第3節 小学校について

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①現在通っている小学校
 現在通っている小学校の種類は、「通学区域内の区立小学校」が67.7%で最も割合が高く、次いで「通学区域外の区立小学校」(17.5%)と続く。

図表5-3-① 現在通っている小学校(小学校通学区域別)

②現在通っている小学校を選んだ理由(12項目中3つまでの複数回答)
 現在通っている小学校を選んだ理由をみると、区立小学校(通学区域内、通学区域外)は「自宅に近いから」の回答が最も多く、特に通学区域内の区立小学校では90.6%と割合が高い。私立小学校を選んだ理由は「教育方針や教育内容が良いから」(85.0%)が最も多い。

図表5-3-② 現在通っている小学校を選んだ理由(通っている小学校別)

③子どもの小学校での生活ぶりの把握
 子どもの小学校での生活ぶりの把握について、全体の70.5%は「だいたい把握している」と回答し、「かなり把握している」(20.8%)を合わせた『把握している』割合は9割強となっている。
 通っている小学校別にみると、区立小学校(通学区域内、通学区域外)より私立小学校に通っている子どもの保護者で生活ぶりを把握している割合が高い。

図表5-3-③ 子どもの小学校での生活ぶりの把握(通っている小学校別)

④小学校の運営や行事への関わり
 小学校の運営や行事への関わりについて尋ねたところ、全体では「ある程度参加している」が54.7%で最も割合が高く、「積極的に参加している」を合わせた『参加している』割合は8割以上となっている。
 通っている小学校別にみると、区立小学校(通学区域内、通学区域外)より私立小学校に通っている子どもの保護者で小学校の運営や行事に関わっている割合が高い。

図表5-3-④ 小学校の運営や行事への関わり(通っている小学校別)

⑤現在の小学校の教育内容や施設等の満足度
 現在の小学校の教育内容や施設等の満足度を尋ねたところ、全体では「まあまあ満足している」(64.5%)と「かなり満足している」(15.3%)を合わせた『満足している』割合が79.8%で全体の8割近くを占めている。
 通っている小学校別にみると、『満足している』割合は、区立小学校(通学区域内、通学区域外)より私立小学校で割合が高い。
 「やや不満である」、「とても不満である」と回答した人に理由を尋ねたところ、「施設や設備に対する不満」、「学習指導・内容に対する不満」が多く挙げられていた。

図表5-3-⑤ 現在の小学校の教育内容や施設等の満足度(通っている小学校別)

⑥区立小学校に期待すること(第1位~3位までの順位付け)
 今後、区立小学校に期待することについて、15項目を第1位、第2位、第3位の順で挙げてもらい、各順位の割合を積み上げ、棒グラフにした。
 「先生の資質の向上」は区立小学校に期待することの第1位に最も多く挙げられ、第1位から第3位の積み上げでも最も割合が高い。

図表5-3-⑥-1 今後、区立小学校に期待すること

 項目ごとに第1位に挙げられた回答数に3点、第2位に挙げられた回答数に2点、第3位に挙げられた回答数に1点のウエイト付けをした。その合計点に占める各項目の点数の割合をグラフにした。
 割合が最も高い項目は、「先生の資質の向上」(19.6%)で、以下「教育内容や教育方針の良さ」(17.1%)、「学力の向上」(13.9%)、「心の教育の充実」(11.9%)と続く。

図表5-3-⑥-2 今後、区立小学校に期待すること

⑦区立小学校の学校選択希望制について
 区立小学校の学校選択希望制について尋ねたところ、全体では49.2%が「続けてほしい」と回答し、「どちらかといえば続けてほしい」(20.2%)を合わせた『続けてほしい』割合は7割弱となっている。
 通っている小学校別にみると、子どもが通学区域外の区立小学校へ通っている保護者で「続けてほしい」割合が76.2%と高い。

図表5-3-⑦ 区立小学校の学校選択希望制について(通っている小学校別)

⑧区立小学校の学校選択希望制についての要望や意見(自由回答形式)
 区立小学校の学校選択希望制について、自由回答形式で要望や意見を尋ねたところ、学校選択希望制に賛成する人では「区内全域など選択幅を拡げて欲しい」と回答した人が多く、反対する人では「通学路などの安全確保が難しい」、「児童数の偏りが出てしまう」という意見が多かった。

図表5-3-⑧ 区立小学校の学校選択希望制についての要望や意見(複数回答)回答者数N=101

賛成の要望・意見に書かれた主な意見を抜粋した。
区内全域など選択幅を拡げて欲しい
・隣接のみならず、区内全域で選択できるようにしてほしい。
・港区内と決めず、23区内で選択できるようにすべき。
・ライフスタイルや学校に期待することは保護者によって異なるので、選択肢は多い方が子どもにとって良い教育環境を実現できる。
・もっと自由に、学区全ての学校選択ができるように。
 
学校ごとの特色を出して欲しい
・どうしても人気のある学校と、そうでない学校が出てくると思うが、それぞれの学校が特色ある教育を目指してほしい。
・家庭や子どもの状況によって学校を選択できることは、良い制度だと思う。一方で学校の特色を、もっと色濃くしても良いのではないかと思う。
 
学校説明会、情報公開をして欲しい
・どの小学校が適しているかの見極めは、表面的には難しいので、その学校の授業風景をいつでも見られるようにしてほしい。
・各校のテストの平均点・長短所を情報公開して、選びやすくしてほしい。
 
反対の要望・意見に書かれた主な意見を抜粋した。
通学路などの安全確保が難しい
・通学区域が広がることにより、登下校時の安全確保が問題になると思う。
・小学校は通学路や通学途中の安全面など、児童にとって対応できない部分も多い。やはり近隣の学校に通う方が、保護者も安心である。
・通学路の安全確保を重視すべき。親は自分で遠い学校を選んでおいて、何か起こればすべて学校側に責任を問う。
・あまりに遠いところに通うのは安全上良くない。区立の小学校は、どこの学校でも同じで良いと思う。
 
児童数の偏りが出てしまう
・良い点もあるが、児童数の減少した小学校が敬遠され、ますます減少→廃校という現象が生まれてしまう。
・人気のない学校の児童数減少が心配。人気のない学校には、何か手助けが必要かもしれない。
・地域の子どもを地域で育てることが困難になりつつあり、小学校時に地域から離れた区立学校に行く必要性はないのでは。人気がある学校とそうでない学校があるが、そもそも公立学校同士がそんなに差があることが不自然。
・人気校、不人気校が加速して統廃合が進んでいくことが心配。
 
地域との関わりが必要
・時代の流れとして当然というような風潮だが、そもそも地域社会と学校との関わりを希薄にさせてしまう。
・町会活動もまとまりを失い、地域崩壊の要素のひとつだと思う。お互いにどんどん無関心になっていくようだ。
・小学生は、放課後に近所の友達と遊ぶことが、学校の授業同様大切である。学校選択制は、子どもと地域社会を切り離してしまう。
・小学校くらいは地元に行った方が良い。それが地域とのつながりになってくるから。