近ニュ ̄スでよく見かける変な教員を、排除できるようにしてほしい。
・現在、教員になるための試験の合否について不公平な扱いをしている行政もあるので、きちんと公平な判定でもって、教員を選抜してほしい。
・教員の質の向上により、私立・国立小との学習量・質の格差を縮める努力をお願いしたい。
・昨年小2だった娘のクラスは、完全に学級崩壊だった。クラスの3分の1程度しか座っておらず、授業レベルも教員の質もひどいものだった。外部の目を入れて、環境を変える努力をしてほしい。
・子どもの数が増加したため、目が行き届かない場合がある。親の質が低下していることもあり、くだらない作業も多いと思うが、教員の質が低いことも正直あるので、底上げをお願いしたい。
 
安全性の確保
・安全性を高めてほしい。
・とても不安な世情で、考えられない事件ばかりの中、生活のため子どもを預けて仕事をしている。日々迎えに行き、一日の出来事を楽しそうに話してくれる子どもから安心を得ている。子どもたちの安全の確保を一番に考えてほしい。
・子どもたちの安全を第一に、のびのび学べる環境作りをお願いしたい。
・小学校の通学路は子どもたちが自分で通うため、安全面に不安がある。死角となる所や人通りの少ない道など、防犯カメラを付ける事ができたら助かる。
・通学路の歩道が狭く、車道にはバスがものすごい勢いで走っていくので、安全の確保をお願いしたい。
・校舎の建替えについて、はっきりと今後の予定を知りたい。仮校舎への通学の安全面を考えると、入学させるのが不安である。
 
学童保育の充実(放課GO→を全校で、遊び場の確保など)
・港南は生徒数が増え、また共働きが多いことから、放課後の学童の受入れ・放課GO→を充実してほしい。
・放課後児童育成事業をもっと拡大して、子どもの遊べる場所(安心して)を確保してほしい。
・放課後事業は、全小学校で実施してほしい。
・小学校になると学童が18:30までなので、仕事が続けられるか不安だ。これからは働く親が増えるので、学童だけでなく学校でも放課後事業を考えてもらいたい。夜、子どもが家に1人でいると、ゲームばかりやっていそうで怖い。
・今後、学童保育、放課後児童育成事業の充実を希望する。
・保育園では延長時間を利用し、仕事が遅くなっても子どもが安心して過ごせる場所があるが、小学校に入った途端に18:00以降の居場所がなくなってしまう。学童・放課後児童育成事業の充実・拡大を切に希望する。
 
学校選択希望性の幅を拡げて欲しい
・学校選択に関し、隣接学区の縛りをなくしてほしい。区内は自由に選択できると良い。
・区立小学校学校選択希望制を、区内全ての学校に枠を拡げてほしい。同区内であれば、家庭の教育方針により近い学校を選べるようになってほしい(現状では選択肢に幅がなさすぎる)。
・学校選択希望制を、隣接する通学区域以外も自由に選べるようにしてほしい。
 
学校情報を公開して欲しい
・学校見学会など、選定のための情報公開制度を充実してほしい。
・公開授業・情報公開などを推進してほしい。
・情報公開して、風通しのよい学校であってほしい。
・公立小学校の情報公開を強化してほしい。
・一般公開(何らかのイベントで中に入れる日)をつくり、その日程を広く知らせてほしい。
 
区立幼稚園の預かり保育の実施
・区立幼稚園でも預かり保育を取り入れてほしい。下の子がいるので、参観や行事に下の子を連れて行けない場合、見てもらえる人を探すのが大変なので、下の子を連れて行ってもいいようにしてほしい。
・預かり保育をやってほしい(小学校の保護者会出席の時、子ども園の一時保育を利用するが、周りは知らない友達ばかりなので子どもはとてもストレスを感じるようだ。通いなれた場所、友達と過ごす環境があればいいのにといつも感じる)。
・放課後の預かり保育に大変満足しているので、今後も続けていってほしい。
・区立幼稚園の預かり保育を充実させてほしい。
 
幼稚園・小学校の設備、環境を整えて欲しい
・私立幼稚園に援助をするなら、区立幼稚園や保育園の設備を充実させてほしい。年長児に、お泊り体験をさせてほしい(希望者だけでも良い)。
・園の設備充実(安全面・遊具・衛生面)を至急検討してほしい。
・子どもたちにとって、より良い環境を提供してほしい。
 
区立小学校を2人担任制にして欲しい
・1クラス2担任制を導入してほしい。
・全区立小学校を2人担任制にしてほしい。
・今の2人担任制をずっと続けてほしい。
 
食の安全性を明確にして欲しい
・食の安全が問題になっているが、給食に多少の不安がある。安全性を明確にしてほしい。
・区立小学校・中学校では、給食が民間企業に委託されているが、安全性は大丈夫か、不安。コストが多少高くなっても、安全面に妥協しないでほしい。
・学校給食は少々高くても良いので、冷凍食品は使わず安全第一をお願いしたい。
 
制服を導入して欲しい
・衣服のブランド化が激しいため、制服採用(基準服でも)を検討してほしい。
・制服があると経済的にも助かり、子どもも余計な服への執着をしなくて良いと、他の保護者とも話している。
・区立小で制服がある学校があるが、すべての区立小学校に制服を導入してほしい。
 
学校選択希望制の廃止
・学校選択希望制は、子どもたちを地域から遠ざけてしまうと感じる。せめて小学校(公立)までは、地城で皆が見守る中、安全にすくすくと育ってほしい。
・小学校で学校選択希望制を導入することで、地域の友だちができなくなる。結局、登下校も親、帰ってからも親、と接する人が偏る。また塾に通うようになると、ますます人との関わりが薄くなり、コミュニケーション能力が低下する。けんかをしたことがないので、人との関係の修復の仕方が分らないまま大人になることになる。
・区立小学校について、学校選択希望制により人気のある小学校、不人気な小学校の差がすごくなり、その差が今後ますます開いていくと思う。あまりに少人数の小学校は、近くても入れたくないと思ってしまう(内容が良くても)。そうなると不人気な小学校は人数が減少するばかりだと思う。
 
いじめ問題に対する取り組みの実施
・小学校でのいじめ問題への対応を充実させてほしい。保護者としても協力を惜しまない。
・港区の区立小学校が均一の学力・いじめがない・健全な小学校、私立小学校に負けない区立小学校ができるように切望する。学費も少ない区立小学校に通いたい。
・なるべくいじめのない、逆にいえば教員の目が全ての生徒に届く教育体制。しつけは家でやるのは基本だが、人間集団になると必ず誰かをスケープゴートにしたくなる様子。この場合、やはり自主性はおいておき、大人が介入すべき場合がある。
 
地域社会との交流の実施
・地域社会活性化のためには、地元の学校に通い、保護者・学校が一体となって、子どもたちのために色々な活動をした方が良いと思う。
・放課後などに近隣の老人ホームや、周囲のお年寄りの方々との交流を持てる場を作る(特に小学校)。簡単な手づくりのおやつや惣菜を作って食べる、一緒に遊ぶなど(何らかの理由で心の寂しさをもつ子が増えているように思うので、何か心の栄養になるものがあれば、いじめの削減に少しは繋げられないかと思う)。
・地元コミュニティーと学校とのコミュニケーション不足から、さまざまな問題が起きていると思う。相互の交流により、町ぐるみで学校をつくる意識が必要ではないか。