1 機械設備計画

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1-1 給排水衛生設備
(1)給水設備
① 給水方式は、夏季の長期の休みを考慮して、残留塩素問題への対応や日射の遮蔽が充分であり、かつ保守点検が容易な方式とする必要があります。また、高置水槽の日影が既存施設の日影よりも増すことを避けることも望まれます。これらの点から、パネル型受水槽を受水槽室に設置し、ポンプ直送給水方式とします。
② 特別教室の必要個所に給水栓設備を設けるほか、各学年の学級室に対応して手洗い設備を、学年に対応して冷水設備を、多目的ホールに手洗い設備を、プールサイドには足洗い設備・シャワー設備と洗眼流し設備を、体育館・屋内プール・多目的小講堂のホールには冷水設備をそれぞれ設けます。
 
(2)給湯設備・温水設備
① 給湯・温水供給を必要とする諸室・個所が分散し使用時間帯が多様なことを考慮して、個別局所方式とします。
② 給湯・温水供給場所としては、給食室、調理室、技術室、保健室、職員室内給湯室、主事室、PTA室、シャワー室、プール水槽などが考えられ、これらについて具体的な給湯・温水供給個所を検討します。
 給湯量、給湯温度、安全性を考慮しますと、給湯システムは次のように考えられます。
 ・ 電気温水器:保健室、シャワー室
 ・ ガス瞬間湯沸器:調理室、技術室、給湯室、主事室、PTA室(調理室、技術室については、教職員による熱源管理が前提。)
 ・ ガスを熱源とする貯湯式ボイラー:給食室、プール水槽
③ 自然エネルギー利用に関する教育上の観点から、調理室、技術室、給湯室の給湯設備に対して、太陽熱を熱源として利用する方法を併用することを検討します。
④ ガスを熱源とする設備については、ガス漏れ防止、地震への対応、いたずら防止などを考慮します。
 
(3)排水設備
① 汚水と雑排水を建物内では分流方式とし、外部で合流させて公共下水道に放流します。
② 調理室、理科室、技術室、給食室の排水処理については、油水分離装置や水質検出桝を設けて公共下水道に汚染水が流れないように対策を講じ、これらの排水管を単独配管とします。
③ 建築物以外の部分への雨水の処理に関しては、校地よりも低い周辺への表流水が校地外に出ないように、地面や舗装面のレベルや勾配に応じて排水設備を計画します。
 
(4)衛生設備
① 建築計画とともに、明るく衛生的なトイレを目指して計画します。
② トイレの使用が休憩時間に集中するため、無駄がなく効率的な節水が可能な衛生器具を選択し、洋風便器と和風便器の併用を検討します。
 
(5)雨水の中水利用設備
・ 省資源・節水に向け、雨水をトイレの排水設備の清掃や屋外・植栽の散水に利用する中水設備を検討します。中水設備は、校舎の床下ピットを貯水槽とし、ポンプにより給水個所に配水する方式とします。
 
(6)消火設備
・ 消防法及び関連する法令に基づき、屋内消火栓及び消火器を設置するほか、地下部分については法令に定める消火設備を設置します。多目的小講堂については、集会場に求められる消火設備の設置を検討します。
 
1-2 暖冷房換気設備
(1)暖冷房設備
① 教室、メディアスペース、学校図書館、学級室、生徒会室、放送室、校務諸室、準備室、PTA室、多目的ホール、サーバー室となるコンピュータ準備室、多目的小講堂、更衣室に、暖冷房の効果性、イニシャルコスト、ランニングコスト、維持管理、省エネルギー、環境影響、各室の利用性への影響を比較し、適切な暖冷房設備を設置します。各室とも、特に教室については、利用性を損なう床置き型の機器を用いないことが望まれます。
② ホール及び廊下については室空間との間仕切りの形態に応じて、今後の計画・設計において暖冷房設備の要否とシステムのあり方を検討します。
③ プール室には暖房・換気設備を、給食関係諸室には、利用態様に応ずる暖冷房・換気設備を設置します。
 
(2)換気設備
① 居室の換気は自然換気(開口部による換気)によることを原則としますが、換気機能を持つ開口部を設けることが困難な一部の居室については機械換気設備とします。
② 全居室に、建築基準法及び関連する法令に基づいて、シックハウス対策としての換気設備を設置し、必要に応じ全熱交換器の併用を検討します。
③ 機能上換気が必要な諸室に換気設備を設置します。