議案第九号 東京都港区立桜田及び鞆絵幼稚園の廃止について
委員長が、第八号及び第九号議案を一括上程したい旨諮り、委員全員がこれを承認した。
副主幹が、両議案の提案理由について次のとおり説明した。
平成元年十二月、港区立学校適正規模等審議会の答申を受けて以来教育委員会において協議を重ね、翌二年三月には「基本的方向づけ」が決定された。その後、教育委員会における統廃合についての協議と並行して、事務局では保護者等に対して説明会等の開催を重ね、理解と協力を得るよう最善を尽くしてきた。本日、教育委員会においてこれまでの協議の集約が行われたことについて、教育委員会として正式に決定をするということで、提案するものである。
なお、本案議決後は、港区立学校設置条例の改正を、第三回定例区議会に提案することとなる。
各委員から、それぞれ次のとおり意見が出された。
桜田、桜及び鞆絵小学校はそれぞ長い歴史を有しており、三校の廃止に当って保護者・卒業生始め関係者の心中は察するに余りある。
しかしながら、複式学級を避け、一定以上の集団規模を確保し教育効果を高めていくためには、三校及び併設の二幼稚園の廃止はやむを得ないと考える。
統合に向けての今後の準備等に当っては、できるだけ関係者の希望に沿うよう配慮してほしい。
教育委員会の今後の課題の中には、芝、麻布、赤坂地域の著しく小規模化が進行している小学校及び中学校への対応があるが、今回の場合と同様、中・長期的展望の下に方針を立てていく必要がある。
また、人口減少が続く中、それに対する対応はもとより、幼児教育の充実、国際化・情報化あるいは生涯学習社会への対応等の分野において積極的な施策の展開を図っていくべきである。
新たに設置される御成門小学校においては、三校の歴史と伝統のよいところを伸ばしながら、校風づくり、学習内容の充実、教員の資質の向上等に努力していくことが必要である。
委員長から、次のとおり発言があった。
三校が長い歴史の中でそれぞれ地域において果してきた役割を思う時、各校の廃止は感無量である。
答申において「港区としての小規模校」の基準が示されたが、これは小規模の学校もできるだけ存置していきたいとの考えに基づく最低限の基準であった。その基準を著しく下回る学校にあっては、子ども同士のふれあいの場も極めて限られ、学校そのもののエネルギーの衰退もまた避け難い。このような状況をそのままにしておくことはできない。当該校関係者にしてみれば、いろいろの考えがあると思う。教育委員会として、保護者から提出された要望書等に対しても、十分に審議した。
子どもたちの将来を考え、できるだけ早く、よりよい教育環境の中で教育を受けられるようにすることが必要であるとする各委員の考え方には全く同感である。
採決の結果、委員全員の賛成を以て、第八号議案及び第九号議案を順次原案どおり可決した。
(原案)
東京都港区立桜田、桜及び鞆絵小学校の廃止並びに御成門小学校の設置について
東京都港区立桜田、桜及び靭絵小学校を左記のとおり廃止する。
記
一、名称 東京都港区立桜田小学校
一、位置 東京都港区新橋三丁目十六番三号
一、廃止期日 平成三年三月三十一日
一、名称 東京都港区立桜小学校
一、位置 東京都港区西新橋二丁目十番十九号
一、廃止期日 平成三年三月三十一日
一、名称 東京都港区立鞆絵小学校
一、位置 東京都港区虎ノ門三丁目六番九号
一、廃止期日 平成三年三月三十一日
平成二年九月十七日
東京都港区教育委員会
東京都港区立御成門小学校を左記のとおり設置する。
記
一、名称 東京都港区立御成門小学校
一、位置 東京都港区西新橋二丁目十番十九号
一、開設期日 平成三年四月一日
平成二年九月十七日
東京都港区教育委員会
(原案)
東京都港区立桜田及び鞆絵幼稚園の廃止について
東京都港区立桜田及び鞆絵幼稚園を左記のとおり廃止する。
記
一、名称 東京都港区立桜田幼稚園
一、位置 東京都港区新橋三丁目十六番三号
一、廃止期日 平成三年三月三十一日
一、名称 東京都港区立鞆絵幼稚園
一、位置 東京都港区虎ノ門三丁目六番九号
一、廃止期日 平成三年三月三十一日
平成二年九月十七日
東京都港区教育委員会
(『港区教育委員会会議録』平二)
二港教学第八八六号
平成三年二月十二日
東京都教育委員会殿
東京都港区教育委員会
公立小学校の廃止について(届出)
このことについて、下記のとおり港区立桜田小学校、港区立桜小学校及び港区立鞆絵小学校を廃止しますので、学校教育法施行令第二十五条一号の規定により、関係書類を添えてお届けいたします。
記
一、事由
港区は、都心区としての特性から業務立地化が進行し、定住人口とりわけ年少人口の減少が著しく、またその地域的偏在が見られるなど、学校教育上様々な問題が生じてきた。
そこで、昭和六十二年十月に「東京都港区立学校適正規模等審議会」を設置し、「区立学校の適正規模・適正配置及び通学区域について」の基本的考え方並びに具体的方策を諮問した。
平成元年十二月に同審議会から答申が出され、当教育委員会では従来からの協議に加えて答申内容について検討を重ね、平成二年三月二十七日開催の第六回教育委員会臨時会で港区立桜田小学校及び隣接する港区立桜小学校、港区立鞆絵小学校の三小学校を統合して新たに小学校を設置すること等を内容とした「区立学校適正規模等の答申について」基本的方向づけを行なった。
このことに基づき、その後、基本的方向づけの内容について三校の保護者・地域住民に対して数次にわたる説明会等を開催し、理解が得られたので平成二年九月十七日の第十三回教育委員会臨時会で港区立桜田小学校、港区立桜小学校及び鞆絵小学校を平成三年三月三十一日をもって廃止し、同年四月一日に港区立桜小学校を活用して新たに港区立御成門小学校を設置することを決定した。
平成二年十月四日の平成二年第三回定例港区議会において、港区立桜田小学校、港区立桜小学校及び港区立鞆絵小学校の廃止と港区立御成門小学校の設置を内容とする「東京都港区立学校設置条例」の一部改正を議決した。
さらに、平成二年十月三十一日開催の第十七回教育委員会臨時会において三小学校の統廃合に伴う「東京都港区立学校の通学区域に関する規則」の改正を議決した。
二、名称 (1) 東京都港区立桜田小学校
(2) 東京都港区立桜小学校
(3) 東京都港区立鞆絵小学校
三、所在地 (1) 東京都港区新橋三丁目十六番三号
(2) 東京都港区西新橋二丁目十番十九号
(3) 東京都港区虎の門三丁目六番九号
四、廃止の時期 平成三年三月三十一日
五、児童の処置
現在、港区立桜田小学校、港区立桜小学校及び鞆絵小学校に在籍の全児童は、現在の桜小学校の校舎を活用して新たに設置する港区立御成門小学校(東京都港区西新橋二丁目十番十九号)に平成三年四月一日をもって就学する。
六、平成三年度港区立御成門小学校の児童数予測〔略〕
七、添付書類〔略〕
(港区教育委員会資料 平三)